
台湾も香港も好きで、何度か行ったことがある。でも「中国本土」となると、なんとなく足踏みしてしまう——そういう人、意外と多いんじゃないかな。
Xで中国旅行のおすすめを聞こうものなら、玄人たちが「新疆がいい」「雲南の奥地が最高」みたいな話をしてきて、かえって途方に暮れることがある。あれはあれで全部正しいんだけど、まずは旅しやすくて初心者でも楽しめるコンテンツが揃っている都市から入りたい。
この記事では、主に中国旅行デビューを考えている女性に向けて、観光インフラがしっかり整っており、かつ中国ならではの魅力の詰まった5都市を紹介する。女子旅向け見どころや、プラスアルファで楽しめる情報も一緒にまとめたので、旅のイメージを膨らませながら読んでみてほしい。
1. 上海|まず中国に慣れたいなら、ここから始めるのが正解

中国旅行の入門として、上海はいまも最有力候補に間違いなし。
外灘の夜景、新天地のおしゃれなカフェ・バー、豫園の古い街並み。それが全部、地下鉄一本で移動できる範囲に収まっている。英語が通じる場所も多いし、キャッシュレス決済(WeChat Pay・Alipay)さえ準備しておけば、言語の壁は比較的低い。

女子旅で特に外せないのが田子坊。石畳の路地に雑貨屋やアクセサリーショップ、カフェが入り組んでいて、レトロでかわいいものを探しながら迷子になるのが楽しい。似たような雰囲気だと安福路周辺も、上海のおしゃれなローカルショップが集まるエリアとして最近人気が高い。フォトジェニックなプラントショップやスローなカフェが並んでいて、散歩するだけで気分が上がる。
ショッピングの充実度も申し分なくて、ハイブランドから中国ローカルデザイナーのセレクトショップまで、お金の使い道には困らない。夜景を見ながらバーで飲んで……という旅の王道コースも、上海なら全部そろう。

ちなみに、上海に慣れたら、足を伸ばしてみてほしい場所がある。高鉄で30分の杭州は西湖の景色が美しい落ち着いた街で、1時間の蘇州は水郷の古都として有名。
また上海ディズニーランドもあるので、テーマパーク好きな人にも嬉しい選択肢が非常に多いのが魅力だ。
こんな人におすすめ:中国旅行が初めて/ショッピング・雑貨好き/夜まで遊びたい/旅の難易度を下げたい
2. 西安|ドラマや映画で見た「あの中国」が、そのまま目の前にある

香港や台湾とは空気感がまったく違う、と最初に感じる中国の都市がきっと西安だろう。

古い城壁が今でも市内をぐるりと囲んでいて、北方の乾いた空気の中に悠久の歴史が流れている感じ。ドラマや映画で見るような「中国らしい中国」の景色が、今も変わらず切り取られている。
兵馬俑や華清池ももちろんすごいんだけど、西安の魅力はむしろ街そのものにある。

回民街というイスラム教徒の街には異国の空気が混ざっていて、羊肉の煮込みをパンに浸して食べる羊肉泡馍(パオモー)やビャンビャン麺をつまみながら歩くと、シルクロードの要所として栄えたこの街の歴史を味わえる。
中でも、西安を訪れる女子の間で最近人気なのが旅拍(りょはく)。

漢服(中国の伝統衣装)を着て、メイクをして、プロカメラマンに撮ってもらうロケーション撮影で、古い城壁や街並みをバックにした写真は西安だからこそのクオリティが出る。SNS映えを狙うなら、漢服×西安の組み合わせはかなりアリ。
英語は上海よりは通じないし、移動の計画も少し必要。でもその分「旅した感」は強烈に残る都市だと思う。
こんな人におすすめ:歴史・異文化が好き/香港・台湾とは違う中国を感じたい/旅拍や衣装体験に興味がある
3. 厦門(アモイ)|台湾好きなら、むしろ来るべき場所
台湾が好きな人にぜひ知ってほしいのが厦門だ。台湾と同じ福建省の文化圏にある海沿いの都市で、食も言葉のルーツも台湾ととても近い。沙茶麺や土笋凍、蚵仔煎(牡蠣オムレツ)など台湾グルメとどこか似た南方フードが楽しめるし、お茶の文化も深い。福建省はウーロン茶の産地として有名で、本場のお茶を飲み比べるのも旅の楽しみになる。

街として一番の見どころは鼓浪嶼(コロンス島)。本島からフェリーで10分ほどの小さな島で、ヨーロッパの影響を受けたカラフルな建築と路地裏のカフェが混在している。車が入れないので、のんびり歩いて探索できるのが嬉しい。路地ごとに個性的なカフェやセレクトショップが入っていて、雑貨やアクセサリーを見ながらぶらぶらするだけで時間が溶ける。
厦門の街中だけでなく、少し足を伸ばすと客家(ハッカ)の土楼が残るエリアにも出られる。円形の巨大な集合住宅が田んぼの中にぽつんと立っている光景は、「こんな景色が中国にあるの」と驚くはず。厦門から日帰りでアクセスできて、中国南部の農村をぐっと身近に感じられる場所だ。
こんな人におすすめ:お茶が好き/のんびりしたい/カフェ・雑貨好き/辛いものが苦手
4. 長沙|カルチャーが生まれる眠らぬ街で、トレンドを全身で浴びる

旅行先としての知名度はまだ低いけど、いまの中国の若者文化を感じたいなら長沙がいちばん面白い。ここは中国では「眠らない街」として有名で、ファッションストアもレストランも、遅くまで本当に遅くまで営業してて、午前2時になっても若者が街で遊んでいる。

名物は茶顔悦色(チャヤン・ユエスー)というミルクティーブランド。長沙発祥の地元限定チェーンで、行列必至だけど並ぶ価値がある。そして絶対に行ってほしいのが文和友。昭和の中国みたいなレトロな内装の複合施設で、メインはザリガニ料理のお店。

中国の夏の名物・小龍蝦(ザリガニ)を辛いタレで炒めたのをワイワイ食べるスタイルで、このレトロな空間でのザリガニ体験は長沙でしかできない。SNS映えもするし、食べながらの写真は確実に盛り上がる。その他、長沙の街にはカエルやオオサンショウウオなどのおいしいゲテモノ料理も充実。

夜になると街がさらに動き出す。解放西路のバーストリートは深夜になるほど盛り上がるし、屋台を食べ歩きしながらショッピングというのが長沙流の夜の過ごし方。

少し足を伸ばすなら、張家界も候補に入れてほしい。長沙からバスや高鉄で行けるこの地は、垂直にそびえ立つ岩山が連なる圧倒的な絶景スポット。映画『アバター』のモデルになったとも言われる場所で、ガラス張りの橋や断崖の遊歩道など、スリルのある体験もできる。
こんな人におすすめ:ローカル文化を体感したい/夜遊び好き/いまの中国を知りたい/グルメ重視
5. 桂林|水墨画の世界で、山に囲まれたカフェ時間を

桂林は、他の4都市とは少し枠が違う。都市観光というよりも自然を味わう場所だ。
カルスト地形が生み出す山と川の景色は、本当に水墨画そのもの。漓江クルーズで川からぽこぽこした山々を眺めていると、「ここは本当に地球か」という感覚になる。川下りの終着点・陽朔(ヤンシュオ)はレンタサイクルで田園地帯をのんびり走り回れる場所で、バックパッカーも多く、中国の中では少し独特の空気感がある。

桂林・陽朔エリアで最近注目したいのが、山や田んぼに囲まれたカフェの存在。切り立った山を窓の外に眺めながらコーヒーを飲める空間や、山の中にちょこんと建った民宿など、ここでしかできないカフェ体験ができる。自然の中にいながら、のんびりかわいい時間を過ごせるのが桂林の隠れた魅力だと思う。

香港が好きな人にとって嬉しいのが、香港から高鉄でアクセスできること。約3時間なので、「香港ディズニーランドで夢の世界に浸ったあと、桂林の絶景へ」なんてルートも十分現実的。非日常を二段重ねにできる、なかなか贅沢なコースだ。
ちなみに、泊まるならなら桂林市内よりも、陽朔や興坪のあたりがおすすめ。
こんな人におすすめ:景色・写真重視/自然派カフェや民宿でのんびりしたい/香港旅行と組み合わせたい
まとめ
5都市、どれもキャラがまったく違うから、まずは自分に刺さりそうな街をひとつ見つけてみてほしい。その一歩が、中国旅行の入口になるはずだ。


