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「百里水墨画廊」をレンタルスクーターで散策 - モデルコースの紹介と現地レポート

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前回の記事では水墨田園の基本情報をまとめたので、今回は実際に現地を電動バイクで走り回った体験をレポートしたい。

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荷塘村で電動バイクを入手

荷塘村に電動バイクを探しに行く

当初、景区手前の商店でバイクを借りようとしたら、あっさり「没有」だった。事前情報をあてにしすぎた結果なので仕方ない。とりあえず最寄りの集落、荷塘村まで1キロほど歩くことにした。荷塘村まで行けば、何かしらのカフェや商店がバイクを貸し出しているだろう、という算段だ。

村に着いたころにはすっかりお腹が空いていたので、道沿いにあった名もなきパン屋さん(兼カフェ&食堂)に入った。民家の一角をそのまま使ったような店で、対応してくれたおばちゃんは、その日村で採れた野菜で何か作るよ、と言って注文を受けてくれた。

地元の食材を使った「農家飯」を楽しめる食堂を兼ねる。このお店についてはまた別途じっくりレポートを書きたい。

青椒と鶏肉の炒め物と、細切りじゃがいもの炒め物、それと白米を頂いたのだが、農家飯ならではの素朴な美味しさで、空腹と疲れを癒してくれた。このあたりの小話については、本記事では語りきれないので、別途荷塘村にフォーカスを当てた記事を執筆したいと思う。

そして、おばちゃんに食後にダメ元でバイクを借りられないか聞いてみると、いいよ、と即答だった。3時間50元と、好条件。計画が外れたわりに、話は思いのほかスムーズに進んだ。

川を渡って景区へ

おばちゃんから簡単に操作説明を受け、夫婦二人乗りで出発する。

荷塘村を出て少し走ると、川が現れた。桂林の漓江と比べると規模はずっと小さく、小川に近い。ただ筏に乗ることもできるらしく、川沿いの雰囲気はのんびりしていた。この川を渡ると景区に入る、というような位置関係で、橋を越えたあたりから周囲の空気が徐々に変わってくる。

景区に入ってすぐのエリアでは、旅客中心付近や集落に近いこともあって人の気配がそれなりにある。ロードバイクで来ている中国人グループや、スクーターを2人乗りで走らせるカップルなどをちょくちょく見かけた。中国でのスクーター移動は基本的に2ケツスタイルで、それはここでも変わらない。

農地エリアが最大の見所

景区に入って暫く進むと、視界がいっきに開ける。だだっ広い田園が広がって、その向こうに岩峰がいくつも連なって見えてくる絶景エリアだ。その様子は衛生写真からでも鮮明に分かるので、現地訪問の際には衛星写真を頼りに目指してみて欲しい。

「小桂林」という愛称から、行くまでは桂林より景観が劣るのかと思っていたが、実際に目の前にするとそんな先入観はすぐに吹き飛んだ。

岩峰のスケール自体は桂林に引けを取らないし、形状としては縦に細長く伸びているものが多く、桂林の横に広がるような山容とはまた違う印象を受けた。山の密度も濃いので、農道をバイクで走ると岩峰と岩峰の間をすり抜けていくような感覚があって、むしろ風景のインパクトとしては個人的に桂林を上回るような気すらする。

なお、農地のあたりは舗装がされておらず、雨の影響でぬかるんでいる箇所が多く、バイクで慎重に進む必要があった。二人乗りのまま横転したりしないよう注意しながら運転する必要がある。

双元村

田園エリアを抜けて南へと進むと、双元村という集落に入る。何もない田園風景から一点、突然古風な集落へ辿り着く。遠目には整った景観の観光スポットかと思ったが、実際に走り込んでみるとレストランひとつない純粋な農村の集落だった。

赤茶色のレンガ造りの建築が並んでいて、農民がのんびり歩いていたり、子供がちらほら遊んでいたりする。観光地的な整備は一切なく、完全に住民の生活の場だった。

双元村のあたりから、周囲の岩峰がより間近に迫ってくる。似たような形の山が連続しているようでいて、よく見るとひとつひとつ表情が違っておもしろい。急峻に切り立つものがあれば、なだらかな稜線を持つものもある。

まさに、漢字の「山」を絵に書いたような三つ子山

景区散策を通じて個人的に印象に残った山容は、背の高い岩峰が3つ並んで立っている連山(?)。名前はついていないようだったが、ボコッと突き出た3つの峰が横に並ぶ様子は、まるで甲骨文字の「山」の字そのものだった。あの文字の着想はこういう地形から来たのではないかと思うほどで、思わずバイクを止めてしばらく眺めてしまった。

楓木林

さらに進むと楓木林という集落に入る。このあたりが景区の南端にあたる感じで、建築は双元村のような古い様式とは変わって、比較的近代的な低層の家屋が多くなってくる。

ただ、家の脇にアヒルが放し飼いにされていたり、農家であることに変わりはない。このエリアには八角亭もあって、ちょっとした写真スポットのようになっている。

再び、広々とした農地エリアが現れる

そして、楓木林から北に向かう道中が、今回のルートの中でいちばん気持ちよく走れた区間だった。一応舗装されていて、スタート地点付近のぬかるみに恐る恐るだったのとは打って変わって、バイクで気持ちよく駆け抜けることができた。

両側にだだっ広い畑が広がる中を走っていると、道の脇に牛がいた。一頭だけでなく、このあたりのエリアのあちこちで見かけた。農道の真ん中をのっそりと歩いていることもあって、バイクで近づくと向こうもこちらをじっと見てくる。牛だ牛だ、と盛り上がっていたら、手綱を引いていたおじさんが少しだけ笑ってくれた。

公婆山エリアと蓮池

北上していくと、公婆山というシンボリックな山のあるエリアに出る。鋭く尖った山の中腹にぽっかり穴が空いている、という珍しい形状の山で見所の一つらしいのだが、我々はどれがその山なのか分からず完全にスルーしてしまった。

池のあるあたりは、漓江流域のような景色が広がる

ただこのあたりには池がいくつか点在していて、蓮の葉が水面を覆う景色が広がっていた。曇天のせいで水面への映り込みがはっきりしていて、池の向こうに並ぶ岩峰がそのまま水の中にも広がっているような景色になっていた。訪れたのは夏前だったのでまだ葉だけだったが、蓮の花が咲く季節にはまた違う顔を見せるはずだろう。

この時点で約2時間半が経過。のんびり写真を撮ったりしながら回っていたので、バイク旅にしてはかなりのスローペースだ。そんな中、食堂のおばちゃんから、そろそろバイクを使いたいから返しに来てくれ、と催促のメッセージが入ったので、ぼちぼち荷塘村へ戻ることにした。これで、楓木林を南端とした、百里水墨画廊周遊ループの完成となる。

荷塘村に帰還

おばちゃんのパン屋へ帰還

観景台エリアを過ぎると、最初の農地エリアを超え、スタートの荷塘村に戻る形になる。全行程約17キロ、所要時間は3時間弱ほど。ドローンを飛ばしたり止まったりしながら動いたので時間がかかったが、純粋に走るだけなら1〜2時間だと思う。半日の余裕を持って臨むのが良いだろう。

なお、この日は天気予報では雨が降る見込みだったが、幸いにも周遊中には雨に降られることはなく、荷塘村に帰還後にぽつぽつと降り始めた。念のため合羽を持参していたのだが、良くも悪くも出番がなかった。ただ、天候が不安定な時期に訪問するのであれば、合羽の携帯は必須だろう。

まとめ

今回は、広西・鐘山百里水墨画廊の現地の様子や周遊ルートについて説明をしてきた。桂林の様な景観を求めながらも、人混みや観光地然とした場所は避けたい、という方にはぜひともオススメしたい場所だ。

荷塘村の食事やカフェ、村の雰囲気については、また別の記事で詳しく紹介したいと思っているので、乞うご期待を。