定番ツアーはもう飽きた?ローカル旅行情報発信サイト「コスパトラベル」

パッケージツアーやガイドブックに頼った旅行に飽きた大の旅行好きの方々向けに、ローカル&コスパの良い旅行情報を集めたポータルサイト

広西・黄姚古鎮の名物朝ごはん「豆豉粉」を食べてきた【楊晋記金奨豆豉粉レポート】

記事内にはスポンサーリンクが含まれる場合があります。

広西・黄姚古鎮の朝の風景

 

旅の朝食は、その土地の日常に一番近い時間だと思っている。観光地モードが始まる前の、まだ静かな街の空気の中で食べるローカル飯は、どんな有名レストランよりも記憶に残ることが多い。

黄姚古鎮で迎えた朝もそうだった。旅拍の予約時間まで少し余裕があり、古鎮の外・新街エリアをぶらぶらしていたところ、黄色い看板が目に飛び込んできた。「杨晋记 金奖豆豉粉」。地元の人たちが赤いプラスチック椅子に座って、朝から丼をかき込んでいる。これは入るしかない。

そもそも豆豉粉って何?

まず「豆豉粉(ドウチーフェン)」について簡単に説明しておこう。

豆豉

豆豉(ドウチー)とは、黒大豆を発酵させて作る中国の伝統的な調味料だ。日本の浜納豆や塩辛納豆に近いもので、独特の深いうまみと発酵香が特徴。四川料理や広東料理にも広く使われる食材だが、産地としては黄姚古鎮のある広西がとりわけ有名だ。

黄姚豆豉の歴史は古く、清朝の時代から続く伝統製法で作られてきた。黒豆を柴火で蒸し、天然の菌で自然発酵させ、古井戸の泉水で洗い、さらに二次発酵・天日干しと、複数の工程を経て完成する。杨晋记はそのブランドを1802年(清朝嘉慶年間)から8代にわたって受け継いできた老舗で、店内には「两百年九道古技八代人薪火相传(200年・9つの古技・8代にわたる継承)」と誇らしげに掲げられている。

その豆豉をスープのベースに使った米粉料理が豆豉粉。広西省は螺蛳粉や桂林米粉など個性豊かな粉料理が多い地域だが、黄姚に来たなら豆豉粉は外せない一皿だ。

古鎮外の店がコスパ◎

杨晋记は古鎮の入場ゲートの外、新街エリアに本店を構えている。古鎮内にも体験スタジオがあり、そちらでも豆豉粉を食べられるが、現地の口コミでも「古鎮外のほうがコスパがいい」という声が多い。観光地価格が乗らない分、同じクオリティをより安く食べられる。古鎮の入場料は65元するので、古鎮内に宿泊していない場合、朝食だけのために入場するのは少し勿体ない。

店頭には苗族衣装を纏った女性が大きなどんぶりを持つ大型ポスターが掲げられ、黄色い「金奖豆豉粉」の看板が遠くからでも目立つ。朝7時から営業しており、地元の常連客が次々と吸い込まれていく。

注文〜受け取り

店に入ると、まずカウンターで注文・会計を済ませる先払いセルフ式だ。メニューを伝え注文し、WeChat PayなどでQRコード決済すると、できあがり次第どんぶりを手渡してくれる。

どんぶりを受け取ったらそれで終わりではなく、カウンター脇に刻みネギ・揚げ干し野菜・豆豉などのトッピングが並んでおり、好みで自分でのせるスタイルになっている。桂林米粉などでもおなじみのスタイルで、広西の粉文化に慣れている人には自然に馴染めるはず。ネギをたっぷり乗せて、さらに豆豉を追い足して、というのが正しい楽しみ方だ。

2種の豆豉粉を注文

食べたのは2種類

牛腩豆豉粉(15元)

牛バラ肉をじっくり煮込んだスープに、豆豉の発酵うまみが溶け込んだ一杯。ほろほろと崩れる牛バラ肉、チンゲン菜、刻みネギ、細切りの揚げ干し野菜、そして黒い粒々の豆豉がたっぷりとのっている。

スープをひと口すすると、豆豉の深いうまみがじわっと広がる。発酵した複雑な香りがあるが、くさみはなくむしろ食欲をそそる。牛バラのコラーゲンがとろみを与えており、朝から飲み干したくなる濃厚さだ。米粉はもちもちとした食感で、スープとよく絡む。

鶏蛋豆豉粉(10元)

目玉焼きがトッピングされたシンプルな豆豉粉。スープはやや淡白で、豆豉の風味はありながら牛腩ほどの重さはなく、すっきりした印象。黄身をスープに溶かしながら食べると、まろやかさが加わる。10元という価格も驚異的なコスパで、朝食を軽めに済ませたい場合にもちょうどいい。

どちらかといえば牛腩豆豉粉のほうが豆豉粉の魅力をより引き出していると感じた。初訪問なら牛腩から試すのがおすすめだ。

ところで、料理の味もさることながら、この朝食体験を特別にしていたのが食べる場所の雰囲気だ。

屋外に並ぶ丸テーブルの目の前には、古鎮の石造りの城門がどっしりと立っている。城門の前では地元のおばあちゃんたちが野菜や果物を売り、バイクが行き交い、ごく普通の朝の生活が展開されている。観光地の喧騒が始まる前の、静かで穏やかな時間。どんぶりを両手で抱えて、発酵うまみのきいたスープをすする。これが黄姚の朝だという実感があった。

体験区と土産店

今回は時間の都合で立ち寄れなかったが、店内には「体験区」と書かれたコーナーが設けられていた。説明文によると、黒豆の選別から蒸煮・自然発酵・洗浄・二次発酵・天日干しまで、7つの工程を経て豆豉が完成するプロセスを実際に見学・体験できる仕組みになっているようだ。

また古鎮内の体験店では、豆豉づくりの一部を自分で体験したり、黒豆浆(黒豆乳)を試飲したりもできるそう。食事だけで終わらせず、豆豉そのものの文化を掘り下げてみるのも面白そうだ。

食事を終えたら、店内のお土産コーナーも覗いてみよう。豆豉の瓶詰め・ペースト・各種調味料が豊富に並んでいる。瓶入りの豆豉や豆豉辣椒ソースは日本に持ち帰っても使いやすく、炒め物や蒸し料理のアクセントになる。ギフトボックス仕様の商品もあり、黄姚らしいお土産として重宝しそうだ。

まとめ

1802年創業の老舗が守り続けてきた発酵うまみのスープは、ここでしか味わえない黄姚の味。安くて美味くてロケーションも抜群、コスパ的には満点に近い朝食だ。

時間があれば古鎮内の体験店で豆豉づくりの工程を見学するのもあわせて楽しんでほしい。旅先の朝ごはんは、その土地を一番ナマで感じられる食事だ。早起きして、人が少ないうちにぜひ味わってほしい一杯だ。

基本情報

  • 店名:杨晋记金奖豆豉粉  
  • 住所:広西昭平県黄姚新街045号(鎮政府向かい)  
  • 営業時間:毎日 7:00〜20:00  
  • 場所:古鎮入場ゲート外・新街エリア(入場料不要)