前回の記事では、観光・商用ビザ(B1/B2ビザ)の申請に必要な書類と事前準備について解説しました。
今回はいよいよ実際の申請作業、DS-160の入力と大使館の面接予約の流れを順を追って説明していきます。
DS-160の入力、どこから始めるか

DS-160の入力は、米国国務省のCEAC(Consular Electronic Application Center)サイトから行います。トップページで「Start an Application」を選び、申請する大使館・領事館として、例えば「JAPAN TOKYO」を選択するとApplication IDが発行されます。このIDは必ずメモしておいてください。途中で保存して後日再開する際にも、面接予約の際にも使います。
入力画面の右上に「日本語(JAPANESE)」という言語切り替えがあり、ヘルプテキストを日本語で表示できますが、入力自体はすべて英語で行う必要があります。

Personal Information 1・2|氏名・生年月日・国籍

最初のセクションでは、パスポートに記載された通りの氏名(Surnames/Given Names)を入力します。日本語の名前はローマ字表記で、パスポートの表記と完全に一致させることが必須です。「Full Name in Native Alphabet」欄には漢字またはひらがなで本名を入力します。
続くPersonal Information 2では国籍、

他国籍の有無、National IDナンバーなどを入力します。日本の場合、マイナンバーをNational IDとして入力する形で問題ありません。米国のSocial Security NumberやTaxpayer IDを持っていない場合も、同様にチェックを入れてスキップできます。
Travel|渡航目的と滞在先

渡航目的(Purpose of Trip)では、観光であれば「B-2 TOURISM」、商用であれば「B-1 BUSINESS」を選択します。観光と商用を兼ねる場合は両方を選択します。

「Have you made specific travel plans?」という質問には、渡航の予定がまだ固まっていなければ「No」を選択してもかまいません。ただしその場合でも、渡航予定日・滞在期間・滞在先住所の入力は求められます。まだホテルを予約していなくても、渡航予定エリアにある適当なホテルの住所を仮で入力しておけばOKです。「正式な予約がないと入力できない」というわけではないので、とりあえず仮の滞在先を入れて先に進みましょう。
「Contact Person or Organization in the United States」欄も同様で、米国に知人がいなければ滞在予定のホテル名と住所を入力すれば十分です。「Person/Entity Paying for Your Trip」は自費であれば「SELF」を選択します。
Travel Companions・Previous U.S. Travel|同行者と過去の渡航歴

家族や友人と一緒に渡航する場合は、同行者の氏名と続柄を入力します。ツアーではなく個人旅行の場合は「Are you traveling as part of a group or organization?」に「No」と答えておけばOKです。

過去に米国に渡航したことがある場合は、直近5回分の渡航日と滞在期間を入力します。正確な日付が思い出せない場合でも、フォームのヘルプに「best estimate(おおよその見当)で構わない」と明記されているので、だいたいの日付で問題ありません。
また「Have you ever been issued a U.S. Visa?(過去に米国ビザを取得したことがあるか)」「Have you ever been denied a U.S. Visa?(ビザを拒否されたことがあるか)」「Have you ever been denied travel authorization by ESTA?(ESTAを拒否されたことがあるか)」といった質問も出てきます。ESTAが使えなくなった経緯がある人は正直に答えましょう。虚偽申告は後々のビザ取得に深刻な影響を与えます。
Address & Phone|住所・連絡先

住所は日本の自宅住所を英語表記で入力します。電話番号は日本の携帯番号で問題ありません。メールアドレスは普段使いのものを入力しておくと、後の面接予約や連絡のやり取りがスムーズです。

「Have you used any other phone numbers in the last five years?」「Have you used any other email addresses in the last five years?」という質問もあります。転居や機種変更などで変わっている場合は正直に全て追加入力しておきましょう。
Passport|パスポート情報

パスポート番号、発行地、発行日、有効期限を入力します。「Passport Book Number(旅券帳票番号)」は日本のパスポートには通常記載されていないため、「Does Not Apply」にチェックを入れて問題ありません。
発行地の「City」欄には、パスポートを発行した都市名(例:TOKYO、OSAKAなど)を入力します。「State/Province」欄も同様に都道府県名を英語で入力します。
Family Information|家族情報

父母の氏名と生年月日を入力します。正確な生年月日がわからない場合は「Do Not Know」にチェックを入れることができます。「Is your father/mother in the U.S.?」という質問もあるので、該当する場合は正直に答えてください。

既婚の場合は配偶者のセクション(Family Information: Spouse)も表示されます。配偶者の氏名、生年月日、国籍、出生地などを入力します。住所が自分と同じであれば「SAME AS HOME ADDRESS」を選択できるので手間が省けます。
Work / Education|職歴・学歴

現在の職業(Primary Occupation)では、会社員であれば「EMPLOYED」、自営業であれば「SELF EMPLOYED」などを選択します。勤務先の名称、住所、電話番号、勤務開始日、月収、業務内容の概要(Briefly describe your duties)も入力が必要です。業務内容は簡潔な英語で構いません。

過去5年間の職歴も求められます。転職歴がある場合はその分だけ入力します。学歴については、高校以上の教育機関すべてを入力します。学校名、住所、専攻(Course of Study)、在籍期間を入力しますが、高校・中学レベルの場合は専攻の代わりに「ACADEMIC(普通科)」や「VOCATIONAL(職業科)」と入力すればOKです。

続いて、過去5年間に渡航した国の一覧も求められます。旅行好きで多くの国を訪れている場合は、渡航国をあらかじめリストアップしておくとスムーズです。特に、イランやキューバなど、ESTA失効の原因となるような特定国への渡航経験がある場合は、漏らさず記入をするようにしましょう。
所属団体(部活・NPOなど)、軍歴、特殊技能(兵器・爆発物などに関するもの)の有無なども質問されますが、一般の旅行者であればほぼ「No」で問題ないでしょう。
Security and Background|セキュリティ質問群(Part 1〜5)

DS-160のクライマックスとも言えるのが、このセキュリティ質問のパートです。全部で5パートに分かれており、質問数は合計30問以上にのぼります。
Part 1では感染症、精神・身体障害、薬物依存歴の3問。Part 2では逮捕歴、薬物法違反、売春、マネーロンダリング、人身売買への関与など。Part 3ではスパイ活動、テロ活動、テロ組織への支援・加入・関与など。Part 4では強制退去・不法滞在・ビザ詐欺の歴など。Part 5では米国市民権の放棄、不正投票などです。

これだけ並ぶと圧倒されますが、一般の旅行者であればすべて「No」で問題ありません。フォーム上にも「Yesと答えたからといって自動的にビザが不許可になるわけではない」と明記されています。ただし、故意に虚偽の「No」を答えることは厳禁です。
DS-160の完了・提出
すべてのセクションに入力し終えたら、写真をアップロードして「Sign(電子署名)」を行います。確認ページが表示されたら、バーコード付きの確認ページを必ず印刷またはPDF保存してください。
MRV Fee(ビザ申請料)の支払い

DS-160の提出が完了したら、続いて米国大使館・領事館ウェブサイトにて、MRV Fee(ビザ申請料185ドル)の支払いを行います。支払い方法はクレジット・デビットカードが使えます。為替レートはその時々によって変わりますが、筆者が支払った時点では29,600円ほどでした。

支払い規約には「一度支払った料金は返金不可(NON-REFUNDABLE)で、支払い日から365日後に無効になる」と明記されています。つまり支払いから1年以内に面接を受ける必要があるということ。面接枠が混雑している昨今、余裕を持って早めに支払いを済ませておくのが正解です。
面接予約の流れ

支払い完了後、面接日程の予約画面に進みます。希望の大使館・領事館(東京・大阪・名古屋・那覇・福岡・札幌)を選択し、カレンダーから空き枠のある日程を選びます。
ただし、実際に空き枠があるかどうかは時期によって大きく異なります。筆者が確認した時点では、東京大使館は3ヶ月先まで空きがない状態でした。予約は早めに動くに越したことはありません。空き枠が出た場合はすぐに押さえられるよう、MRV Feeの支払いを終えた段階でこまめにチェックするのがおすすめです。
なお、筆者は試していませんが、予約後に、より早い日程でキャンセル枠が出た場合、最大2回の無料変更権限を活用することで、日程変更を行い、面接日程を早める事ができる、という裏ワザも知られています。一刻も早く面接を受ける必要がある場合は、適宜活用してみてください。
パスポートの受け取り方法

また、申請料支払い・面接予約の過程で、ビザ承認後のパスポートの受け取り方法を選択します。選択肢は窓口受取、標準配達(郵送・無料)、プレミアム配達(速達・3,410円)の3種類です。
個人的には窓口受取をおすすめします。東京のAyobasサービスセンターであれば追加費用ゼロ、予約不要で受け取れます。郵送は無料とはいえ、届くまでの日数がかかる上に、住所登録にミスがあると返送遅延のリスクもあります。大事なパスポートを確実かつ迅速に手元に届けるという意味でも、直接受け取りに行く方が断然安心です。
面接予約確認書を印刷して保管
予約が完了すると、面接日時・場所が記載された予約確認書(Appointment Confirmation)が発行されます。電子データではなく、紙に印刷して当日持参することが必須です。確認書には持参物のリストも記載されているので、面接前に必ず確認しておきましょう。
東京大使館の案内によると、予約時刻の前後15分以内に到着することが求められています。また、大使館内にはラップトップなど大型の電子機器を持ち込めないので、面接当日はスマホ以外の電子機器は持ち込まないようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
次回は、いよいよ面接当日の流れとビザ取得後の手続きについて解説します。