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ドイツでの嗜好用の大麻合法化を受けて、観光トレンドは大きく変化するか?日本人旅行客が知っておくべき重大事実【大麻ツーリズム】

旅先で味わう異文化体験は、旅行の醍醐味の一つである。歴史ある建造物、美しい自然、独特の食文化など、旅行中のスパイスは数多く挙げられるが、その中でも異彩を放つのが「大麻」という存在。2024年4月1日、ドイツで大麻合法化が施行されたことで、大麻が合法化された国は世界で20ヶ国を超え、旅先で緑色の煙に遭遇する可能性はますます高まっている。

今回の法改正によって、大麻目当ての旅行客を多くドイツへ押し寄せることは想像に難くない。実際、オランダなど既に大麻が合法化されている国においても、旅先での開放感、好奇心、そして周りの雰囲気に流されて…うっかり大麻に手を出してしまう旅人も少なくない。しかし、大麻は日本の法律では違法薬物であり、海外であっても日本人が使用すれば厳しい刑罰を受ける可能性がある。今回の記事では、ドイツ大麻合法化をきっかけに、海外旅行における大麻使用のリスクについて詳しく解説していく。旅の思い出を台無しにしないためにも、旅行前に必ず読んでいただきたい。

緑の煙が舞う、ベルリンの夜空:ドイツ、大麻合法化の夜

ベルリンの夜空に、緑色の煙が舞う。2024年4月1日、ドイツで嗜好用の大麻が合法化されたのだ。ブランデンブルク門前には、歓喜の声を上げる人々が集まり、新時代の幕開けを祝った。時計が午前0時を告げ、法施行と同時に、人々は待ちわびたように大麻を手に取る。長年議論されてきた合法化がついに実現し、ベルリンの夜は熱気に包まれた。

新法では、18歳以上の成人が乾燥大麻(俗に言う「マリファナ」)を25グラムまで所持できるほか、自宅で3株まで栽培することが可能となった。7月1日からは、「大麻クラブ」での販売も開始される予定だ。カール・ラウターバッハ保健相は、合法化によって「中毒の緩和、子どもや若者の消費防止、闇市場の撲滅」につながると期待を寄せる。

一方、医療関係者からは、若年層の消費拡大への懸念も根強い。専門家は、若年層の大麻使用は中枢神経系の発達に影響を与え、精神障害統合失調症の発症リスクを高める可能性があると指摘している。緑の煙が象徴する希望と不安。ドイツ社会が、これからどのような変化を迎えるのか、一旅行好きとしては目が離せない。

それでも日本人が海外で大麻を吸うことは許されない

ドイツで大麻が合法化されたニュースは、当然日本でも大きな注目を集めている。しかし、日本において大麻は違法薬物であり、海外であっても日本人が大麻を吸うことは許されない、ということを我々は今一度認識しておくべきだろう。

日本における大麻取締法

日本には、大麻取締法という法律があり、大麻の所持、栽培、譲渡、譲受、使用はすべて違法行為とされている。たとえ海外であっても、日本人がこれらの行為を行った場合は、日本の法律に基づいて処罰される可能性がある。

大麻取締法の罰則は、違反行為の種類や量によって異なるが、懲役3年以下または50万円以下の罰金、場合によっては両方の刑が科される。

海外で大麻を吸った場合の日本の刑罰

日本人が海外で大麻を吸った場合、日本の法執行機関が捜査に乗り出すことは稀だが、帰国後に逮捕される可能性はゼロではない。近年では、海外で大麻を吸ったとして逮捕された日本人の事例もいくつか報じられている。

たとえ合法化された国であっても、日本人が大麻を吸っているところを日本の警察官が目撃した場合、職務質問を受ける可能性があり、尿検査などで大麻の成分が検出された場合は、逮捕される可能性がある。また、SNS等で大麻喫煙体験を自らシェアしたり、他の日本人観光客に目撃・証拠写真を撮影されたりなどして、警察以外の手によって逮捕のきっかけが生まれる可能性も大いにある。所謂、SNS上の「特定班」によって、社会的私刑が下される危険がつきまとうことになる。

大麻合法化に対する日本の慎重な姿勢

日本政府は、大麻健康被害や依存性の高さなどを理由に、大麻合法化に慎重な姿勢を崩していない。近年、欧米諸国を中心に大麻合法化の流れが加速しているが、日本政府は独自の判断で違法薬物としての取り締まりを継続していくとしている。

厚生労働省は、大麻について「乱用すれば幻覚作用や記憶への影響、学習能力の低下等の健康被害が生じる」と指摘している。また、大麻の依存性についても、「依存性が低く依存症にならないという誤解があるが、実際には依存症になる可能性があり、特に若年層においては依存症のリスクが高い」と警鐘を鳴らしている。

大麻合法化の議論は今後も続く

日本における大麻合法化の議論は、今後もしばらく続くと思われる。欧米諸国を中心に大麻合法化の流れが加速している一方で、日本政府は慎重な姿勢を崩していない。大麻健康被害や依存性、社会への影響など、様々な観点から議論を深めていく必要がある。現状、我々日本人が合法的に大麻を吸えるシナリオは当面見えてこないが、今回のドイツ国内での合法化をきっかけに議論が一段と深まることで、ひょっとすると我々異文化Loverにとって大きな契機が訪れることになるかもしれない。

いかがでしたでしょうか

海外旅行は、新しい文化や価値観に触れられる貴重な経験である一方で、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクも存在する。大麻合法化は、世界的な潮流とはいえ、日本においては依然として違法行為である。海外旅行中に大麻を吸うことは、健康被害や依存症のリスクだけでなく、逮捕や入国拒否などのリスクも伴うこととなる、海外旅行を安全に楽しむためには、現地の法律や文化は勿論、日本法律をも尊重し、リスクを理解した上で行動することが重要である。大麻の使用は、そのリスクを承知で選択するべき行為では決してない。

海外旅行好きの読者の皆様には、大麻の誘惑に負けず、安全で楽しい旅行を心がけていただきたい。