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【ローカル嗜好品】エチオピアの合法ハーブ「チャット(カート)」とは?探し方や注意点について解説

エチオピアの国民的嗜好品「チャット」について紹介していく

エチオピアの伝統的な嗜好品である「チャット」は、覚醒作用の植物として知られている。日本では違法薬物に指定されているが、エチオピアでは古くから合法的に栽培、使用されており、文化や社会に深く根付いている。

本記事では、エチオピアの合法ハーブ「チャット」について、その特徴や歴史、見つけ方、使用時の注意点などを詳しく解説する。

※本記事は違法薬物の摂取、所持を推奨するものではありません。コスパトラベルとしては如何なる違法行為についても断固反対表明させていただいております。また、エチオピア政府は、チャットの乱用防止対策として、生産量の制限や販売時間の規制などを実施しています。近年、チャット(カート)の国際的な取引が問題視されており、欧米諸国では規制が強化されています。チャットの使用は、口腔衛生の悪化や歯周病などのリスクを高める可能性があります。

チャットとは?

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チャット(学名:Catha edulis)は、東アフリカ原産の低木。葉や若芽を噛むことで覚醒作用を得ることができるとされる。イエメンなどアラブ地域でも広く愛用されており「カート」と呼ばれることも。主な成分はカチンとカテコールアミンで、興奮作用、集中力向上、食欲抑制などの効果が認められている。

一方で、依存性や心拍数上昇、血圧上昇、不眠症などの副作用も報告されている点が、他の麻薬類とも共通する。

エチオピアにおけるチャット

エチオピアでは、カートは「チャット」と呼ばれ、社交の場や娯楽として広く利用されている。市場では束単位で販売されており、新鮮な葉ほど高値で取引される。

男性だけでなく女性も日常的に使用しており、特に週末にはチャットを噛みながら語り合うのが習慣となっている程である。

エチオピアでは、チャットは単なる嗜好品ではなく、文化的な意味合いを持っている。客をもてなすための重要なアイテムであり、コーヒーセレモニー、結婚式や葬儀などの儀式にも欠かない。また、仕事や勉強の前に集中力を高めるためにも使用されることも。

さてこの度、我々コスパトラベル取材班も、エチオピアハラールの現地家庭にてコーヒーセレモニーへ招待頂き、その際にチャットについても振る舞っていただきけた。以下ではその際の体験についてレポートをお届けする。

チャットの味と効能

コーヒーセレモニーで、チャットを噛みながらコーヒーができあがるのを待つホストファミリー

コーヒーセレモニーなど、家族や仲間でコーヒーを囲む際には、きまってチャットも登場する。今回我々も、コーヒーができあがるのを待っている間、ホストファミリーの皆様とチャットの葉を噛みながら団らんを楽しんでいた。

束状になったチャットの枝から葉をいくつかちぎり、ガムのように口の中で咀嚼するのだ、と教えてくれるホストファミリーさん。指示に従いチャットの葉を噛んでみると、思った以上に苦く渋いエキスが口の中を刺激する。仮に日本国内でこの味に出会ったら、きっと毒だと判断してしまうだろう。

チャットの葉。なんの変哲もない見た目である。

そんな苦味に耐えながら、葉をちぎっては口に放り込み、と繰り返していたものの、特に目だった変化は起きない。実はチャットの効能は極めて弱く、カフェインやお酒、タバコなどの刺激物に慣れた現代人に対して、そこまで大きな興奮作用をもたらすことはないのだそう。

そんな風に困惑する我々を横目に、ホストファミリーの男性はおかまいなしにバクバクとチャットの葉を食らう。何でも、このあたりの成人男性は皆チャットに夢中で、働くことを忘れてしまうほどだとのこと。なるほどそれは政府も危険視するわけである。

ポップコーンと一緒にチャットを噛むのが、ハラールスタイルらしい(?)

チャットの苦味、渋みに手が止まる我々に対し「この組み合わせが最高だから試してみて」とポップコーンを勧めるホストファミリー。ポップコーンを食べながらチャットを噛めば、苦味が薄まるのだそう。勧められるがまま試してみたがやはり苦いし、相変わらず特段の興奮作用は見られない。それとも、ひょっとすると旅行体験そのものや、コーヒー原産地であるエチオピアハラールで既に大量に摂取してしまったカフェインが、単純に我々の興奮感度を鈍らせてしまっていたのかもしれない。

それでも、ホストファミリー達とともに、コーヒーとポップコーン、そしてシーシャを片手にチャットを噛むという体験は、エチオピアならではのユニークでエキゾチックな刺激を与えてくれた。

一口噛み始めると、手が止まらなくなるファミリー達。

チャットの副作用

先述の通り、一見我々現代人に対しては大きな効能を示さないと思われたチャットだが、その日の夜から、不思議な症状が見られるようになった。

旅の疲れがあるにもかかわらず、夕御飯の時間になっても一向にお腹が空かないのだ。明日のために何とかエネルギーを採らないと、と一生懸命食事を口に運ぶが、全くと言っていいほど喉を通らない。この謎の食欲減退が実はチャットの副作用だった、というのは帰国後に知ったのだが、現地でこの症状に見舞われたときには心底面食らった。

楽しみにしていたエチオピアンビール。食欲減退によりほとんど喉を通らなかった。

それだけではない。その翌朝、目を醒ますと尋常ではない発熱に見舞われていた。体温計がなかったので正確な数値はわからないものの、感覚的には40度を超える高熱だった。昨晩の食欲減退も体の不調の一症状だと考えていた私は、ついにマラリアにかかってしまったかと絶望した。

しかし、それから二度寝をし数時間ほど時間を空けると、先程までの高熱が何事もなかったかのように引いていた。なんと不可解なことだろうか。万が一の事を考え、 現地のガイドに「私はマラリアにかかってしまったかもしれない」と知らせたところ、軽く笑われてしまった。「あなた、昨日チャットを沢山食べていたじゃないか。そのせいだよ。」と一蹴。そう、チャットには副作用として発熱効果もあり、初めてチャットを口にした私は特にた耐性がなく、その症状が大きく出てしまった形だろう。何はともあれ感染症の類ではなく安心したが、アフリカのど真ん中で高熱を出し肝を冷やした体験は、悪い意味で心に残る思い出となった。

チャットの注意点

さて、実体験談にチャットの副作用について解説してきたが、チャットは依存性のある薬物でもある。チャットにチャレンジする際には特に以下のような点に注意が必要だ。

依存性: チャットには依存性があり、長期的な使用は精神的・身体的な健康に悪影響を及ぼす可能性がありまる。

副作用: 発熱や食欲減退以外にも、心拍数上昇、血圧上昇、不眠症、頭痛、吐き気などの副作用が現れる可能性がある。

日本での違法性: チャットは日本では違法薬物に指定されており、所持、使用、譲渡は厳しく禁じられている。エチオピアで購入したチャットを不用意に国外へ持ち出さないよう、注意が必要だ。

チャットの見つけ方

エチオピアでは、チャットは市場や路上で簡単に見つけることができる。特に、都市部ではチャット専門の市場が開かれていることもある程。葉は緑色で、長さ10~20cm程度。エチオピアを訪ねる際には、是非マーケットを凝らして探してみていただきたい

まとめ

エチオピアの合法ハーブ「チャット」は、文化や社会に深く根付いているものの、依存性や副作用などのリスクもあるため、使用には注意が必要だ。エチオピア旅行中にチャットを試したい場合は、上記の説明を参考に、安全に楽しんでみていただきたい。

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※本記事は違法薬物の摂取、所持を推奨するものではありません。コスパトラベルとしては如何なる違法行為についても断固反対表明させていただいております。また、エチオピア政府は、チャットの乱用防止対策として、生産量の制限や販売時間の規制などを実施しています。近年、チャット(カート)の国際的な取引が問題視されており、欧米諸国では規制が強化されています。チャットの使用は、口腔衛生の悪化や歯周病などのリスクを高める可能性があります。