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【モルディブ旅行×空撮】海外でのドローン飛行申請手続き・許可取得の流れについて解説

ドローンを使用して、モルディブでウェディングフォト撮影を行ってきました!

こんにちは、ドローンパイロットのやむです。以前海外でのドローン持ち込みについて記事を書いたところ色々と反響を頂いたので、今回は実際に海外でのドローン飛行申請手続き・許可取得の流れについて解説していきたいと思います。

直近でモルディブへドローンを持ち込み、飛行・撮影してきたので、その時の流れをケーススタディとして例に挙げながら述べて参ります。

現地法律・許可制度を確認する

まず、海外でドローンを飛ばすにあたり必要な第一ステップが、現地法律や許可制度、許可取得のための必要提出書類を確認すること。国によってはそもそもドローンの持ち込みが全面禁止されていたり、一般旅行者に対し飛行許可が一切下りないケースもあります。

モルディブの場合、さすがは観光立国ということもありレジャー目的でのドローン持ち込みもOKとのことでした。ただ、モルディブ国内でドローンを飛ばすためには予め飛行許可を取得する必要があるとのこと。

www.caa.gov.mv

飛行許可の申請先はMNDF(Maldives National Defense Force)と、CAA(Civil Aviation Authority)の2機関。前者は防衛庁、後者は航空庁のような位置づけの機関となります。むやみなドローン飛行は、国の平和や航空交通安全を脅かす脅威となりかねないので、これらの機関によって慎重に審査をされた上で、初めて許可が下りることとなります。

必要提出書類を確認する

現地法律と許可制度について理解をしたら、次は実際に必要提出書類を揃えます。モルディブでは、所定の申請書とともに、飛行させるドローンの仕様書・マニュアル、飛行エリアマップ、ドローン本体の写真の提出が求められます。

申請書の記入詳細については後ほど説明しますが、まずは飛行場所を確定しないことには申請書の記入や飛行エリアマップの作成を進めることはできません。そこで、次のステップとして飛行場所の決定、エリアマップの作成をします。

飛行エリアマップを作成する

モルディブに限らず、日本を含め世界各国でほぼ共通のルールですが、ドローンを飛行させるにあたり、予め飛行場所を正確に定めておき、しかるべき機関に伝達をしておく必要があります。モルディブにおいては、許可申請書の中で飛行エリアを明記し、飛行エリアマップを添付することでこのプロセスを完了します。

飛行エリアマップについては、こちらの画像のように赤丸で飛行範囲を図示する程度の簡単なもので問題ありません。併せて、飛行エリアの緯度経度がいくらなのか、メモを取っておくようにしましょう(CAAへの申請にあたり必要になります)。

MNDFに申請提出し、許可証を受け取る

飛行場所を決定したら、申請書の記入を行いましょう。審査プロセス上、まずMNDFに許可書を発行していただき、その許可書をもってCAAへ許可申請を行う、という流れとなります。MNDFへの申請フォームは下記から入手可能。但し、フォームは頻繁に改定がされているので、事前にMNDFへコンタクトを取り、最新のフォームを提供いただくようお願いしておくとベターでしょう。

MNDF用申請書:https://www.caa.gov.mv/attachments/C3Rg4JqeH5xGEqehipuxiMgOZARdLWzTjNUvVK24.pdf

申請書の中では、操縦者の個人情報や飛行エリア、飛行日時等について記入をします。内容に問題が無ければ、申請書に押印がされ、許可書として返送してもらえることとなります。

なお、申請書の書き方やレターの基本的な書き方については、下記過去記事を一度参照頂き、先方に対して無礼が無いよう基本を理解しておくことをお勧めいたします。

www.kosupatravel.com

 

MNDFの審査に通過すると、押印済み許可書が送られてきます。

CAAに申請提出し、飛行許可を受ける

MNDFから許可書を受け取ったら、今度はCAAに申請をします。CAAに対しては、MNDFとは異なるまた別の書式で申請提出をする必要があります。

CAA用申請書:https://www.caa.gov.mv/attachments/JxulUOCqryQSAMAEPLyIYNDQMzmiCLMqnpjXMJJJ.pdf

ここでは、飛行場所の正確な緯度・経度の記入が求められるので、飛行マップとの整合性を確認しながら記入を進めるようにしましょう。

記入が完了したら申請書、飛行マップ、そしてMNDFからの許可書をCAAにメールで送ります。内容に問題が無ければメール返信にて、飛行OKの旨返信を受けることとなります。問題がある場合、高度制限などの指示を受けたり、もしくは飛行不可として内容是正を求められることとなるので、指示に従って申請を修正するようにしましょう。

国防を司るMNDFと異なり、CAAは航空安全を司る機関。そのため、他の航空機との接触の恐れが考えられる飛行計画など、航空安全面で飛行困難と見なされる場合には許可が下りない可能性があります。MNDFから許可取得したからと言って、必ずしもCAAからも承認が貰えるとは限らないこと、注意しておきましょう。

ドローン保険に加入する

また、飛行に先立ち海外飛行に対応したドローン保険に加入しておくことをお勧めします。ドローン飛行には常に事故リスクがつきもので、いくら安全ガイドラインを遵守していたとしても、不慮の事態で事故を起こしてしまったり、最悪の場合賠償問題に発展する可能性があります。モルディブでの飛行にあたり保険の加入は必須では無いものの、実際に多くの国で外国人がドローンを飛行させるにあたり賠償責任保険への加入を義務付けているケースが見られます。

おすすめなのが、AEROENTRY。Cプランを選択することで、海外飛行にも対応した充実の保証を受けることができます。また、可能であれば併せて機体保険にも加入しておくことで、万が一ドローンを墜落させたり、水没させたりして故障してしまった場合も、修理・交換費用に掛かる補償金を受け取ることが可能になります。賠償責任保険+機体保険年額で合計3万円ほどと高価ですが、万が一のことを考えると決して法外な金額ではありませんので、是非加入を検討してみて下さい。

drone.aeroentry.jp

土地の管理者に許可を得る

飛行前の最後のプロセスとして大切なのが、現地の土地の管理者の許可を取得すること。例えば民家上空であればその家の持ち主の許可を、リゾート施設であればリゾートマネージャーなどに飛行許可を受けることが必要となります。せっかくドローンをモルディブに持って行ったのに、現地でNGを喰らってしまった、等ということがないよう、可能であれば事前に管理者に問い合わせて許可を受けておくようにしましょう。

滞在先リゾートで撮影を行った際にも、事前にホテルマネージャーに許可を頂きました。リゾートではプライバシーなどの観点から独自の規制が設けられている場合があるので、飛行にあたり必ず確認するようにしましょう。

 

その他の注意点

モルディブ国内でドローンを飛行させるにあたり、その他いくつか事前に知っておくべきことがあります。

申請に掛かる必要日数

上記で説明した一連の飛行申請について、概ね3か月程度の必要日数を見ておくことをお勧めします。モルディブ政府機関の応答はそこまでマメではなく、数週間程度メールが見られていなかった、というケースも多々あります。また、申請修正を求められた場合に備え時間的余裕を見ておくことも大切です。出発予定日の3か月前には、遅くとも上記ステップに着手することをお勧めします。

現地の天候

モルディブの天気は非常に変わりやすく、一時間ごとに雨⇒晴れ⇒雨、と劇的に変化することもしばしば。当然ながら、一般的なドローンは雨の中では飛ばすことができません。また、モルディブは全域風が非常に強く、風速10m/sを超えるような突風が吹き荒れることも珍しくありません。旅行時に持ち込めるような軽量ドローンだと、こういった強風化では正常に飛ばすことができず、風に吹かれて墜落したり、操縦不可状態になってしまうことがあります。

こういったことから、現地では雨・強風を避けてドローンを飛ばす必要があり、そのために飛行予備日を設けておくことが大切になります。飛ばそうと思っていた日が必ずしも天候に恵まれるとは限りません。余裕を持ったスケジューリングを心がけることをお勧めいたします。

GPS不具合

また、DJIドローンなどではGPSを使用した飛行トラッキング機能が備わっていますが、モルディブではほぼ全域でGPSが使えないと考える必要があります。そのため、万が一飛行中にドローンを見失ってしまった場合、GPSや地図からドローン位置を見定めるのが困難になります。目視できる範囲を超えないよう注意しつつ、万が一期待を見失ってしまった場合のバックアップ案を入念に考えておくことをお勧めいたします。

いかがでしたでしょうか?

今回は、モルディブでの事例を取り上げながら、実際に海外でのドローン飛行申請手続き・許可取得の流れについて解説してきました。ドローンを海外で飛ばすためのハードルは非常に高いものの、やはりドローンを使用した写真・動画撮影はスマホのそれとはまるで異なります。興味のある方は、是非この機会にチャレンジしてみて下さい!

 

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