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お酒っぽい?謎に包まれたモルディブのご当地ドリンク「Ruku Raa(ルクラー)」を飲んでみた《後編》

念願のRuku Raa。最初の一口目をいざ賞味。

前編では、ちょっと「お酒っぽい」と評判のモルディブの伝統ドリンク「Ruku Raa」について紹介してきた。後編ではそのフレッシュな風味、数日後の状態、そして取り扱う上での注意点について解説をしていく。

前編はこちらから

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前提:Ruku Raaは新鮮さが命

前編でも触れたが、Ruku Raaはとにかく新鮮さが大切である。というのも、採取されたその瞬間から自然発酵が進み、数時間もすれば全く別の味に変わってしまうからである。原理としては、空気中の浮遊イースト菌などと反応して発酵が進むのだそう。それにより時間経過とともに酸性度が増して酢のような風味になっていったり、場合によってはアルコールを生成し、お酒になってしまうことも。これが「お酒っぽい」ドリンクと評される所以である。

繰り返しとなるが、モルディブのローカルアイランドではアルコールの消費は禁じられている。仮にRuku Raaがお酒になってしまった場合は、速やかに捨てる必要がある。今回の取材では、アルコール濃度計を持参して万全を期して検証・テイスティングを行うこととした。

初日:ココナッツウォーターとは全く異なる味わいに歓喜

採取日当日のRuku Raaを味わう

さて、そんなRuku Raaを味わってみよう。今日採れたてのRuku Raaを専門業者が宿に届けてくれた。色は少し白みがかった半透明で、ほんのり上層に泡ができている。既に自然発酵が進みつつある証左だろうか。

ココナッツウォーターとは異なる風合い

そして肝心の味。一口飲んだ我々は反応に困った。というのも、これまで飲んできたことが無いようなエキゾチックな風味で、なんとも他の味で例え辛かったからだ。強いて言うならば、新感覚のフルーツジュースともいうべきだろうか。ココナッツウォーターよりも、ココナッツミルクよりも、ライチジュースの方が近い。それでいて、濁り酒(どぶろく)やランブルスコのような微炭酸を感じる。ほんのりとした甘み・酸味とともに、少しココナッツっぽい香りもする。南国の香りを凝縮したような風味だ。

マリブなどのココナッツリキュールのような、甘ったるい風味を想像していた私は面食らった。思った以上にフレッシュで爽快感のある味わいだ。この日Ruku Raaは夕食の御供として、風味を楽しみつつ喉の渇きを癒してくれた。

二日目:白い沈殿とともに甘みを増したRuku Raa

ボトル内に白い沈殿が見られる

大量のRuku Raaを頂いた我々は、残りのRuku Raaを冷蔵庫の中で保管することにした。翌日の晩、冷やしたRuku Raaを取り出すと、見た目上の明らかな変化が起こっていた。均一だった半透明のRuku Raaに何らかの分離が生じたのか、ボトルの中に白い沈殿が発生していた。現地住民に確認をしたところ品質上の問題はないとのことだったため、優しくボトルを振り、今日のRuku Raaの味を確かめることにする。

なんと、昨日よりも格段に甘みが増している。「水分が蒸発して濃縮された」程度ではない、明らかな風味の変化である。これが自然発酵の底力だろうか。また、炭酸度合いも高まり、昨日に増して舌がパチパチとはじける感覚だ。新鮮さが売りのRuku Raaだが、現地住民の中ではこの「ある程度自然発酵が進んだ」状態の味わい深いRuku Raaを敢えて好む層もいるとのこと。豆腐ようやミモレットチーズなど、「発酵・熟成がある程度進んだものの方が美味しい」とする思考は万国共通のニッチグルメカルチャーなのかもしれない。

三日目:完全に炭酸飲料と化したRuku Raa

Ruku Raaのボトルに尋常ではない量の泡が

そして三日目。この日も同様に残りのRuku Raaを冷蔵庫で保管していたのだが、Ruku Raaは更なる変化を遂げていた。なんとボトル内に尋常ではない量の泡が溜まっているのである。危険な予感を感じながらも、恐る恐るボトルのふたを開けようとしたところ、まるでシャンパンボトルのように、ポンっと強烈な勢いとともにふたが飛んで行ってしまった。目にでも入ったら危なかった。

まるでSpriteのような強炭酸飲料に

グラスに注いだところ、炭酸飲料特有の気泡がグラス表面に現れる。間違いなくRuku Raaは炭酸飲料になっていると飲む前から確信したが、実際に飲んでみると想像以上の炭酸のパンチ力。コーラやSpriteと同等か、それ以上の炭酸含有量だと言っても過言ではない。炭酸が苦手な人には絶対に飲めないレベルの強炭酸だ。自然発酵の力をナメていた。
炭酸だけでなく、甘みや酸味も一段と強くなったようで、一口一口が重く感じる。お酒だと言われたら思わず信じてしまいそうな、ヘビーな味わいである。

四日目:美酢(ミチョ)と化したRuku Raa

見た目はマッコリ、味は美酢、のRuku Raa最終形態

そして四日目。Ruku Raaはいよいよ最終形態に突入した。色味は初日と比べても白さが増し、マッコリのような白濁色になっていた。加えて、これまで漸増していた甘み・酸味の均衡が崩れ、酸味がここに来て急増。もはやジュースというよりも、甘みを帯びたお酢と言った方が近い味わいになっていた。感覚的には、韓国の美酢(ミチョ)に近い。

炭酸が少し抜けて軽やかな口触りになった一方で、酸の強烈なパンチが舌にぶっ刺さる。お酢状態になったRuku Raaは、調味料として料理に使われることこそあるものの、さすがに好んで飲みたがる人は現地でもそうそういないらしい。もはやこれまでか、Ruku Raa。フリーザ様のような大胆な変身形態を見せてくれてありがとう。ボトルに残された最後の一杯は、モルディブの強い日差しで疲れた身体を、美酢のように癒してくれた。

いかがでしたでしょうか?

前編・後編にわたり、モルディブの独自ドリンク「Ruku Raa」について解説をしてきた。Ruku Raaは自然発酵の力によって急速に味を変える、魅力と魅惑に満ちた飲み物である。モルディブでディープ&ローカルな体験をしたい方は、是非現地で入手し、その味わいに舌鼓を鳴らしていただきたい。

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