ウイグル、トルファンで大盘鸡(ダーパンチ―)にお目にかかった
灼熱の太陽が降り注ぐ、新疆ウイグル自治区。その中でも古くからシルクロードの要衝として栄えたトルファン(吐魯番)盆地は、独特な文化と歴史を育んできた。そんなトルファンで、我々は旅の真骨頂ともいえる「大盘鸡(ダーパンチー/ダーパンジー)」と出会うことになった。本記事ではそんなウイグルで野体験エピソードを、可能な限り鮮明にお届けできるよう、記憶をほじくり返しながら綴っていく。
大盘鸡(ダーパンチー)とは?
大盘鸡(大盤鶏)は、新疆ウイグル自治区発祥の鶏肉とジャガイモの煮込み料理。その名の通り、大皿に盛られた豪快な姿が特徴だ。鶏肉は丸一頭を骨付きのまま豪快にぶつ切りにされ、ジャガイモやピーマン、唐辛子と共にスパイシーな味付けで煮込まれる。現地では、ナンや米と一緒に食べられる。シルクロードとして栄えたウイグル地域に相応しい、まさに旅人の胃袋を満たすためのローカルソウルフードと言えるだろう。
現地ガイドに連れられてトルファンの庶民的なレストランへ
その日、我々は現地ガイドに連れられて、トルファンの街中にひっそりと佇む食堂を訪れた。店内は雑然としており、地元の人たちで賑わっている。壁にはウイグル語の文字が躍り、異国情緒あふれる雰囲気が漂う。
ガイドが慣れた様子でウイグル語で注文をすると、厨房からはひげを蓄えた顔の濃いシェフが中華鍋を振る音が聞こえてくる。この、トルコとも中国とも言えない、独特の店内の雰囲気が溜まらない。期待に胸を膨らませながら、我々はテーブルで待つことにした。
衝撃的なボリューム!てんこ盛りの大盘鸡
しばらくして、運ばれてきた大盘鸡は、想像を遥かに超えるボリュームだった。大皿に盛られた鶏肉とジャガイモは、まさに山盛り。その迫力に、思わず笑みがこぼれてしまう。
大型の鶏一羽丸ごと使用!驚きの具材
鶏肉はもも肉や胸肉だけでなく、もみじや頸椎、頭までしっかりと丸一頭使用されている。特に頭部はしっかり原型を残しており、鶏の表情まで鮮明。まるで「むきゅー」とでも言わんばかりの表情でこちらを見つめているようだ。
程よい麻辣とスパイシーな味わい、そして捌きたての鶏の美味しさ
大盘鸡に一口かぶりつくと、まず鼻腔を刺激するような、鮮烈な唐辛子の香りが広がる。使用されている唐辛子は、四川唐辛子だろうか、それとも新疆独自の唐辛子だろうか。辛さはピリ辛程度だが、後からじわじわと辛さが効いてくる。
辛さと同時に、程よい麻辣とスパイシーな香りが口いっぱいに広がる。捌きたての鶏肉は柔らかく、噛むほどに旨味が溢れ出す。ジャガイモはホクホクとしており、鶏肉との相性も抜群だ。花椒だけでなくクミンも使用されているようで、奥深い味わいを加えていた。その他にも、大蒜、八角、桂皮などの香りがほのかに感じられ、これらのスパイスが複雑な味わいを生み出しています。
鶏肉は骨付きのまま煮込まれているため、肉汁がたっぷりとしており、とても柔らかい。特に、もも肉はジューシーで、思わず取り合いになってしまうほど。また、付け合わせのスープも体に染みる。
RedNiu(能量飲料)と共に頂く
料理と一緒に注文した「RedNiu(能量飲料)」は、見るからにレッドブルのような見た目をしたエナジードリンク。甘ったるい味わいが、スパイシーな大盘鸡との相性抜群だ。
完食ならず!持ち帰りで旅の思い出に
しかし、そのボリュームは我々の想像を遥かに超えていた。ガイドと3人体制でも食べきることができず、残りは持ち帰りとしてもらうことに。
ホテルに戻ってからも、温めた大盘鸡は旅の思い出を鮮明に蘇らせてくれた。
新疆ウイグル、トルファンで出会った大盘鸡は、旅の忘れられない思い出となった。あの豪快な姿、スパイシーな味わい、そして何よりも現地の人たちと分かち合った時間は、いつまでも私の心の中に残り続けるだろう。
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