アフリカの大地に生息する象は、その巨体と力強さで知られている。しかし、そんな巨象もひっくり返してしまうほどの威力を持つと言われる果実が存在するのだ。その名も「マルーラ」。今回は、このマルーラから作られるリキュール「アマルーラ」について紹介し、実際に飲んでみた感想をお届けする。
マルーラという果実
マルーラは、アフリカ原産のウルシ科の木になる果実だ。完熟すると黄色からオレンジ色に変化し、独特な甘い香りと濃厚な味わいが特徴である。マルーラは、セネガルなどの西アフリカの人々にとって、生活になくてはならない植物であるとともに、動物たちも好んで食べる果実であるが、自然発酵によってアルコールを生成することでも知られる。特に象はマルーラの果実が大好きらしく、大量に食べて酔っ払い、膝から崩れ落ちてしまうこともあるという逸話が残っている。
天然のアルコール爆弾
マルーラ果実は、自然発酵によってアルコールを内含する。そのため、動物たちはマルーラを食べると自然と酔っ払ってしまうのだ。まさに天然のアルコール爆弾と言えるだろう。
とは言え、実際にはマルーラに含まれるアルコール度数は数パーセントらしく、正直象ほどの巨体をひっくり返すほどのアルコール量とは言いがたい。もしかすると、マルーラの不思議さを面白おかしく誇張したオーバーなジョークなのか、はたまた、大量の果実を食べるあまり本当に泥酔した象も中にはいるのだろうか。
マルーラは千鳥の相席食堂で紹介されて、密かに話題になったことが
実はこのマルーラ、数年前に人気バラエティ番組「千鳥の相席食堂」で紹介された。その結果、マルーラという果実とともに、アマルーラというリキュールが密かに話題になった。何でも、この魅惑の果実は現在日本への持ち込みは検疫の観点から禁止されているため、味わうためには西アフリカや南アフリカへはるばる旅立たなくてはならない。代わりに、そんなマルーラの味を気軽に楽しめるのが、その果実をふんだんに使用して作られたリキュールである、アマルーラという訳なのだ。
南アフリカの謎酒アマルーラ
アマルーラ（正式名称: アマルーラクリーム / Amarula Cream）は、マルーラ果実から作られるクリームリキュールである。マルーラ果実の他に、生クリーム、砂糖などを加えて作られている。アルコール度数は17％。象がすっころぶなどと聞いていると、てっきりジンなどのハイパー強烈スピリッツなどと勘違いしがちだが、全くもってそんなことはない。むしろ、強いお酒が苦手な人でも、スイーツ感覚で飲めるようなリキュールである。
アマルーラの味
アマルーラは、マルーラ果実の甘みと酸味、生クリームのまろやかさが絶妙に調和した味わいが特徴で、クリーミーかつミルキーなお酒である。また、キャラメルやバニラのような風味も感じられる。味の系統的にはベイリーズが非常に近い。千鳥のイメージも相まって、酒好きのオッサンが飲むようなお酒かと思ったら大間違い。むしろ、カルーアミルクを飲んでいる女子大生たちにこそ強くお勧めしたい。本当に、ドストレートに甘くて、スイーツ感覚で飲めるようなリキュールなのだ。
アマルーラの飲み方
アマルーラは、ロック、ストレート、カクテルなど様々な方法で楽しめる。ロックやストレートで飲む場合は、冷蔵庫で冷やしてから飲むとより美味しく味わえる。カクテルの場合は、牛乳やオレンジジュースと割ると、マルーラの独特な風味を活かした飲み方ができる。
筆者の好みの飲み方は断然ストレートかミルク割。あまりの美味しさに、ついくいくい飲んでしまう。
その他にも、海外ではケーキなどの材料にしたり、ヌテラと混ぜたり、などとにかく自由な使われ方がみられる。
アマルーラの入手方法
マルーラの果実は残念ながら検疫上の理由により日本国内で入手不可能なのだが、一方アマルーラはいとも簡単に手に入る。、屋や輸入食材店で購入することができる他、Amazonなどのネットショップでも購入可能だ。
いかがでしたでしょうか
今回は、象もひっくり返るほどの威力を持つ果実「マルーラ」から作られるリキュール「アマルーラ」を紹介した。アマルーラは、そのオーバーで強烈な噂話が一人歩きしがちだが、実は独特な風味と濃厚な味わいが特徴的なとても飲みやすいリキュールである。興味のある方は、ぜひ一度試してみてはいかかだろうか。
注意
アマルーラはアルコール度数が17％と、リキュールとしては比較的飲みやすいものの、飲み過ぎには十分注意して下さい。また、本記事は未成年飲酒を推奨するものではありません。
