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今年もアジア最大のジャズフェスがやって来た。Jakarta Java Jazz Festival 2024を全力で楽しもう【インドネシアの音楽フェスティバル】

東南アジアの熱気と都会の洗練が交錯する都市、ジャカルタ。その夜空を、心地よい旋律と熱狂的なエネルギーが包み込む時、それは年に一度、ジャカルタを音楽の坩堝へと変貌させる「Java Jazz Festival(ジャワ・ジャズ・フェスティバル)」の開催を意味する。本記事では、トラベルライターでありながら、過去6回に渡りJava Jazz Festivalへ参戦してきた自称現代ジャズオタクである筆者が、そんなアジア最大のジャズでフェスティバルであるジャワ・ジャズ・フェスティバル2024年に関する情報と、楽しみ方、そして現地での注意点を詳細に綴っていく。

Jakarta Java Jazz Festivalとは?

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2005年に初開催されたJava Jazz Festivalは、アジア最大かつ南半球最大のジャズフェスティバルとして、世界中の音楽愛好家を魅了し続けている。3日間にわたって開催されるこの祭典には、国内外の著名なジャズミュージシャンはもちろん、ポップスやロックなど幅広いジャンルのアーティストが出演。熱狂的なステージパフォーマンスと、多様な音楽ジャンルが織りなすハーモニーは、観客を忘れられない音楽体験へと誘う。

過去の出演アーティスト

これまで、ジャカルタの夜空を彩ってきたアーティストは数知れず。ジャズ界の巨匠チック・コリアハービー・ハンコック、現代ジャズを牽引するロバート・グラスパーや、往年のソウル・ファンクバンドであるEarth Wind & FireやGeorge Duke、そしてソウル会の永遠のディーヴァChaka Khanなど、世界中のトップアーティストがJava Jazz Festivalのステージに立ってきた。

昨年は「ブラス・ロック」のパイオニア、ChicagoもJava Jazzに登場

会場

Java Jazz Festivalの会場は、ジャカルタ中心部にあるJIExpo(Jakarta International Expo)Kemayoran。広大な敷地に設けられた大小様々な複数のホール、野外ステージでは、様々なジャンルの音楽が同時に奏でられ、観客は自分の好みに合わせて自由に音楽を楽しむことができる。ちなみに歩いて数十分程の所に鉄道駅も存在するが、アクセスは決して良くはない。また灼熱のインドネシアの夏の気温に決してナメて掛かってはいけない。近隣のホテルに宿泊しつつ配車アプリなどを利用して、Door to Doorで移動するのがベターだろう。

会場マップ例。右半分見切れているが、実際はこの倍の会場サイズ

まだ当日は各ホールとも、アーティストのステージが休む暇もなくみっちりと敷き詰められている。要するに、屋内であるアーティストが演奏している裏で、同時に別のアーティストが屋外で演奏しているなんてこともザラだ。時として、当然目当てのアーティスト同士が同じ時間帯で被ってしまうこともある。また特に人気なアーティストにおいては、開演前に余裕を持ってホールの前で待機をしておかないと、良いポジションで演奏を見ることができないケースもある。可能な限り目当てのアーティストのステージは見逃さないよう、事前にタイムテーブルを入手し、綿密なスケジュールを組み立てておくと良いだろう。

タイムテーブルは、会期が近づくとオンラインで入手可能に。

料金設定

チケットは、1日券、3日券の2種類。またSpecial Show用のアドオンチケットなど、様々な種類のチケットが用意されている。かつては3日通し券でも約10,000円、とラインナップを考えるとあり得ないほどの破格だったが、ここ最近は為替の問題もあって段々と値上がりしており、3日で2~3万円程度の予算を見ておく必要があるだろう。また、開催時期が近付くにつれて段々と販売価格が上がっていくので要注意だ。

今年の出演アーティスト

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そして気になるのが、今年の出演アーティストだろう。まだまだすべてのアーティスト情報が公開されているわけではないが、早くも例年にましてホットなイベントとなることが予測されている。

今年のスペシャルショー枠はLaufey。Björk以来の逸材とも評されるアイスランド出身のジャズシンガーソングライターだ。実はLaufeyは昨年のJava Jazzにも一般アーティスト枠で出演したのだが、現地での余りの人気さゆえに、文字通り会場から観客が溢れるほどの大盛況を納めた。筆者としてはほぼノーマークだっただけに、現地での人気にビックリした思い出がある。その功績が評価されてか、今年はフェスのヘッドライナーとも言えるスペシャルショー枠が与えられたと言うことだろうか。

昨年は人ごみをかき分けながら辛うじて見ることができたLaufey。今年はスペシャルショー枠となり追加チケット購入が必要になるので、混雑が多少緩和されるだろうか。

コロナ以来初めてのJava Jazz出演となるのが、アシッドジャズ会の大御所プロジェクト、Incognito。実はこれまでもIncognitoJava Jazzへ何度も出演してきており、その度に現地インドネシアのアーティストとコラボレーションをして、ジャカルタの夜を大いに盛り上げてきた。近年では、インドネシアブルースハープ奏者Rega Daunaとの精力的なコラボレーションが話題を集めており、Incognitoのパチロットプロジェクトとも呼べるCitrus Sunで、彼を大々的に取り上げたのは、現代ジャズファンの間ではあまりにも有名な話だろう。

2018年のショー。ローカルアーティストをフィーチャーして会場を盛り上げたIncognito

また例年、Check CoreaやLee Ritenourなど「大御所フュージョンジャズメン枠」が用意されているのだが、今年はRandy Breckerの出演がそれに相当するようだ。Brecker Brothers名義ではなく、ゲストとしての登場とのことで、どのようなステージが繰り広げられるのか、まるで想像がつかない。

そして、個人的な最注目アーティストが、ドラマーYussef Dayesと、ジャズユニットのYakul。いずれも、現代UKジャズシーンを最前線で席巻するアーティストであり、Java Jazz Festivalへの出演は初。ジャズの新も旧も余すことなく楽しめるのが、Java Jazzの魅力と言っても過言ではないだろう。

注意点

Java Jazz Festivalは、毎年多くの観客が訪れるため、会場周辺は大変混雑する。特に、週末はタクシーを捕まえるのが難しい場合もあるため、Grabなどの配車アプリを活用したり、時間に余裕を持って行動することをおすすめする。また、チケット料金はフェスティバルが近づくにつれ次第に上がっていくのでなるべく早めに予約しておくことを推奨する。

また、会場内への飲食物の持ち込みは不可となっている他、海外から旅行で訪れる場合は、入場時にパスポートスキャンが必要であるなど、海外フェスならではの注意点も多い。チケット購入に当たり公式の注意事項を一通り確認してくことをお勧めする。

会場内はキッチンカーや屋台も多数あるため、パスポートと財布、スマホさえ持っていれば手ぶらで行って問題なし。

まとめ

Java Jazz Festivalは、音楽を通して世界中の人々がインドネシアで繋がる特別な場所。熱気と感動が渦巻く空間で、忘れられない音楽体験をあなたも味わってみてはいかがだろうか?