サウジアラビアの首都リヤド近郊、砂漠の地に今、ユカイな奇跡が起こりつつある。それは、少年漫画の金字塔「ドラゴンボール」の世界をリアルに再現する、世界初のテーマパーク建設プロジェクトだ。正確な開業時期や建設予定場所、チケット料金額等詳細の多くはまだ謎に包まれたままであるが、本記事では、現在入手可能な情報をもとに、可能な限りその全貌に迫っていきたい。
ドラゴンボールの世界観をそのまま再現
先日の鳥山明氏の訃報に涙したのは何も日本国民だけではない。ドラゴンボールは今や世界的有名マンガ・アニメであり、とりわけ中東地域では絶大な人気を誇る。今回テーマパーク設立に踏み切ったのは、サウジアラビアのエンターテイメント特化型都市開発プロジェクト「Qiddiya(キディヤ)」。50万平方メートルという広大な敷地面積を大胆に使用し、七つのドラゴンボールを探す冒険の旅路を再現する。カメハウスやカプセルコーポレーション、ビルスの星など、漫画やアニメ、激情版映画を見たことがあるならば誰もがお馴染みの風景が目の前に広がる他、ランドマークとして君臨するのは、全高70メートルの神龍像。その内部をくぐり抜ける大型ジェットコースターは、まさに悟空たちの冒険を体感できる夢のアトラクションだ。
乗り物以外にも、30種類以上の多彩なアトラクションが用意されている。フリーザやセルとの壮絶なバトルを再現するシミュレーション、天下一武道会で優勝を目指す格闘ゲームなど、ファンなら誰もが興奮せずにはいられないラインナップだ。
パーク内には、ドラゴンボールの世界観を堪能できるレストランやホテルも完備。一日の終わりには、悟空やベジータ、悟飯たちと肩を並べて食事を楽しみ、夢の中へと旅立っていくことができる点も魅力的だ。
発表されたばかりのテーマパーク計画
この壮大なプロジェクトは、サウジアラビア政府が推進するエンターテイメント都市「キディヤ・シティ」の一環として実現。2023年3月に東京ビッグサイトで開催された「Anime Japan 2024」でその全貌が発表され、世界中のファンから熱い注目を集めた。ドラゴンボールテーマパークの正確な建設地は未発表であるものの、「キディヤ・シティ」の建設エリアは既に公表されているため、大まかな場所の予想はできる。
現在建設地であるサウジアラビアの人権問題に対し、インターネット上批判的な声も上がっているが、それも偏に本プロジェクトが世界的注目を浴びていることの証左と言える。
チケット料金は1.5万~2万円か
さて、気になる入場料だが、現時点ではまだ正確なチケット料金は公表されていない。だが、筆者としては1日入場券で1.5万~2万円あたりを狙ってくるのではないかと予想する。
というのも、ディズニーランドやユニバーサルスタジオなど、世界の名だたるテーマパークの一日パスが概ね1~1.5万円ほどで売られていることを考えると、大型かつ最新鋭のテーマパークとなるドラゴンボールテーマパークでは2万円を目指しても不思議ではない。さらに、昨今の円安や、サウジアラビア近隣産油国諸国のファン達の購買力を考慮すると、2万円でもむしろ安いくらいかもしれない。或いは、入場料自体は安く抑えながらも、ファストパスや事前予約制アトラクション等の導入で追加課金を促したり、キディヤ内のリゾートや他テーマパークと組み合わせたパッケージプランによって消費誘導を狙ったり、などといった戦略も考えられるだろう。
砂漠の地に咲き誇る、ドラゴンボールの楽園。その完成は、まだ先のこと。オープン時期は2028年頃と予想されている。お待ちかねの100%の姿が待ち遠しくて、今にも期待で胸がパチパチしそうだ。
まとめ
サウジアラビアに建設される世界初のドラゴンボールテーマパークは、その全貌が明らかになっていくに従い、より熱烈に、世界中のファンからの注目を集めることだろう。様々なアトラクションや施設を通して、ドラゴンボールの世界をリアルに体験することができるドラゴンボールテーマパークで、是非少年の心を取り戻していただきたい。