前々回、前回に引き続き、オマーンの気球ツアーについて体験記事を執筆いたします。アラビア半島の先に位置するオマーンは、アラブ首長国連邦(UAE)やカタール等と比べると日本での知名度は今ひとつですが、アラブ随一の歴史や伝統溢れる国であると知り密かにずっと気になっていました。
そこで本オマーン旅行特集では、オマーンの新たな名物である気球ツアーについて実体験を交えながら紹介します!
前編、中編はこちらから!
持ち物について
ところで、気球搭乗にあたり持って行った方が良い持ち物についていくつか紹介します。滅多にない気球フライトを体験するにあたり、後で後悔しないよう荷物はしっかり準備しておくようにしましょう。
広角カメラ
まず一つ目は広角カメラ。気球フライト中は上空から広大な砂漠を見下ろすことができますが、一般的なカメラだと視野角が狭く、その雄大さを十分に写真に収めることができません。そのため、アクションカムなど広角モードを備えたカメラを持っていくことをお勧めします。
個人的にお勧めなのが、こちらのDJI Action 2。視野角150度の超広角撮影ができるので、GoProと二台持ちでも重宝します。
チェストマウント
つづいてチェストマウント。カメラを複数持っていく場合、いちいちカメラを持ち換えるのは面倒くさいですよね。そんな時に、チェストマウントを使用して手ぶらで動画撮影を行えると非常に楽チンです。
今回私はこちらのチェストマウントを使用。先述のDJI Action 2と2台持ちをし、GoProをチェストマウントに取り付けて常時ビデオ録画を走らせ、Action 2のほうは手持ちで撮影を行いました。
ちなみに気球のカゴは割と高さがあるので、余り背が高くない人だとチェストマウントに取り付けたカメラが籠ばかり撮影してしまうかもしれません。背丈に自信のない方は、代わりにヘッドマウントの使用をお勧めします。
望遠カメラ
カメラばかりで忙しく感じるかもしれませんが、もう一つお勧めなのが望遠機能を持ったカメラ。上空から見えるのは砂漠だけではありません。砂漠を悠々と歩くラクダや羊の群れなど、中東ならではの魅力的な風景が盛りだくさん。iPhone 15 Proなどのアナログズームを備えたスマホカメラでもある程度代替は可能ですが、ズーム性能に限りがあるため、なるべく高画質に撮影するのであればやはり一眼レフがお勧め。
ちなみに筆者が愛用しているのはNIKON D7500。高性能な一眼レフながら、そこまで高価でなく、旅行にも軽々持っていける程よい重量感。これに55mm - 300mmの軽量望遠レンズを組み合わせて使用しています。
フライト中は、砂漠ならではの景色を存分に楽しもう
さて、持ち物についての説明が長くなりましたが、フライト中は砂漠ならではの景色をしっかりと楽しむことをお勧めします。写真を撮ったり、動画を撮ったり、そして時々ぼーっと外の景色を眺めたり。1時間弱のフライトを思い思いに過ごしてみて下さい。そして、時折現れるラクダや山羊、集落など。沢山の発見が待っていることでしょう。
また、天気が良ければ地平線から上がる日の出を上空から見ることができます。
数キロ先の集落に着陸
1時間弱程風に吹かれながら、気球はあてもなくふわふわと飛んでいきます。そして、丁度良い着陸ポイントを見つけると静かに降下していきます。降下時には、事前に説明があった通り機内のロープをしっかりと握り、体勢を低くし、着陸の揺れに備えます。
そして合図とともに静かに着陸します。特に大きな揺れはなく、ふわっと着陸しました。
そして着陸するや否や、集落の子供たちがわらわらと集まってきて、気球を囲い込みました。彼らからしてみると「朝に急にどこからともなく外国人を沢山乗せた気球が降り立ってきた!」という気持ちでしょうか。物珍しそうに次から次へと子供たちが駆け寄ってきます。
中には気球に乗って記念撮影をする子供まで。自由で可愛らしいですね。なんだか村の子供たちに「ようこそ」と迎え入れらているような気持ちになります。
そして先ほど乗ってきた気球を折りたたむ瞬間も見もの。バルーンたたむ際に、フライト中にたまった砂漠の砂が舞い落ちてくるのですが、その量が尋常でないくらい多いです。
バルーンセレモニー
バルーンツアーは着陸と同時に終わり、というわけではありません。着陸後は「バルーンセレモニー」の時間。パイロット、乗客、Royal Balloon Omanのスタッフ、そして現地の子供たちと共にジュースを飲みながら談笑タイム。
バルーンセレモニーでは、フライトの成功を祝福しながら、またパイロットさんが人類と飛行の歴史についてお話を聞かせてくれます。モンゴルフィエ兄弟による人類初の有人飛行から、その後ライト兄弟が飛行機を発明し、そして今日こうやって我々が気軽に気球で空を飛ぶことができるようになるまでのストーリー。そして、今まさに我々が安全に空から帰還したことを祝福しよう、という内容のお話を聞きながら、乾いた喉を潤します。
そしてセレモニーの最後には、各参加者に帰還と勇気ある飛行を称え、記念メダルを授与して下さりました。「メダルを受け取るべきなのはパイロットさん、あなたじゃないのか?笑」といった野次が飛んでいましたが、その通り我々が安全に帰還できたのはひとえにパイロットさんのお陰です。
そんなこんなで「Sharqiya Sand Oman」気球フライトを記念するメダルを頂きました。Royal Balloonは、トルコ、そしてルワンダのアカゲラ公園でもフライトを行っているので、いずれこれらの国々でもメダルをゲットしたいと思います。
Royal Balloon Omanの予約はツアー会社経由がお勧め
最後になりますが、Royal Balloon Omanの予約はツアー会社経由がお勧めです。以前も説明した通り、Royal Balloon Omanを利用するためには砂漠のど真ん中のキャンプサイトへ朝早く集合する必要がありますが、その場合不慣れな砂漠の夜道を運転して向かう必要があり、慣れない観光客のみでの運転は転倒や遭難、遅刻などのリスクを伴います。
今回取材に協力してくれたのが、現地のツアー会社「Golden Highlands Oman」。オマーン人家族が経営しているツアー会社で、とてもフレンドリーでホスピタリティ溢れるツアーコーディネートが魅力的でした。今回の気球ツアーは、彼らにとっても初の試みではありましたが、今後は砂漠ツアーのパッケージにオプションとして盛り込むそうなので、是非Wahiba SandsやWadi Shab、Wadi Bani Khalidとともに利用を検討してみて下さい!
「Yamという日本人ブロガーの紹介です」と伝えれば、ディスカウントしてくれるかもしれませんよ!
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