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モルディブのローカルアイランドで「ジョーリ」に座って現地民と交流しよう。利用マナーや使い心地を徹底解説

ジョーリに座りながら夕日を眺めて過ごすのがモルディブスタイル

モルディブにはリゾートアイランド以外にも、ローカルアイランドと呼ばれる島々が存在します。これらの島々には、モルディブの素朴な暮らしや文化が残っており、観光客との交流も盛んです。

今回紹介するのは、ローカルアイランドならではの「ジョーリ」と呼ばれる伝統的な椅子。ジョーリに座って現地民と交流する体験について、綴っていきたいと思います。

ジョーリとは

ジョーリは、モルディブの伝統的な椅子で、椅子とハンモックの中間のような形状をしたもの。木や金属棒などでできたフレームにハンモックのように紐を編むことで、座ると少し座面が下がり、強制的にくつろぎ体勢になってしまう、いわば「モルディブ版人をダメにする椅子」といったところでしょうか。

リゾート島にわざわざ置いているケースは少ないですが、住民島では必ずといっても良いほど目にすることができ、まさにモルディブ国民にとってはなくてはならない存在と言えます。

ジョーリは、家の軒先やビーチなどの公共の場、といった様々な場所で目にすることができます。人々が集い、談笑する場として使われており、座ることで自然と会話が弾むとされます。モルディブの美しい景色や爽やかな気候も相まって、仕事を終えたモルディビアン達はジョーリに座ってのんびりぼーっとするのが大好き。もちろん、大人だけでなく、学生や子供たちまで、幅広いローカル民が世代を超えて利用する。

夜のジョーリは、現地若者の定番デートスポット

ジョーリはどうやって作られるのか

ジョーリは、主に家のお父さんによってDIYで作られます。補修もお父さんのお仕事。皆どこでノウハウを得たのか、週末に手際よく作るそうです。中には、ジョーリではなくハンモックやブランコを作るお父さんもいます。子供たちの喜ぶ顔を見たいという思いから、様々なアイデアを形にします。

ヤシの木につるしたブランコタイプのジョーリも

また地域によっては、ジョーリ作りを専門とする職人がいます。彼らは、公共の場のジョーリなどの依頼を受けて製作しています。

ジョーリに旅行者も座って良いの?

そんなローカルアイランド中どこでも見かけるジョーリですが、旅行者が気軽に使って良いものかどうか悩みどころですよね。今回は実際に現地で事情を聞いてきたので、大まかな決まりを説明したいと思います。

1. 私有地のジョーリ

まず、当然ですが民家の庭など、ジョーリが私有地に設置されている場合は、許可なく座る前に持ち主に確認する必要があります。一見空き地や廃墟に見える建物でも、誰かが住んでいたり何らかの形で土地を活用している場合があるので、勝手に侵入するのはNGです。

2. 道端のジョーリ

公共の場にあるジョーリは、基本的には誰でも自由に座ることができます。ただし、民家の軒先に有る場合は、公共の場とは言え、その家のお父さんが丹精込めて作ったジョーリである可能性が高いです。

道端のジョーリを使用する際には注意が必要

また道端のジョーリは、既に住民のお気に入り場所が決まっていることが多く、暗黙のなわばりのようなものができているケースがあります。そのため、住民がぞろぞろと外へ出てきている時間帯にジョーリを占拠していると、少し嫌な目で見られてしまう可能性があります。我々利用者は、彼らのジョーリを「使用させていただく」という謙虚な姿勢を大切にしながら、誰も使っていない時間帯を見計らって利用することをおすすめします。

3. ビーチや公園のジョーリ

旅行者でものびのびと使用できるのが、ビーチのジョーリ。

ビーチや公園など、明らかな公共エリアにつくられているジョーリは、特定の家のお父さんが作ったものではなく、自治体に雇われた職人が設置したものである可能性が高いので、基本的に自由に使ってOKです。ただし、やはり旅行者である以上混雑時間帯には、仕事を終えてへとへとになっている現地住民に譲るなど、リスペクトが必要となることでしょう。

ジョーリの座り心地

ちなみにジョーリの座り心地ですが、第一印象としては「紐が身体に食い込んでちょっと痛い」という感想でした(笑)ただ、段々と使用する中で徐々に身体も慣れていき、圧力が掛からない体勢なども学んでいくのか、最終的にはすっかり気にならなくなりました。

慣れないうちは紐が体に食い込んで少し気になる

それどころか、特に夕暮れ時の涼しい時間帯では眠気を誘うほど心地よく感じ、ついついうたたねをしてしまうほどでした。モルディブ現地人が仕事をさぼってでも思わずジョーリに長居してしまう、という理由がなんとなくわかったような気がします。

一度慣れてしまえば、もううたた寝まで秒読み。

ジョーリに座ることで現地コミュニティの仲間入り

色々と堅苦しいマナーについて述べてしまいましたが、ジョーリは基本的には座った人同士の心を繋ぐ憩いの場。ジョーリに座ってのんびり過ごしていたら、興味を持ってくれた現地住民が気さくに話し掛けてくれたり、などの交流が生まれることもあります。

私も、道端のジョーリでくつろいでいたところ、現地住民のおじさんに声をかけていただき、おまけに家で植えているパッションフルーツの実までプレゼントしていただきました。

ジョーリコミュニティを通じて、採れたてのパッションフルーツをいただきました

イスラムの戒律を守るモルディブのローカルアイランド住民は、旅行者に対して警戒心を持っていることも多いですが、彼ら自信の暮らしを知り、体験することで、現地カルチャーへのリスペクトと歩み寄りの姿勢を見せ、結果的に心を開いて貰えることに繋がります。是非皆様も、モルディブローカルアイランドを訪ねた際には、ジョーリに腰掛け、地元住民との会話に花を咲かせてみてはいかがでしょうか。

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