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【続編】Eurailパスの気になる疑問を解決!お得に利用する裏ワザ、改札システムから車内設備まで徹底解説

前回の記事では、Eurailパスの基本的な使い方から予約方法まで、実践的な利用手順を詳しく解説しました。今回は、実際に利用する際に気になる細かな疑問や、お得に利用するためのコツなど、現地での具体的な体験に基づく情報をお届けします。

前回記事はこちらから

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ヨーロッパの駅の改札システムについて

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日本の駅では当たり前のように存在する改札機ですが、ヨーロッパの多くの駅では改札機による入場チェックが行われません。基本的に、プラットフォームには自由にアクセスでき、列車にもスムーズに乗り込むことができます。代わりに、車掌が車内で乗車券やパスを確認する方式を採用しています。

駅構内への入場方法も日本とは大きく異なります。多くの場合、駅の建物に入ってすぐに到着・出発案内板があり、そこで自分の列車の番線を確認します。その後、エスカレーターやエレベーター、階段を使ってプラットフォームまで直接アクセスできます。

ただし、一部の駅や特急列車では、プラットフォームに入る前に切符チェックが行われることもあります。特に主要駅や長距離列車のホームでは、プラットフォーム入口で係員が乗車券を確認するケースがあります。Eurailパスの場合は、デジタルパスと登録済みの旅程画面を提示することで対応できます。

適切な乗車券の確認とキセル乗車の罰則について

自由に乗り降りできるシステムですが、これは正しい乗車券やパスを持っていることが前提となります。車掌による検札は非常に厳格で、適切な乗車券やパスを所持していない場合は、高額な罰金が課される可能性があります。検札の際は、スマートフォンの画面をしっかりと見せられるよう、あらかじめアプリを起動しておくことをお勧めします。

また、誤ってパスの対象外路線に乗車したり、予約必須の列車に予約なしで乗車した場合は、追加料金の支払いが必要になります。うっかり間違えてしまった場合でも、車掌の指示に従い、提示された追加料金を支払う必要があります。こうしたトラブルを避けるため、乗車前に以下の点を必ず確認しましょう:

  • 乗車する列車がパスの対象路線であること
  • 予約が必要な列車の場合は、事前に予約が完了していること
  • 選択した経路が有効なパスの利用日内であること
  • デジタルパスと予約内容が正しく表示できること

フレキシブルパスの効果的な使い方

連続した日程でなくても使用できるFlexi Pass

Eurailパスの中でも特に人気が高いのが、利用日を自由に選べるフレキシブルパスです。例えば4日間有効のパスを購入した場合、必ずしも連続した4日間で使う必要はありません。1日目、3日目、5日目、8日目というように、好きな日に分散して使用することができます。

このように、都市滞在を楽しむ日は使用せず、長距離移動が必要な日だけパスを使用することで、より効率的な旅程が組めます。同じ利用日内であれば何度でも列車に乗ることができます。ただし重要な注意点として、最初の利用日から1ヶ月以内に使い切る必要があります。

時差を考慮した計画

ヨーロッパでは東西で時差があり、一般的に東に行くほど時刻が進みます。列車の時刻表は各国の現地時間で表示されるため、国境をまたぐ移動の際は特に注意が必要です。ただし、Rail Plannerアプリ上での旅程登録時は自動的に時差が考慮されるため、アプリの表示時刻に従って行動すれば問題ありません。

深夜列車の利用

深夜0時をまたぐ場合、乗車開始日のみが利用日としてカウントされます。例えば、23時発の夜行列車に乗った場合、乗車日のみが利用日となり、到着日はカウントされません。この仕組みを利用すれば、1日分の利用権でより長距離の移動が可能になります。

車内の設備と快適な過ごし方

座席周りの設備

近年の車両では、多くの座席に電源コンセントが設置されています。Wi-Fiサービスも、主要な列車では整備が進んでいます。ただし、山間部や国境付近では接続が不安定になることもあるため、重要なオンライン作業は避けた方が無難です。

食堂車の利用

長距離列車の多くには食堂車が設置されており、温かい食事やドリンクを購入できます。価格帯は一般的なレストランより若干割高です。ただし、早朝・深夜便や、山間部の路線や地方路線では、サービスが限定的な場合もあるため、長時間の移動時は軽食を持参しておくと安心です。

荷物の扱い

ヨーロッパの列車では、座席の上や座席間に荷物スペースが設けられています。大型のスーツケースは、車両の端にあるラゲッジスペースに置くことができます。ただし、これらのスペースは先着順で、混雑時には十分なスペースが確保できない場合もあります。

自分の荷物は自己管理が原則です。車内での盗難を防ぐため、貴重品は常に手元に置き、大きな荷物も定期的に目視で確認することをお勧めします。また、乗り換えの多い行程では、必要最小限の荷物に抑えることで、移動をよりスムーズにすることができます。

1等車と2等車の選び方

2等車でも十分快適に旅行できます。両者の主な違いは座席の質と空間的な余裕で、2等車でも日本の新幹線の普通車に近い快適さが確保されています。また、列車内は基本的に自由に行き来でき、食堂車へのアクセスも両クラスから可能です。

ただし、スイスのGlacier Expressをはじめとする観光列車などの特別な体験を計画している場合や、長距離の移動が多い場合は、1等車の選択も検討の価値があります。より上質な空間で景色を楽しみたい場合は、1等車用パスの購入を考えてみましょう。

Glacier Express(氷河急行)

国境越えの実態

シェンゲン協定を結んでいる国々の間では、特別な入国手続きは必要ありません。列車が国境を通過する際も、特別な検査や手続きはなく、まるで国内移動のようにスムーズに移動できます。ただし、シェンゲン圏外の国への移動時は、通常の入国手続きが必要となりますので注意が必要です。

まとめ:より快適なEurail旅行のために

Eurailパスでの旅行は、ヨーロッパならではの自由で柔軟な鉄道旅行を実現します。改札のないシステムや時差の存在など、日本とは異なる点もありますが、それも含めて旅の醍醐味として楽しんでください。事前の計画と現地での適切な対応を心がければ、充実した鉄道の旅が実現できるでしょう。

なお、より基本的なEurailパスの使い方や予約方法については、前回の記事もぜひご参照ください。