今回は、ドイツ・フランクフルトの公共交通機関の賢い利用方法をご紹介します。路面電車、地下鉄、バス、近郊電車が縦横に走るこの街で、乗車券はどうやって購入し、どういう流れで利用するのか。また、どうすれば効率的に、そして経済的に移動できるのか。実際の体験を交えながら、詳しくお伝えしていきます。
フランクフルトの交通システム概要
フランクフルトの公共交通機関は、RMV(ライン・マイン運輸連合)という組織が一元管理しています。路面電車、地下鉄、バス、近郊電車(S-Bahn)など、すべての交通機関で共通のチケットが使えるのが特徴です。地域列車(RE/RB)も同じチケットで利用可能ですが、ICEなどの特急列車は対象外となっています。
チケットシステムを理解しよう
フランクフルトの交通機関で最も重要なのは、チケットシステムの理解です。主なチケットは4種類。単券(Einzelfahrkarte)、短距離券(Kurzstrecke)、1日券(Tageskarte)、そして空港へ行く際に必要なエアポート券(Flughafen-Ticket)です。
単券は3.8ユーロで、発券から90分以内であれば市内のどの交通機関でも乗り放題。この90分という制限は意外と使い勝手が良く、例えば観光スポットで30分程度の滞在なら、往復でも1枚のチケットで済ませることができます。
1日券は、その名の通り1日乗り放題のチケットで、個人用とグループ用があります。また、空港へのアクセスには専用のエアポート券(56.6ユーロ)が必要です。このエアポート券は市内から空港までの移動に使え、発券から90分以内であれば市内の交通機関との乗り換えも可能です。市内の観光スポットを巡り歩く予定がある場合は1日券がベストな選択となるでしょう。
一方、短距離券は2.4ユーロとお得な価格ですが、利用には制限があります。最大2駅(約2km)までの移動に限られ、乗り換えもできません。私自身、フランクフルト中央駅からレーマー広場(Frankfurter Römer)への観光の際、90分以上の滞在を予定していたため、往復で短距離券を2枚使用しました。行きは路面電車、帰りは地下鉄と、異なる交通機関を選んでみましたが、どちらも快適な移動が楽しめました。
チケットの購入と利用方法
チケットの購入は、駅の自動販売機か、スマートフォンのRMVアプリで行います。自動販売機は日本語対応しており、現金とクレジットカードの両方が使えます。購入したチケットは、必ず乗車前に改札機で刻印を押すことを忘れないでください。無改札での乗車は、たとえチケットを持っていても無賃乗車とみなされ、60ユーロ以上の罰金が科せられます。
実際の乗車体験から
フランクフルトの交通機関の魅力は、その利便性の高さです。例えば、私が訪れたレーマー広場へは、中央駅から路面電車で簡単にアクセスできました。停留所には電光掲示板があり、次の電車の到着時刻が一目で分かります。乗車時はドアの開閉ボタンを押して乗り込み、降りる際は停留所が近づいたら降車ボタンを押すというシステムです。
帰りは地下鉄を選択しましたが、どちらの交通機関も同じ種別のチケットで利用できる点が非常に便利でした。短距離券の制限区間内であれば、わざわざ往復同じ交通機関を使う必要はありません。その時々の状況に応じて、最適な移動手段を選べるのです。
フランクフルト観光には路面電車がおすすめ
フランクフルトの交通機関は、どれも使いやすく便利ですが、特に観光におすすめなのが路面電車です。地下鉄や近郊電車も効率的ですが、路面電車には他にない魅力があります。
車窓からフランクフルトの街並みを眺められるのはもちろん、電車自体がゆったりと走るので観光地の位置関係を把握しやすく、初めての方でも迷いにくいんです。道路の真ん中を走る路面電車からは、歩道を歩く人々の様子や、カフェでくつろぐ人たちの姿も見えて、街の雰囲気を存分に味わえます。また、主要な観光スポットの近くには必ず停留所があるのも便利なポイント。時間に余裕がある観光なら、ぜひ路面電車の利用をお勧めします。
お得に利用するためのコツ
移動プランによって、最適なチケットは変わってきます。私の場合は長めの滞在を予定していたため短距離券2枚でしたが、90分以内の往復なら単券1枚の方が経済的です。また、1日に3回以上の移動がある場合は、1日券の購入を検討する価値があるでしょう。
短距離券を利用する場合は、必ず制限区間内かどうかの確認が重要です。これは駅の券売機やRMVアプリで簡単にチェックできます。不安な場合は、駅員や運転手に確認するのも良いでしょう。
まとめ
フランクフルトの公共交通機関は、一見複雑に見えるかもしれませんが、システムを理解すれば非常に使いやすい乗り物です。短距離券と単券をうまく使い分け、時には1日券も活用しながら、効率的な市内観光を楽しんでください。
※料金は2025年1月現在のものです。変更の可能性がありますので、最新情報は現地でご確認ください。