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南チュニジアのベルベル要塞ホテルで夢のステイ!アナキン・スカイウォーカーの家「Ksar Hadada」で寝泊まりしてみた④探索編

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準備編、滞在編、食事編と3回にわたってKsar Hadadaの魅力をお伝えしてきましたが、実はまだ語り尽くせていない最大の魅力がありました。それは何といっても「自由に探索ができること」です。

スター・ウォーズのロケ地として知られるエリアや、オリーブオイル搾器などの歴史的展示品が保存されているメインエリアだけでも十分見応えがありますが、Ksar Hadadaの真の魅力は、その奥に広がる未知の領域にあったのです。宿泊することで得られる特権的な探索体験について、今回は詳しくお伝えしていきます。

前回の記事はこちらから

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表ハダダと裏ハダダ

左側が表ハダダ、右側が裏ハダダ

私が勝手に名付けた「表ハダダ」と「裏ハダダ」。レストランやゲストルームが並ぶ、つるっとしたきれいな仕上げのエリアを「表ハダダ」とするならば、ざらっとした土レンガ建築が広がる側は「裏ハダダ」と呼べるでしょう。

表ハダダは観光エリアとして整備され、スター・ウォーズファンや一般観光客にも親しみやすい空間となっています。しかし裏ハダダは、ほぼ手付かずのありのままの状態で保存されており、まさに探索しがいのある秘境のような場所なのです。

特に宿泊客だけが享受できる特権として、朝晩の観光客がいない時間帯に、この広大な裏ハダダエリアを好きなだけ独り占めできるのは、特別感たっぷりの体験でした。日中のツアー客で賑わう時間とは全く違う、静寂に包まれた古代の要塞を一人歩きする贅沢は、何物にも代えがたいものがあります。

洞窟のような住居跡への潜入

裏ハダダエリアには、かつてベルベル人が実際に住んでいたであろう住居跡が数多く残されています。数ある入口の中から一つを選んで、恐る恐る中にお邪魔してみました。

足を踏み入れた瞬間、そこはまるで洞窟のような空間でした。外から見る以上に奥行きが深く、思った以上にずっと奥まで続いているのに驚かされました。石造りの壁面は時の流れを感じさせる風化具合で、何百年もの歴史の重みを肌で感じることができます。

宿泊エリアは一つ一つの住戸として独立していたのに対し、こちらの住居跡は洞窟の奥で隣の住戸とつながっており、自由に行き来できるようになっていました。まるで地下迷宮のような構造で、探索心をくすぐられます。

垂直方向への冒険

さらに驚いたのは、これらの住居跡に階段が備わっていることでした。狭い石段を慎重に上がってみると、2階、3階部分にもお邪魔することができました。各階層ごとに異なる用途で使われていたのでしょうか、部屋の大きさや窓の配置も微妙に違っています。

2階へ上がった先では、窓や入り口側に出ることもできました。強烈な朝日で外はすでに暑くなりつつありましたが、ひとたびクサールの中に入ると涼しく感じたのが不思議でした。この天然の空調効果も、ベルベル人の知恵なのでしょう。

上まで登ると、クサール全体を見渡すことができるほか、街のモスクなども見えてきます。こうやって眺めると、周囲の建築もクサールっぽい丸っとした屋根をしているのが面白く、この地域全体の建築文化の統一感を感じることができました。かつてここに住んでいたベルベル人たちが見ていたであろう同じ景色を眺めることで、時空を超えた特別な体験ができました。

クサール撮影のおすすめアイテム

ところで、今回Ksar Hadadaに持参したおすすめのアイテムをご紹介します。それはInsta360のXシリーズと、3mの自撮り棒です。

クサールは圧倒的なダイナミックスケールが魅力なので、本来ならドローンで撮影できると最高だったのですが、残念ながらチュニジアの法律は非常に厳しく、観光客がドローンを持参することは非常に困難です。

360度カメラ「Insta 360 X」シリーズと3m自撮り棒で、まるで空からドローンで撮ったかのような写真や動画が撮影できます!

そのため今回私はこれらのカメラと3mの自撮り棒を持参しました。これらを使用すれば、ダイナミックな写真を撮ったり、クサール全体を捉えるような動画を撮影することができます。また、自撮り棒がきれいに消えるので、まるでドローンで撮ったような見た目になるのも魅力的です。

クサール訪問の際には、ぜひともおすすめしたいアイテムです。

特権的探索タイムと注意点

日中はツアー客で賑わうKsar Hadadaですが、朝や夕方以降は宿泊客だけの貸し切り状態となります。この時間帯こそが、真の探索タイムです。

人影のない裏ハダダエリアを、懐中電灯片手に探検する体験は、まさに考古学者になったような気分でした。古代の住居跡を自分のペースでじっくりと観察し、写真を撮り、歴史に思いを馳せる。こんな贅沢な時間は、宿泊しなければ絶対に味わえません。

自由に探索できるとはいえ、安全面での注意は必要です。古い建造物のため、足場が崩れやすくなっている箇所もあるので、無茶は禁物です。また、夜遅くの散策はかなり視界が悪くなるため、懐中電灯やスマートフォンのライトは必須で、十分な注意が必要です。

建築物や地面は非常に堅いので、無理に飛び降りたり、危険な高さまで登ったりしないよう注意してください。歴史ある建造物を傷つけないためにも、節度ある探索を心がけましょう。

まとめ:真のクサール体験を求めて

いつかまた帰ってきたいクサールハダダ

4回にわたってお伝えしたKsar Hadadaでの体験記、いかがでしたでしょうか。予約の困難さから始まり、実際の滞在、食事、そして探索まで、このベルベル要塞には想像以上の魅力と奥深さが詰まっていました。

特に今回ご紹介した探索体験は、宿泊客だけが味わえる特権的なもの。スター・ウォーズファンはもちろん、歴史や冒険を愛する全ての旅行者にとって、Ksar Hadadaでの一夜は忘れられない思い出となることでしょう。

チュニジア南部を旅する際は、ぜひクサール宿泊を検討してみてください。表面的な観光では決して味わえない、本物のベルベル文化と歴史に触れる特別な体験が待っているはずです。