前回の記事では、エジプトの隠れた海の宝石であるRas Mohamed National Reserveへの道のりと、シナイ半島最南端のMain Beachへの到着までをレポートしました。荒涼とした砂漠道を抜け、神秘的な塩湖やHidden Beachを通過して、ついに辿り着いた隔絶の地Main Beach。
今回はいよいよ、中東随一と言われるサンゴ礁の海中世界に潜り込んだ実体験をお届けします。手つかずの自然が残るこの特別な海で、一体どんな光景が待っていたのか、じっくりとレポートしていきます。
海辺でのベース設営

Main Beachに到着すると、まず最初にやるべきことは拠点作り。幸い、ビーチではちょっとした建造物が日陰を作っており、まさにおあつらえ向きの場所でした。ここにタオルや着替え、飲み物などの荷物を置きます。
ただし、ここはエジプト。どんなに人里離れた場所とはいえ、貴重品をここに置いていくのは避けるべきです。万が一のことがあったら大変ですからね。車のカギや現金、スマホなどの貴重品は、後ほど紹介する方法で海へ持参することにしました。
理想的な海況に感激

足を海水に浸けてみると、意外にも結構温かいことが分かりました。昨日訪れたDahab Blue Holeでは水がかなり冷たく、長時間のシュノーケリングは厳しい状況でしたが、これなら安心です。特にこの日は気温が36度近くまで上がっており、まさに絶好のシュノーケリング日和。

そのまま沖の方へと歩いて進んでいきます。Main Beachは遠浅の地形になっており、50メートルほど進んだところでドロップオフ(急深部)が始まります。この岩陰の辺りを第二の基地として、より大切な貴重品類を置くことにしました。ここまで来れば、さすがに盗人も来ないでしょう。
いざ海中世界へ
フィンを履いて、いよいよ本格的なシュノーケリングの開始。ドロップオフまでは遠浅で腰の高さほどしかありませんが、それでもここには驚くほど生きているサンゴ礁が広がっていました。。

他の商業的な紅海リゾートでは、観光客やダイビングボートの影響でサンゴが白化していることが多いのですが、ここRas Mohamedでは色とりどりのサンゴが健全な状態で生息しています。テーブルサンゴ、枝サンゴ、ソフトコーラルなど、様々な種類のサンゴが織りなす海中庭園は、まさに自然の芸術作品でした。
多彩な魚たちとの出会い

サンゴ礁とともに目を楽しませてくれるのが、豊富な魚影です。インド洋ではおなじみのナンヨウブダイの鮮やかなブルーと緑色、細長い体のトランペットフィッシュが群れを成して泳ぐ姿、そして各種エンゼルフィッシュの優雅な泳ぎなど、まるで天然の水族館のようです。

特に印象的だったのは、Masked Pufferというフグの愛くるしい姿でした(和名はないそうですが、パンダのような顔とも、マスクを被ったような顔とも評される姿が特徴です)。ぷくぷくと頬を膨らませながら素早く泳ぎ回る彼らの動きは、見ていて飽きることがありません。
ドロップオフでの圧巻の体験

そのままドロップオフの方まで進んでみると、魚影の濃さがさらに増してきます。カワハギの仲間が悠々と泳ぎ、お馴染みのカクレクマノミ(ニモ)やナンドウスズメダイ(ドリー)の姿も確認できました。

この辺りまで来ると、さすがに水温が低くなってきますが、その分景色は抜群です。深い青色の海中に、色とりどりのサンゴと熱帯魚が織りなす光景は、まさに紅海が「世界屈指のダイビングスポット」と呼ばれる理由を物語っています。
Shark Observatory への挑戦

そのまま、リーフエッジに沿ってシャーク展望台と呼ばれるエリアへと進んでみました。その名の通り、サメに遭遇できるかもしれないと期待していましたが、残念ながらこの日はサメには出会えませんでした。ただし、この辺りには確実にサメが生息しているそうで、運が良ければリーフシャークなどに遭遇できるチャンスがあります。
陸上からの絶景 - Shark Observatory

満足するまで泳いでいると、すっかり体が冷えてしまい、ぶるぶる震えるような状態になってしまいました。せっかくなので、身体を温めることを兼ねて、陸上のShark Observatoryに登ってみることにしました。


岩道のような険しい道を通ってアクセスし、急峻な階段を登っていきます。足場が不安定なのでちょっと怖いかもしれませんが、展望エリアに到達すると、そこには絶景が待っていました。

遠くの方から、こちらに向かって数十隻もの船が一列になって進んでくる光景が見えました。

おそらくシャルム・エル・シェイクからRas Mohamed近海へやってきたシュノーケルツアーの船団でしょう。同じ方向を向いて走っていく姿は何とも壮観で、まるで海の大パレードのようでした。

こちらが手を振ると、船上の観光客たちも気づいて手を振り返してくれるなど、ちょっとした交流も楽しめました。Shark Observatoryと言いながら結局サメは一匹も見えませんでしたが、この印象的な船団の光景を見られたのは素晴らしい体験でした。


手つかずビーチでの必須アイテム:ドライバッグ

ところで、今回、貴重品を海に持参するにあたって大活躍したのがドライバッグでした。完全防水のこのバッグは、携帯電話やパスポート、現金などを海水から守ってくれる頼もしいアイテムです。

さらに、空気をたくさん入れれば浮き輪代わりにもなるので、泳ぎに自信がない方でも安心してシュノーケリングを楽しむことができます。手つかずのビーチでは、こうした設備が一切ないため、事前の準備が非常に重要になります。皆さんも、野生のビーチに行く際にはぜひ活用してみてください。
まとめ:中東随一のサンゴ礁を体感
Ras Mohamed National ReserveのMain Beachでのシュノーケリング体験は、まさに期待を上回る素晴らしいものでした。商業開発から守られた手つかずの海には、健全なサンゴ礁と豊富な海洋生物が息づいており、他の紅海リゾートでは味わえない本物の自然を体験することができます。
エジプトというと砂漠やピラミッドのイメージが強いかもしれませんが、この国には世界屈指の海の楽園も存在するのです。シャルム・エル・シェイクからの日帰りツアーでも訪れることは可能ですが、運転にある程度自信があるならば、セルフドライブでゆっくりと時間をかけて楽しむことで、より深くRas Mohamedの魅力を感じることができるでしょう。
次回エジプトを訪れる際は、ぜひピラミッド観光だけでなく、この海の宝石も体験してみてください。きっと、エジプトという国の新たな魅力を発見できるはずです。
本記事は、登山YouTubeチャンネル「Sweet Climber」さんとの共同取材で作成しています。現地の様子をより詳しく知りたい方は、下記動画を合わせてご覧ください。
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