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ブハラのJOY Gastro Restaurant|伝統的な商人のキャラバンサライで食べるウズベク料理

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ラビハウズ広場のすぐ目の前に、そのお店はある。

ブハラ旧市街の路地を夜に歩いていると、青いネオンサインが目に入った。JOY Gastro Restaurant、ブハラで食事をするなら外せないと何度か耳にしていた店だ。歴史的な建造物を改装した空間で、雰囲気も料理も水準が高いという。実際に訪れてみると、その評判は大げさではなかった。ブハラ滞在中の夕食候補として迷っている人に向けて、実際の訪問記録を残しておく。

JOY Gastro Restaurantとは

JOY Gastro Restaurant

JOY Gastro Restaurantはラビハウズのほど近く、Sarrafon通りに位置するウズベク料理を中心としたレストランだ。建物はかつて商人グロモジョン(Gulomjon)が所有していたキャラバンサライと言われており、旧市街の歴史的建造物として国家保護対象に指定されている。

シルクロードの時代、旅人や商人が行き交い、この場所で宿を求めた。その建物が今はレストランとして機能しているわけで、食事以外の意味合いが自然と生まれてくる。入口の脇に埋め込まれた石板にはロシア語と英語でその旨が記されており、何気なく読むと少し感慨深い。

観光客向けに整備された店ではあるが、料理の質は一定水準を保っている。クレジットカードが使え、英語メニューがあり、スタッフも観光客の対応に慣れている。

料理もさることながら、とにかく建築や内装が名物。メインのダイニングエリアに入るまでのアプローチにも、心を踊らされる。

価格はウズベキスタン基準でやや高めだが、日本人の感覚では十分リーズナブルな範囲に収まる。一人でも入りやすい雰囲気で、気軽に立ち寄れる店だ。

吹き抜けの空間、ブルーの光

中に入ると、まず空間の規模に少し驚く。キャラバンサライの中庭がそのままダイニングになっており、1階から見上げると2階・3階のバルコニーが重なっているのが見える。四角形の中庭を囲むように各階のバルコニーが連なる構造で、上から見下ろすとその全体像がよくわかる。中庭の中央には大きな鉢植えの木が一本置かれていて、空間に程よいアクセントを与えている。

夜にはブルーにライトアップされ、アーチ状の窓枠や煉瓦の壁がその光に照らされている。その様はある種現代的だが、壁面にはウズベキスタンの伝統的なイカット模様のタイルが施されており、歴史的な建築とモダンな照明の組み合わせが独特の空間をつくっている。天井近くにはミラーボールがあって、音楽に合わせてきらきらと光が散る。謎といえば謎の空間だが、それがここの個性でもある。

昔ながらの内装と、煌びやかなライトアップが融合する独特なダイニング

夜はウズベク音楽のライブが行われていて、音量はかなり大きい。そんな賑わいも相まってウズベキスタン人の間でも映えスポットとして知られているようで、スマートフォンを構えている地元の若者も多かった。席は1階の中庭部分と2階以上のバルコニー席に分かれており、好みや人数に応じて選べる。

客層は外国人観光客が中心だが、地元のウズベキスタン人グループも少なくない。カップルや家族連れ、一人旅の旅行者まで幅広く、国籍もさまざまだ。観光地化された店にありがちな「外国人専用」という閉塞感はなく、地元にも根付いている印象を受けた。

料理:壺から注がれるディムラマ

今回注文したのはディムラマだ。ウズベキスタンの家庭料理で、肉とじゃがいも、玉ねぎ、にんじんなどの野菜を重ねて蒸し煮にしたものだ。スープというより煮込みに近く、素材の旨味がじっくり溶け出した素朴な料理である。家庭ではごく普通に食べられているものだが、JOYではその提供方法に一工夫がある。

陶器の壺に入った状態で運ばれてきて、スタッフがテーブルサイドに専用のスタンドを置き、壺の中身をウズベキスタン様式の深い皿に注いでくれる。蓋を開けた瞬間に湯気が立ち、香りが広がる。その一連の所作が演出として成立していて、自然と写真を撮りたくなった。

肝心の味は、肉がほろっとしていて火の通り具合は申し分ない。じゃがいもも崩れすぎず、スープに旨味が溶け込んでいる。派手な味付けではなく、ウズベク料理らしい素朴さが残っていた。観光地化されると味が落ちることも多いが、ここは料理の質をきちんと保っている印象だった。量もそこそこあって、一品で十分な満足感がある。

ディムラマ以外にも人気のメニューは多い。ラグマンは特に人気で、ラグマン目当てで訪れる客も多い。また、プロフはウズベキスタンを代表する炊き込みご飯で、米と肉、にんじんを大鍋で炊き上げたもの。ブハラのプロフはサマルカンドのものとはやや異なる作り方をすると言われており、現地で食べ比べてみると面白い。その他マントゥなど、一通りの定番ウズベク料理は押さえてあるのが有り難い。

食後は建物を探索する

トイレついでに上層階を散策する

食事が終わったら、そのまま帰らずに建物の中を見て回ると良いだろう。階段を上がると各フロアのバルコニーに出ることができ、上の階からライブ演奏を見下ろすこともできる。

1階でウズベク音楽が響く中、見上げていた空間を今度は俯瞰する側に回ると、キャラバンサライの構造がより立体的に理解できる。さらに上に上がるたびに視点が変わり、吹き抜けの中庭を囲む煉瓦の壁やアーチの連なりが別の表情を見せてくれる。

夜のライトアップの中でこれを眺めると、かつてここが旅人たちの宿だったという事実が少しリアルに感じられてくる。食事だけが目的でも十分だが、建物そのものを楽しむ時間を取る価値がある。

今回は22時ごろと少し遅めの訪問だったため、全体的に空いており、のんびりと探索できた。ピーク帯はテーブルが埋まっていることも多いようなので、ゆっくり見て回りたいならピークを外した時間帯を狙うのも手だ。

基本情報

  • JOY Gastro Restaurant(JOY Chaikhana Lounge)
  • 住所:ul. Sarrafon 2, Bukhara, Uzbekistan
  • 営業時間:12:00〜23:00
  • 支払い:クレジットカード可(Visa・Mastercard・AMEX)
  • 予約:ピーク帯は推奨