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【シナイ山③登頂編】御来光目指してガバル・ムーサ山頂へ!真夜中の登山レポート

前回の記事では、夜間登山の開始からラクダ道での発見について詳しくレポートしました。今回は道中の後半から山頂での御来光体験まで、そして下山中に見つけた意外な発見についてお伝えします。モーセが神と対話したとされる聖なる山頂(ガバル・ムーサ/ジャバル・ムーサ)で、私たちはどんな感動的な瞬間を迎えることになったのでしょうか?

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道中の休憩所事情

登山道の途中、ところどころにぽつぽつと建物が現れます。これらは売店・カフェを兼ねている休憩所で、登山客の憩いの場として使用されています。深夜は閉まっているお店が多いのですが、いくつかは深夜営業をしており、温かいコーヒーで登山客をもてなしてくれます。

価格も意外と良心的で、コーヒー1杯1ドル程度、お菓子もチョコバー1つが1ドル程度と決して高くありません。登山中の行動食が必要になったら適宜活用してみても良いかもしれません。真夜中の砂漠で飲む温かいコーヒーは、疲れた体に染み渡る特別な味がしました。

なお、これらの山小屋の中には、管理者やカフェ店員が寝るための小屋もあります。特に深夜は彼らは就寝中なので、間違って開けないよう注意が必要です。静寂な夜の登山マナーとして心がけましょう。

ラクダの糞問題

ジャイアントサイズのほっかほかうんこ(お食事中の方はすみません)

ところで、道中はとにかくラクダの糞が多いです。特に登り始めの頃は、ほかほかの出したての糞を踏んでしまわないよう、ヘッドライトで足元を照らしながら必死に避けていました。しかし、だんだんとどうでもよくなってくるのが人間の適応力というもの。

星空を眺めながら登山をしていると、どうしても避けきれません。それよりも満天の星空に心を奪われ、気がつけば糞を踏むことへの抵抗感も薄れていました。しかし心なしか、高度が上がるにつれてラクダの糞の数も少なくなってきたように感じます。いよいよ山頂が近づいてきたのでしょうか?

桃太郎かドラゴンクエスト

途中から、何やら野良犬がついてきました。どうやら我々についてくれば何かご飯がもらえると思っているのでしょうか?我々を追いかけ、時には追い越し、またペースを合わせて後ろにつき、とまるで我々の登山のお供をしているようです。「ごめんな、君にあげるきびだんごは持っていないんだ」と心の中で謝りながら歩き続けました。

山頂まで着いてきた2匹の猫

その後、犬だけでなく野良猫も我々の後を追ってきました。猫も、気づけば2匹に増えています。まるでドラゴンクエストで仲間が増えていくような感覚です。暗闇の心細い道を歩く中で、少しでも賑やかになると何となく心強い気がしてきます。動物たちの存在が、この聖なる山をより親しみやすいものにしてくれました。

ラストスパート:750段の階段道が待つ

いよいよラクダ道の終わりに差し掛かりました。ここからは階段道、750段の石段が待っています。ここからがとにかくきついのですが、ラストスパートなので力を振り絞りましょう。

この時点で午前5時前。2時間かかっていません。休憩もそこまで長く取らず、足早に登ってきたので、かなりペースは良い方だとマフムドさんが教えてくれました。4.5kmほどの道のりのうち、既に4.15kmを歩き切ったことになり、かなり終盤です。

750ステップの始まりを告げる標

しかし、完全に舐めていました。体力的にきついのはここからが本番だったのです。750段の石段は想像以上にハード。石段と言いつつも、部分的に崩れていたり、階段のようになっておらず滑る箇所もあります。急峻な坂道を一歩一歩上がっていく作業は、まさに修行のようでした。

最後の数百メートルが一番辛い

結構重めの一眼レフやレンズ、三脚などを用意してきたので、足への負担が大きくなります。そんな我々を横目に、犬猫がぴょんぴょん階段道を登っていく姿には脱帽です。山頂が近づいてくると、他の登山客の声も聞こえてきました。いよいよ終わりが見えてきたか!

気づけば前方集団と合流。空は既に明るくなりつつありました。

ついに山頂到着:格別な空気と絶景ポイント

そして、ついに山頂に到着しました。最後の階段道だけで、休憩を入れて30分弱ほどかかったでしょうか。それだけに、山頂で味わう空気は格別でした。

山頂を示す標

山頂はかなり冷えると聞いていましたが、体が熱々なので、そこまで寒くは感じませんでした。おそらく気温は5度くらいでしょうか?風もそこまで強くなく、ヒートテックやサウブを着込めば全然快適に過ごせる寒さです。

しかし、山頂にはおそらく数時間前から登って御来光を待機していたであろう人々が寒そうに毛布にくるまっています。山頂では毛布を有料で貸し出していますが、それでも寒さを完全に耐えられてはいなさそうです。我々が結局山頂に到着したのは5時半頃で、日の出30分前。少しギリギリではありましたが、体調管理的にはこれくらいのタイミングで登頂した方が負担が少ないかもしれません。

シャルムからのツアーが出ていない日を選んだにもかかわらず、山頂には20〜30人ほどの登山客がいました。ツアーありの日だったらもっとごった返していたでしょうから、やはりツアー無しの日に単独で訪ねたのは正解でした。

朝日が望める穴場スポット

そんな中、マフムドさんがおすすめの絶景スポットへ案内してくれました。山壁にくっついた廃屋のような建物の屋根です。ここが特等席で、日の出を楽しむことができるとのこと。

少しアクロバティックさが求められる場所でしたが、何とかよじ登り場所を確保。カメラをスタンバイ。我々とともに2匹の猫がついてきて、撮影を邪魔します。

感動の御来光

そして、いよいよ御来光の瞬間が訪れました。地平線から少しずつ太陽が差し込み、とても感動的な光景が広がります。

登る前は、「モーセごっこしよう」とか「十戒を唱えよう」とか色々山頂での過ごし方を妄想していましたが、いざ朝日を目にするとすべて忘れてしまい、ただただ見とれてしまいました。

マフムドさん実演、定番のモーセポーズ。シナイ山に登る際にはお忘れなく。

オレンジ色に染まる砂漠の山々、静寂な空間に響く風の音、そして神々しく昇る太陽。これにて、我々のシナイ山登山&御来光というミッションは無事成功しました。

モーセも幾度となく見てであろうシナイの御来光

ご満悦の一向と猫

次回へ続く

モーセが神から十戒を授かったとされる聖なるシナイ山での御来光体験は、想像を遥かに超える感動的なものでした。ネット情報の不正確さに翻弄されながらも、現地ガイドとの協力により無事に登頂を果たすことができました。

野良犬や猫との出会い、深夜営業のカフェ、そして息を呑むような御来光。すべてが特別な思い出となりました。次回は、山頂の見どころや下山路での発見について詳しくご紹介します。

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本記事は、登山YouTubeチャンネル「Sweet Climber」さんとの共同取材で作成しています。現地の様子をより詳しく知りたい方は、下記動画を合わせてご覧ください。

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