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タイで静かな海を味わいたいなら、穴場島「Koh Kood(コークット)」へGO!【前編】

陽光きらめく青い海に、どこまでも続く白砂のビーチ。波のさざめきと椰子の葉のそよぐ音だけが耳に届く静寂の中で、心地よい潮風を感じながら過ごす贅沢な時間。そんな楽園のようなビーチリゾートを思い浮かべるとき、多くの人がまず連想するのがタイの島々でしょう。しかし、昨今のタイのビーチリゾートは、必ずしも静かな癒しの場所とは限りません。むしろ、そうした穏やかな雰囲気を持つビーチを見つけることが、難しくなってきているのです。

変わりゆくタイのビーチリゾート

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パタヤビーチでは、昼夜を問わず賑やかな音楽が響き渡り、ビーチ沿いには露店が立ち並び、絶え間なく観光客の声が飛び交います。一方、パンガン島では満月の夜になると何千人もの若者たちがフルムーンパーティーに熱狂し、蛍光塗料を身にまとった人々がビーチを埋め尽くします。かつては静かな島だったサムイ島もまた、大規模なリゾート開発により、その様相を大きく変えました。今やビーチ沿いにはバーやクラブが立ち並び、深夜まで音楽が鳴り響く「パリピ」たちの聖地と化しています。

また世界的に有名なプーケットは依然として人気の観光地ですが、バンコクからの距離が遠く、飛行機での移動が必須です。往復の移動時間を考えると、週末の弾丸旅行には現実的ではありません。仕事や学業の合間を縫って、手軽にリフレッシュできる場所—。喧騒を離れ、本当の意味での癒しを求める人々にとって、理想的なビーチリゾートはないものかと探し求めていた中で出会ったのが、「Koh Kood(コークット)」なのです。

知られざる楽園、Koh Kood

タイ東部に位置するKoh Kood(クット島)は、トラート県内に位置し、カンボジアとの国境に近い場所に浮かぶ島です。面積約105平方キロメートルを誇り、タイで4番目に大きな島でありながら、人口はわずか2,000人ほど。島の大部分が熱帯雨林に覆われ、その間を縫うように点在する小さな集落と、美しい入り江に囲まれたビーチが、この島の風景を形作っています。

現在もなお漁村のような風景の広がるクット島

特筆すべきは、この島が観光開発の波に押し流されることなく、伝統的な生活様式と手つかずの自然を守り続けてきた点です。島内には大規模なショッピングモールも、派手なネオンサインを掲げた観光施設も多くありません。代わりに、地元の人々が営む小さな食堂や、家族経営の雑貨店が点在し、そこでは観光客も地元の人も同じように温かく迎え入れられます。

至る所に広がるヤシの木々は、島の至る所で涼やかな日陰を作り出し、その下では地元の人々がハンモックに揺られながら昼寝を楽しむ光景も。エメラルドグリーンに輝く透明な海水は、タイ有数の美しさを誇り、特に乾季(11月〜4月)には、その透明度は最高潮に達します。

バンコクからの旅路

この度そんなクット島へ行ってきたわけですが、私たち旅は、バンコクのエカマイバスターミナルから始まりました。早朝6時、まだ街が目覚める前の涼しい空気の中、Tratに向かうバスに乗り込みます。エアコン完備の快適なバスの車窓からは、徐々に都会の高層ビル群が姿を消し、代わりに広大なゴムの木のプランテーションや、のどかな田園風景が現れ始めます。

旅路の途中にはタイのいなか町も満喫

4時間ほどの道のりは、一見退屈に感じるかもしれません。しかし、この時間も旅の大切な一部として楽しむことができます。事前にダウンロードした本や音楽、podcast、時にはうたた寝をしながら、普段の忙しない生活では味わえないゆったりとした時間を過ごすことができるのです。途中、ローカルな雰囲気漂うレストエリアに立ち寄ることもあり、そこで本場のタイ料理を味わうのも、また格別な体験となります。

島までの移動は案外あっという間

Tratに到着すると、そこからはフェリーでKoh Koodへ。約1時間の船旅が始まります。甲板に立ち、潮風を感じながら、次第に近づいてくる島の輪郭を眺めるのは格別な気分です。遠くに見える島々の緑と、どこまでも広がる青い海。そして、船が浅瀬に差し掛かると、突如として海の色が劇的に変化します。濃紺から鮮やかなエメラルドグリーンへと変わっていく様は、まるで魔法のようです。

コークットの港町が段々近づいてくるのを眺めるとテンションも上がってきます!

Siam Beach Resortへ

島に到着すると、今回宿泊したSiam Beach Resortのスタッフが埠頭まで出迎えてくれました。リゾートまでは車で約20分。その道中も、島の魅力を垣間見ることができます。うっそうと茂る熱帯植物の緑のトンネルをくぐり抜け、時折見える小さな集落では、のんびりと日向ぼっこをする地元の人々の姿も。

港からは車でリゾートまで送迎して頂きます

リゾートに到着すると、ビーチに面した客室へと案内されます。一泊8,000円程度という、タイのビーチリゾートとしては驚くほど手頃な価格設定ながら、部屋からは広大な海が一望できます。ビーチに置かれたデッキチェアに座れば、波音を聞きながらゆったりとした時間を過ごすことができます。

部屋を一歩出ればすぐにビーチへアクセス

内装は必要最小限ではありますが、それがかえって心地よい。白を基調とした清潔感のある空間に、ラタン(籐)の家具が温かみを添え、大きな窓からは海からの爽やかな風が通り抜けていきます。エアコンも完備されていますが、この心地よい自然の風を感じていると、使う必要すら感じないほど。シャワールームも広々としていました。

ビーチベッドを使用してくつろぐこともできます

ベッドに横たわると、カーテン越しに波のきらめきが見え、その光と影の戯れを眺めているだけで、心が洗われていくような感覚に包まれます。まさに、ビーチリゾートならではの開放感を存分に味わえる空間なのです。

次回へ続く

今回は、コークットの紹介と、リゾートまでの移動についてレポートを行いました。次回記事では、島での滞在の感想についてより詳細レポートをお送りします!