前編では、アユタヤでのレンタサイクルの情報と、最初に訪れた2つの寺院についてご紹介しました。後編では、さらに3つの主要な寺院と、自転車旅の疲れを癒す現地食事体験についてレポートします。
Wat Phra Si Sanphet(ワット・プラシーサンペット)

次なる目的地は、ワット・プラシーサンペット。その前に、ここに向かう途中、なんと道を闊歩するゾウさんに遭遇!その迫力に圧倒されて、思わず道を譲ってしまいました。アユタヤではゾウ乗り体験ができるツアーもありますが、自転車で巡っているとこうした偶然の出会いもあるんですね。

Wat Phra Si Sanphetは、かつての王宮跡地にある寺院で、アユタヤを代表する美しい仏塔群が見られます。15世紀に建立されたこの寺院は、アユタヤ王朝の王室専用寺院として機能していました。
特徴的なのは、整然と並ぶ3基の大きなチェーディー(仏舎利塔)です。これらは歴代の王の遺灰を納めたものと言われています。白く塗られた姿は荘厳で美しく、アユタヤのシンボル的存在となっています。
寺院の敷地内には他にも多くの仏像や建造物の跡が残されており、当時の王宮の様子を想像させてくれます。広大な敷地を眺めていると、時間の許す限りゆっくりと探索したくなります。
Mongkon Bophit(モンコンボピット)

続いて、巨大な座仏で有名なMongkon Bophitへ。この寺院は Wat Phra Si Sanphet のすぐ隣にあります。
中央にある巨大な青銅製の座仏は、高さ12.45m、幅9.55mもあり、その圧倒的な存在感に驚かされます。この仏像は16世紀に建立され、アユタヤの繁栄を象徴する存在でした。しかし、その後の戦禍で大きく損傷。1956年に修復され、現在の姿になりました。
仏像を覆う建物も美しく、タイの伝統的な建築様式を楽しむことができます。内部に入ると、仏像の足元に参拝者が供えた金箔が輝いており、今も信仰の対象として大切にされていることがわかります。

日差しが強く、涼しいバスで移動するツアー団体が少し羨ましく感じられました。しかし、自転車だからこそ自由に動き回れ、細部まで観察できるのも事実です。暑さ対策をしっかりとして、ゆっくりペースで進むのがコツです。
Wat Phra Ram(ワット・プラ・ラーム)とBueng Phra Ram(ブン・プラ・ラーム)

Wat Phra Ramは、1369年に建立された古刹です。中央にそびえ立つプラーンは、アユタヤ様式の建築の美しい例です。プラーンの四隅には、より小さな仏塔が配置されており、シンメトリーな美しさを作り出しています。
遺跡の周囲では、象のレリーフや、緻密な装飾が施された石像の断片などを見つけることができます。これらの細部を観察することで、当時の芸術の素晴らしさを垣間見ることができます。

隣接するBueng Phra Ramは人工の池で、かつては王族の憩いの場だったと言われています。池の周りには遊歩道が整備されており、自転車を降りてゆっくりと散策を楽しめます。
日陰がなく暑さは厳しいですが、池のほとりは少し涼しく感じられました。水面に映る遺跡の姿も美しく、写真撮影にもおすすめのスポットです。
ランチタイム

さすがに暑さで疲れてきたので、チャオプラヤー川沿いのレストラン「Baan Mai Rim Num AYUTTHAYA」で昼食を取ることにしました。木造の開放的な造りで、川の景色を眺めながらの食事は最高です。

タイ料理を中心としたメニューが揃っており、私は魚のグリルと蒸しムール貝を頂きました。新鮮な川魚のグリルは、ハーブの香りが効いていて絶品。蒸しムール貝はレモングラスの香りが爽やかで、暑い日にぴったりでした。

川を行き交う船を眺めながらのんびりと食事を楽しむことで、午前中の疲れも癒されます。自転車で巡る旅だからこそ、こういったローカルなレストランでゆっくりできるのも魅力ですね。

食後は「アユタヤカフェ อยุธยาคาเฟ่」というカフェで青いスムージーを飲んで、さらに涼を取りました。このカフェは地元でも人気のスポットで、インスタ映えする青い蝶豆の飲み物が有名です。甘さ控えめで、暑さで疲れた体に染み渡る美味しさでした。

まとめ
アユタヤの自転車旅行は、歴史的な遺跡を自由に巡れるコスパ最高の手段です。バスツアーでは味わえない、街の空気や人々の暮らしを肌で感じられるのが大きな魅力です。
ただし、暑い季節の訪問は要注意。十分な水分補給と日よけ対策を忘れずに。朝や夕方など、比較的涼しい時間帯を活用するのもおすすめです。
コスパは抜群で、1日中アユタヤを楽しめます。レンタサイクル代も安く、自分ペースで観光できるので、予算を抑えつつ充実した旅ができます。
歴史ある遺跡、のどかな街並み、美味しい食事、そして予期せぬ出会い。アユタヤでのサイクリング旅行は、きっと忘れられない思い出になるはずです。ぜひ皆さんも、アユタヤでサイクリング旅行を体験してみてください!