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チュニス旧市街の隠れ家ルーフトップカフェでゆったりティータイムを楽しもう【チュニジア観光】

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煌めく地中海の太陽の下、迷宮のような路地が織りなすチュニスの旧市街(メディナ)。その街並みを見下ろすルーフトップは、訪れる人々の心を魅了してやみません。しかし、観光客で賑わう多くのルーフトップでは、本当の意味での感動と寛ぎを見つけることは難しいものです。今回は、そんな喧騒を離れ、地元の人々にしか知られていない隠れ家的なルーフトップカフェで過ごした、忘れられない午後のひとときをご紹介したいと思います。

観光客の罠と朝の出来事

まるで偶然を装ったかのように現れた青年ガイドによる旧市街ツアー。色々と高額土産を買う羽目になりましたが、これはこれで面白い体験でした。

チュニスの旧市街を訪れる観光客の多くが経験するのが、地元ガイドによる「おすすめツアー」です。私たちも例外ではありませんでした。その日の午前中、スークに入るや否や青年ガイドに声をかけられ、断りきれずにガイドツアーを敢行することになったのです。

「素晴らしい景色を見せてあげるよ!」

そう言って案内されたのは、確かに街並みを一望できるルーフトップ。しかし、そこに至るまでの道のりは、まるで策略のような展開でした。香水店では「特別価格」と言われて高額な香水を、カーペット店では「今だけの掘り出し物」と熱心に勧められ、結局どちらも購入してしまいました。

観光客が入れ代わり立ち代わり現れるルーフトップ

そしてガイドが連れて行くルーフトップは、同じように観光客を連れてきた他のガイドたちとその客で溢れかえっており、落ち着いて景色を楽しむどころではありませんでした。後から聞くと、ガイドという名目で観光客を町中の商店へつれ回す手口は、チュニス旧市街では非常にポピュラーなのだそう。

(ちなみに、色々と商品は購入してしまったものの、ガイドの青年は最後まで我々がチップを渡すことを拒否し続けました。単なる金目当てという訳ではないのか、彼なりの美徳だったのか、不思議な体験でした。また別記事でガイドツアーの様子を執筆します!)

思いがけない発見

旧市街の真ん中のスークを散歩していた時のこと

そんな騒々しい午前の経験に少々疲れ果てた私たちは、午後、スークの中を気ままに歩くことにしました。カラフルなランプや手作りの革製品が並ぶ店々を眺めながら歩いていると、何気なく目に留まった一軒の雑貨店。観光客向けの派手な商品は見当たらず、地元の人々が日用品を買い求めるような、どこか懐かしい雰囲気の店でした。

店内に入ると、奥に向かって伸びる階段が目に入ります。店主らしき方が優しく微笑みながら「上まで行ってもいいですよ」と声をかけてくれました。少々躊躇しながらも、その誘いに従うことにしました。

細い階段を登り、上を目指します

秘密の空間への旅

機織機と絵画の並ぶ階上

階段を上っていくと、建物が実は4階建ての構造だということが分かってきました。2階には小さなギャラリースペースがあり、地元アーティストの作品が展示されています。3階に差し掛かると、さらに意外な光景が。まるでブティックホテルのような洗練された家具とベッドが置かれた空間が広がっていたのです。

さらに上の階には豪華絢爛な寝具が

「ここは...私物の寝室なのでは?」

そんな戸惑いの声が漏れそうになったその時、下から「どうぞ、最上階まで」という声が響きました。

至福のルーフトップ

圧倒的開放感のルーフトップが広がっていました!

最後の階段を上り切ると、そこには息を呑むような景色が広がっていました。目の前には、チュニスの象徴であるZitounaモスクのミナレットがそびえ立ち、その周りには旧市街の建物群が幾何学模様のように連なっています。

カフェスペースの壁や床には、チュニジアの伝統的な文様が描かれたタイルが敷き詰められ、その美しさに目を奪われます。壁際には柔らかなクッションが置かれたベンチが配され、まるで昔からそこにあったかのような自然な佇まい。

特別なティータイム

ミントティーとレモネードを頂きました

ウェイターが運んできてくれたのは、チュニジア特製のミントティー。グラスの中では、新鮮なミントの葉が踊るように浮かんでいます。そして特筆すべきは、チュニジアならではの独特のアレンジ。浅煎りのナッツが浮かんでおり、その微かな渋みがミントの爽やかさと見事なハーモニーを奏でています。

ちなみに、真夏の炎天下でもあっつあつのホットティーを飲むのがマグリブ北アフリカ)スタイル。

異なる視点から見る旧市街

観光客がひしめく隣のルーフトップ

心地よい風に吹かれながら寛いでいると、隣のビルのルーフトップが目に入りました。そこでは、午前中の私たちのように、ガイドに連れられた観光客たちが慌ただしく写真を撮っては移動している様子。その光景を見ながら、静かにドリンクを楽しみ、遠くから聞こえてくるアスル(午後)の祈りの呼びかけに耳を傾ける。この対比が、今いる場所の特別さを一層際立たせていました。

市街地一帯を見渡せる、まさにチュニス一番の特等席とも言えるルーフトップでした。

いかがでしたでしょうか?

チュニスの旧市街には、観光客向けの定番スポット以外にも、こんな素晴らしい場所が隠れています。地元の人々の日常に溶け込むように存在するこのカフェは、旅の醍醐味である「その土地ならではの時間」を体験させてくれる特別な場所です。

確かに、メインストリートから外れた路地を歩き、一見何の変哲もない雑貨店から階段を上るのは、少々勇気のいる行為かもしれません。しかし、その先には、観光ガイドブックには載っていない、本物のチュニスの魅力が待っています。

旅の思い出は、時として予定外の寄り道から生まれるもの。チュニスを訪れる際は、ぜひ時間に余裕を持って街を歩き、自分だけの特別な場所を見つけてみてください。きっと、そこでしか味わえない贅沢な時間が、あなたを待っているはずです。

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