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西安咸阳国際空港第5ターミナル開業初日レポート!アクセスの便やショップの有無、現地の様子をどこよりも早く紹介

今回は、待望の西安咸阳国際空港第5ターミナル(T5)の開業初日に実際に利用してきましたので、その様子をレポートします!

西安咸阳国際空港と新設ターミナルについて

今回新たにオープンしたT5 国際線出発フロア

西安咸阳国際空港は、中国陝西省省都である西安市に位置する国際空港です。古都西安への玄関口として、年々その重要性を増してきました。2023年には旅客数が4000万人を突破し、中国内陸部における重要な航空ハブとしての地位を確立しています。

増加する航空需要に対応するため、西安咸阳国際空港は大規模な拡張工事を実施。その目玉となるのが、今回オープンした第5ターミナル(T5)です。延床面積70万平方メートルという巨大施設で、これは既存の3つのターミナルを合わせた面積よりも大きいのだとか。2021年7月に着工し、約3年半の工期を経て、ついに2025年2月20日に運用が開始されました。

T5ターミナル利用レポート

それでは、実際に開業初日に利用してきた体験を踏まえ、利用レポートをお送りします!

アクセスと外観

まず注意が必要なのは、T5は他のターミナルからかなり離れた場所にあるということです。市内からタクシーを利用してアクセスする際は、必ず「T5」と指定する必要があります。そうでないと、既存ターミナルまで回り道をすることになってしまいます。

巨大なガラス張りの外観は、まさに次世代の空港ターミナルという佇まい。新しいだけあって、全体的に非常に清潔で明るい印象を受けました。特に印象的だったのは、日の光を存分に取り入れる設計で、自然光による明るさが心地よい空間を演出していました。

保安検査前エリアの様子

一歩館内に入ると、その広大さに圧倒されます。天井高も十分に確保されており、開放感抜群です。特筆すべきは天井に設置された大型プロジェクションマッピング西安の歴史や文化をモチーフにした映像が映し出され、到着したばかりの旅行者を楽しませてくれます。

レトロなタッチの絵画に空港が溶け込んでおり可愛らしい

個人的に最も印象に残ったのは、壁面を飾る大規模なアート作品群です。中国絵画のタッチで描かれた西安の観光名所が、まるでギャラリーのように展示されています。大雁塔などの有名観光地が、伝統的な水墨画風に描かれており、古都西安ならではの雰囲気を醸し出しています。

商業施設の現状

目玉エリア、「長安文化区」

4階には「長安文化区」と呼ばれるエリアがあります。羽田空港第3ターミナルの江戸小路を彷彿とさせる空間で、伝統的な建築様式を模した造りとなっています。しかし、残念ながら現時点では空きテナントが目立ちます。営業中の店舗としては、陝西土産専門店が2店舗、中華料理レストラン、高級中国茶専門店、そしてビジネスラウンジ程度にとどまっています。

最も気になったのは、利便性の高い店舗が少ないことです。特にコンビニエンスストアやカフェチェーン、軽食を提供する店舗といった、空港では定番の施設が見当たりません。これは長時間の滞在を考えると、少し心もとない状況かもしれません。

お土産ショップはちらほら入っており、ここならではのアイテムも多数見受けられました。

保安検査後エリア

保安検査後のエリアは、現状正直なところ通りとは行きませんでした。飲食店が皆無で、免税店は化粧品売り場のみ、お土産店もないという状況です。これは特に長時間の待ち時間がある場合に大きな課題となりそうです。食事や買い物は、保安検査前に済ませるか、空港に向かう前に済ませることを強くお勧めします。

最低限の機能しか有していない出国後エリア

新システムの導入

一方で、施設面での不便さを補うような最新システムの導入も進められています。顔認証搭乗システムにより、国内線を利用する一部旅客はチェックインから搭乗まで顔認証で完結でき、身分証明書の提示が不要になったとのこと。また、手荷物システムもAI制御による最適ルート選定やリアルタイムでの追跡が可能となり、特に乗り継ぎ手荷物の処理が効率的になっています。

外国人観光客としてはこのあたりの恩恵はあまり受けられませんでしたが、出国手続後のエリアにある「顔をスキャンするだけで該当フライトのゲート案内をしてくれるシステム」が画期的でユニークでした。カメラをちらっと向くだけで、周囲の人たちにまで私のフライト情報がだだ漏れになってしまう、というちょっとした難点はありましたが、思い荷物を抱えて両手が離せないような時には重宝しそうなシステムです。

オペレーションについて

最後に、空港内のオペレーションについて。新設ターミナルということで、保安検査場が混雑していないか、ゲート案内が滞っていないか、など色々と不安に思っておりましたが、実際のところオペレーション面で気になる点はほぼありませんでした。

ただ、新ターミナル稼働にともない、元々別のターミナル発着で予定していた便が、第5ターミナル発着に変更となるケース(実際に私もそうでした)が見受けられたり、また一部フライトは出発や到着が遅れていたりしました。

まとめ:期待と課題が混在する新ターミナル

西安咸阳国際空港T5は、確かに施設としての完成度は高く、特にハード面では世界最高水準の設備を誇ります。しかし、開業初日ということもあり、商業施設の充実度には改善の余地が大きいと感じました。

今後は段階的なテナント入居による商業施設の充実や、保安検査後エリアの施設拡充、利用者数の増加に伴うサービスの拡大が期待されます。年間旅客取扱量8,300万人を目指す西安咸阳国際空港。その中核を担うT5の今後の発展に、引き続き注目していきたいと思います。

以上、西安咸阳国際空港T5開業初日レポートでした!