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ジェルバ島から1時間!さくっとスターウォーズ気分を味わえる「ザルジス塩湖」訪問レポート

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ジェルバからすぐ!まるで異星に来たかのような絶景を楽しんできました。

スター・ウォーズファンなら誰もが知る「ルークの家」で有名なショット・エル・ジェリド塩湖は、チュニジア最大の塩湖として多くの観光客が訪れる聖地ですが、ジェルバ島を拠点に旅をする場合、レンタカーでも片道6時間程度かかる距離で、時間ロスが激しいのが悩みどころです。

スター・ウォーズの雰囲気を味わいたいけど、そんなに時間をかけられない…」そんな悩みを抱えていた私たちが偶然発見したのが、無名だけれど圧倒的に美しい「ザルジス塩湖」でした。タタウィンからジェルバへの帰還中、何気なく立ち寄ったこの場所が、予想をはるかに超える絶景スポットだったのです。本日は、そんなザルジス塩湖の訪問レポートを紹介します。

隠れた名所「ザルジス塩湖」とは

ザルジス塩湖(Salt Lake of Zarizis)は、観光ガイドブックなどには載っていない超ローカルな塩湖。ショット・エル・ジェリドがあまりにも有名すぎるため、その影に埋もれてしまっており、わざわざ足を運ぶ観光客は少ないのが現状です。

しかし、私たちはジェルバ島~タタウィンの車旅をしていたので、せっかく通り道だしということで、ザルジス塩湖に少し立ち寄ってみることにしました。この判断が、思わぬ大発見につながることになります。

アクセスは簡単

ザルジス塩湖は、ジェルバ島とアフリカ大陸を繋ぐ唯一の橋であるDjerba-Zarzis Roman Causeway Bridgeから南に30分ほど走ったあたりに位置しています。湖の中を道路の一本道が通っているような独特な地形で、まるで湖面を車で走り抜けているような不思議な感覚を味わえます。

私たちはタタウィン方面から到着しましたが、車を道路脇に寄せて外に出た瞬間、目の前に広がる光景に言葉を失いました。地平線まで続く真っ白な大地、そして頭上に広がる青い空のコントラスト。ショット・エル・ジェリドの影に埋もれているものの、実際には先がどこまで続いているのか分からないほど壮大な塩湖が目の前に広がっていたのです。

塩湖に足を踏み入れてみる

塩湖に実際に降り立ってみると、ちょうど乾季ということもあってか、辺り一面に真っ白の塩の結晶が張り詰めていました。足音がサクサクと鳴り、まるで雪の上を歩いているような感覚です。同行者は「踏んだら割れるんじゃないか?」と恐る恐る歩いていましたが、確かにさながら凍った湖面のような見た目で不安になる気持ちも分かります。しかし、水は完全に干上がっているので、実際には全く問題ありません。

ところが、歩き始めてすぐに気づいたのが、日差しの強烈さです。塩湖には日陰を作るものが一切なく、頭上からの直射日光に加えて、白い湖面からの照り返しが容赦なく襲ってきます。まるで巨大な鏡の上にいるような状況で、サングラスをかけていても目がチカチカしてしまうほどでした。

塩湖の中心部の方向へと進んでいきます。しばらく歩いても、ずっと続く乾いた塩湖。振り返ると、自分たちの足跡だけが塩の大地に刻まれています。あたり一面が真っ白の世界で、太陽の光がざらざらとした塩の結晶に反射して輝く様子は、まさにスター・ウォーズ エピソード1のポスター。少し黄色がかった白色が、幻想的な景色でした。

照り返しで顔がジリジリと焼けるような感覚も。ルークの家こそありませんが、十分すぎるほどスター・ウォーズらしい没入感を味わうことができました。観光地化されていない分、湖面の塩も非常にきれいで、人工的な手が加えられていない原始的な美しさがむしろ隔絶された異世界感を演出していて圧巻でした。

気になる塩の味は…

さて、塩湖に来たからには、その塩の味を確かめずにはいられません。好奇心に負けて、ひとつかみ、地面の結晶を砕いて恐る恐る舌に乗せてみました。

抜群の塩味とほんのりとしたミネラル感が口の中に広がり、チュニジアの強烈な日差しでかいた汗を補ってくれる、まさに今体が欲している味でした。市販の食塩とは全く違う、複雑で深みのある味わいです。

あまりにも美味しかったので、せっかくならもっと味わってみようと地面に寝そべり、塩の大地を直接ペロペロと舐めてみることにしました。同行者はお腹を壊さないかと心配していましたが、もはや止まりません。

動物用のミネラルリックというものが世の中にはありますが、まさにその気持ちが分かった瞬間でした。舌先にザラザラとした塩の結晶の感触、そして口の中に広がる自然のミネラル。壮大な大地と直接交流している感覚があって、なんとも言えない原始的な満足感がありました。後から考えると少し危険な行為でしたが、旅の思い出としては最高の体験でした。

地元の人々の生活に根ざした塩湖

そんな私たちの奇怪な行動を見ていたのか、湖の奥から突然バイクのエンジン音が響いてきました。振り返ると、年配のおじさんがバイクで塩湖を駆け抜けながら、こちらに声をかけてきました。どうやら「うちの店で塩を買っていったらどうだい?」と営業をかけてきたような様子。

塩湖の真ん中にぽつんと塩商店

ちらりと露店をのぞいてみると、確かに白さが違う、綺麗な塩が大きな袋に入って売られていました。しかし、1ロットがかなり大きく(5kg以上はありそう)、バックパッカーである私たちには現実的ではありませんでした。

時折、地元の家族連れが車で乗り付けて塩を購入していく光景も見かけました。彼らにとって、この塩湖は貴重なライフライン、日常的なミネラル源なのだということがよく分かりました。塩の採取や販売で生計を立てている人がいて、実際に生活に根ざした「生きている」塩湖なのです。

アクセス情報と注意点

レンタカーが断然おすすめ! ジェルバ島から車で約1時間という距離的には近い立地ですが、近くにバス停がなく、無名なスポットのため一般的な観光ツアーのルートにも組み込まれていないと思われます。そのため、自由に立ち寄りたいならレンタカーでの訪問が現実的です。

www.kosupatravel.com

  • 所要時間: ジェルバ島から車で約1時間
  • ベストルート: Djerba-Zarzis Roman Causeway Bridge経由で南へ30分
  • おすすめ時期: 乾季(塩の結晶がより美しく見える)

持参必須アイテム

  • 帽子・サングラス: 照り返しが強烈なため必須
  • 日焼け止め: SPF50以上推奨
  • 十分な飲み物: 日陰が一切ないため脱水注意
  • カメラ: 絶景スポットなので忘れずに

まとめ

ジェルバ島から車で1時間程度という好アクセスで、これほどまでにスター・ウォーズらしい雰囲気を味わえるザルジス塩湖。ショット・エル・ジェリドまで行く時間はないけれど、チュニジアらしい塩湖体験をしたいという方には、ぜひおすすめしたい隠れた名所です。

観光地化されていない分、より自然で純粋な体験ができ、地元の人々との触れ合いも楽しめます。次回チュニジア南部を旅される際は、ぜひザルジス塩湖も候補に入れてみてください。きっと予想以上の発見と感動が待っているはずです。