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チュニジアの小さな町が巨大なアートギャラリーに:ジェルバ島「Djerbahood」訪問記

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チュニジア随一のオシャレスポット「Djerbahood」をご紹介

チュニジア旅行を計画している方なら、青い町として有名な「シディ・ブ・サイド」を目的地リストに入れている人も多いだろう。確かに美しい町だが、観光客で溢れ、しつこい客引きに疲れてしまうことも。

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そんな方におすすめしたいのが、ジェルバ島の隠れた名所「Djerbahood(ジェルバフッド)」だ。ここは観光地化されすぎず、のんびりとアートと地中海の雰囲気を楽しめる、知る人ぞ知るスポット。

さらに嬉しいのが、ジェルバ島自体がリゾートアイランドとして知られているため、滞在拠点としても申し分ないこと。また、タタウィンのベルベル洞窟住居やサハラ砂漠への玄関口としても最適な立地にあるため、チュニジア南部の見どころを効率よく巡る拠点としても活用できる。意外とサクッと訪れやすいのも魅力の一つだ。

今回はレンタカーで実際に訪れた体験をレポートする。

Djerbahood(ジェルバフッド)とは?

 

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Djerbahoodは、2014年に世界30カ国から150人ものストリートアーティストが集まって、小さな村を丸ごとアートギャラリーに変えてしまった驚きのプロジェクトだ。

村中に描かれた250点の壁画は、どれも圧倒的なクオリティ。世界的に有名なアーティストたちが本気で取り組んだ作品ばかりで、これが無料で見られるなんて信じられない。しかも、ニューヨーク・タイムズBBCなど世界70カ国のメディアで取り上げられた、まさに世界が注目したアートイベントの舞台なのだ。

 

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面白いのは、プロジェクト名の由来。村の入り口に設置された巨大な「THE HOOD」の文字から、自然と「Djerbahood」と呼ばれるようになったという、なんともユニークなストーリーがある。

エリヤーダ:歴史ある村の大変身

場所は、ジェルバ島北部のエリヤーダという小さな村。空港からも中心街からも車で20分というアクセス抜群の立地だ。

この村、実は長い歴史を持つユダヤ人とアラブ系住民が共存してきた場所で、独特の文化的な雰囲気がある。そこに世界中のアーティストが集まって壁画を描いた結果、伝統的な白い建物とカラフルなアートが見事に調和した、他では絶対に見られない風景が誕生したのだ。

アート旋風が巻き起こる前から、地中海地域らしい可愛らしい街並みを誇っていたエリヤーダ。

地元の人たちも最初は「自分の家の壁に絵を描かれるなんて...」と戸惑っていたらしいが、完成した作品を見て感動し、最終的には「うちの壁にも描いて!」と頼む人まで現れたというエピソードも微笑ましい。

実際に訪れてみて

真っ白な家々が立ち並ぶ伝統的な村に到着すると、突如として色鮮やかな巨大壁画が目に飛び込んでくる。理論として知っていても、実際に目にするとその迫力に圧倒される。

とにかく可愛い、映える街

率直に言って、Djerbahoodはとにかく可愛い。これに尽きる。

真っ白な壁に映えるカラフルなアート、地中海の青い空、石畳の路地。どこを切り取っても絵になる景色が広がっている。シディ・ブ・サイドほど観光地化されていないからこそ、自分のペースで写真を撮れるのも嬉しい。

チュニジアンブルーの建築と、現代アートの融合が絶妙

写真映えを狙うなら、ここは間違いなく穴場スポットだ。観光客が少ないので、人が写り込まない完璧なショットも撮りやすい。

路地裏に潜むアート

村を歩き始めると、まず驚かされるのはその作品の多様性だ。抽象的な幾何学模様から、地元の文化をモチーフにした具象画、社会問題を問いかけるメッセージ性の強い作品まで、まさに百花繚乱。

細い路地の奥深くにも作品は隠れている。地元の子どもたちが遊ぶ広場の壁面には、カラフルな魚が泳ぎ、古い木造の扉には繊細なアラビア書道が施されている。まるで宝探しのように、次の角を曲がるたびに新しい発見があるのだ。

伝統と現代の融合

ポップなアートが潜んでいて一つずつ探すのが面白い

印象的だったのは、チュニジアの伝統的な建築様式とストリートアートの見事な調和だった。真っ白な漆喰の壁に描かれた鮮やかなブルーや赤の作品は、地中海の強い日差しの下で一層輝きを増す。

ハムサをモチーフに、現代的なゲームデザインのようなテイストであしらったチュニジアンタイル。芸が細かい。

アラビア語の書道とグラフィティが共存する壁面や、ベルベル人の伝統的な模様を現代的に解釈した作品など、文化の交差点ならではの創造性に満ちていた。

洗練されたショップ:チュニジアのおしゃれ最先端

エリヤーダで特に思い出深かったのは、商店のセンスの良さだった。首都チュニスの雑多なスークで見かけるような、しつこい客引きは皆無。代わりに、まるでおしゃれなセレクトショップのような洗練された店構えの商店が点在している。

お店もアートまみれ。細かい装飾までセンスを感じる。

店を覗いてみると、オーナーが自らアクセサリーをハンドメイドで作っているケースも多く、一つ一つの商品にアーティスティックなセンスが光っている。アートプロジェクトの影響で、村全体がクリエイティブな雰囲気に包まれているのだろう。

チュニジアっぽさも有るけど土着過ぎない、絶妙なオシャレアイテムが沢山見つかる

首都チュニスを差し置いて、ここエリヤーダこそがチュニジアのおしゃれの最先端を行く街と言っても過言ではないのではないか。アートと商業が絶妙に調和した、他では味わえない上質なショッピング体験ができる。

しつこい客引きもなく、穏やかな時間が流れている。チルしたい、ゆったり過ごしたいという人には、シディ・ブ・サイドよりもこちらの方が断然おすすめだ。

個人的にすごく惹かれたハムサのピアス。やはりチュニジアというだけあって、ハムサをモチーフにしたアイテムやアートが多いようだ。

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まとめ:チュニジアでお洒落旅するならDjerbahoodへ

Djerbahoodは、「可愛い」「映える」「のんびりできる」の三拍子が揃った、理想的な旅行先だった。

観光地特有の喧騒から離れ、アートに囲まれながらゆったりと過ごせる。シディ・ブ・サイドのような有名観光地も良いが、人混みやしつこい客引きに疲れたくないなら、断然こちらをおすすめしたい。

さらに、ジェルバ島がリゾートアイランドとしても、チュニジア南部観光の拠点としても優秀なことを考えると、アクセスの良さは群を抜いている。タタウィンのベルベル洞窟住居やサハラ砂漠への玄関口でもあるため、「ついで」に立ち寄れる気軽さも魅力だ。

世界中のアーティストが集まって生まれたこの小さな村のアートプロジェクトは、ただの観光スポット以上の価値がある。地域コミュニティとアートの融合、伝統と現代の対話、そして何より、訪れる人々に穏やかな時間を提供してくれる特別な場所だ。

チュニジア旅行の際は、ぜひジェルバ島まで足を伸ばして、このアート村での時間を過ごしてみてほしい。