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【チュニジア自動車運転③】チュニジア南部車の旅 - 初心者ドライバーがレンタカーで600km走った感想を徹底レポート

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前回の記事では、ジェルバ島でのレンタカー貸出手続きの詳細についてお伝えしました。

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今回は、いよいよその車でチュニジア南部を600km走行した実体験をレポートします。年に片手で数えられる程度しか運転しない筆者でも、果たして無事に旅を完遂できたのでしょうか。砂漠道路の実際の様子、検問での対応、ガソリンスタンド事情など、リアルな運転体験をお伝えします。

総括:難易度はそこまで高くない

結論から申し上げると、チュニジア南部での運転難易度はそこまで高くありませんでした。年に指折り程度しか運転しない筆者でも、問題なく完遂できた程度の難易度です。

ただし、これは徹底的な事前準備と注意深い運転を心がけた結果であり、無計画で挑むと危険な状況に陥る可能性があることも付け加えておきます。ある意味、運転に自信のない初心者だからこそ安全にレンタカー旅を完遂できたと言えるかもしれません。適切な準備さえ行えば、初心者ドライバーでも十分に楽しめる体験でした。

今回のルート:チュニジア南部周遊コース

今回利用したルートはざっくりと、ジェルバ(Djerba)⇒メドニン(Medenine)⇒マトマタ(Matmata)⇒クサールギレン(Ksar Ghilane)⇒クサールハダダ(Ksar Hadada)⇒ゴムラッセン(Ghomrassen)⇒タトウィン(Tataouine)⇒ジェルバ(Djerba)という、チュニジア南部の主要観光地に加えて、ニッチなクサール(要塞化された村)なども巡るハイブリッドな周遊コースでした。

Toujane旧市街地区間

このルートの大きな特徴は、地方だったこともあり、ジェルバ島や一部の都市部を除き交通量が非常に少ないことです。他の車をあまり気にすることなく、快適に運転することができました。広大な景色を眺めながらのドライブは、まさにチュニジア南部ならではの醍醐味と言えるでしょう。

チュニジアならではの発見

快適な運転体験ではありましたが、いくつかチュニジアならではの発見がありました。

想像以上にスピードを出す現地ドライバー

結構みんなスピードを出します。特に砂漠地帯の直線一本道では、スピード感覚がわからなくなることもありました。時速140km程度で走っている車も多数見かけました。

砂漠の直線道路では、周囲に目印となる建物や樹木がないため、実際の速度よりもゆっくり走っているような錯覚に陥りがちです。メーターを定期的に確認し、適切な速度を維持することが重要です。

道路のクラック

基本的には道路状況は良好だが、たまに亀裂や陥没があるので注意

道路の状態は致命的に悪路というわけではありませんが、ところどころにクラックがあり要注意です。知らずに高スピードで駆け抜けると、車体を傷める可能性があります。実際に私も何度か小さいクラックを踏み、車体が揺れるような経験をしてしまいました(幸いにも車にダメージはありませんでしたが)。

特に舗装道路でも、経年劣化や気温差による影響で、亀裂が入っている箇所が散見されました。これらは昼間でも見落としやすく、夜間であればさらに発見が困難になります。

検問の実際の状況

検問の数は思ったより少なかったというのが正直な感想です。エジプトで運転した際は30分おきくらいに検問が出てきましたが、今回のルートで検問が登場したのはZarzisの一か所(往復)のみでした。

検問では、指示に従って書類とパスポートを提示したところ、警察官がにこやかに応対してくれました。観光目的であることを伝えると、むしろ「チュニジアの旅はどうですか?」と気さくに話しかけてくれ、和やかな雰囲気でした。

燃料管理の重要性を実感

ガソリンスタンドはリサーチ通りかなり少なかったというのが実感です。特にクサールギレン(Ksar Ghilane)からクサールハダダ(Ksar Hadada)までの区間では、ガソリンスタンドが見つからず、事前の燃料管理の重要性を痛感しました。あらかじめマップ上にガソリンスタンドの位置を記録していたので、計画を立てながら燃料計が半分を切る前にこまめに給油し、無事完走できました。

Matmata Nouveauに一軒だけある公式ガスステーション

しかし、無計画だったら砂漠の真ん中でガソリン切れになっている可能性も十分にありました。この区間では100km以上ガソリンスタンドが見つからない場合もあるため、燃料計が半分を切る前に給油するという原則を徹底したことが、今回の旅の成功要因の一つでした。

砂漠道路での危険な瞬間

砂地ではスタックしないよう注意が必要

旅を通じてスタックするようなことはありませんでしたが、途中砂漠地帯で緩やかにカーブしようとした際、一度砂にタイヤを取られ、高スピードでずるっと滑った時は覚悟しました

これは意外と砂がそこまで堆積していなかった場所で発生しました。おそらく礫がたくさんあったのかもしれません。何でもない道で緩やかにカーブしようとした時に、突然タイヤがグリップを失いコントロールを失いかけました。幸い、ハンドルをしっかりと握り、慌てずにアクセルを緩めることで事なきを得ましたが、一歩間違えれば大事故につながっていた可能性があります。

砂漠地帯では、舗装道路であっても油断は禁物です。道路脇の砂の状況を常に確認し、不用意に道路の端に近づかないことが重要だと学びました。

動物との遭遇状況

動物については、思ったよりも道路上での遭遇は少なかったというのが実感です。遠くに砂丘を自由に闊歩するラクダやロバ、そして幸運にもフェネックを見かけることはありましたが、目の前を横切ったり衝突事故になるようなケースはありませんでした。

クサールギレン周辺では、砂漠を自由に闊歩するラクダを散見

また、道路にはときどき砂漠ネズミのような小動物が現れて、とても可愛らしい光景でした。ただし、これらの小動物も急に道路に飛び出してくる可能性があるため、速度は控えめに保つことを心がけました。

夕方から夜にかけては動物の活動が活発になると聞いていたため、可能な限り日中の移動を心がけたことも、動物との遭遇が少なかった要因かもしれません。

レンタカー利用の価値を実感

全体的に、レンタカーを利用したことでフレキシブルで自由度の高い旅を楽しむことができました。今回我々は限られた日程の中で旅をしたので、レンタカーが大いに役立ちました。レンタカーなしだと、こんなに色々な場所は回れなかっただろうと思います。

特にクサールギレン(Ksar Ghilane)やクサールハダダ(Ksar Hadada)のような小さな村への移動は、公共交通機関では非常に困難です。一日に数本しかないようなバス路線をいくつも乗り継ぎながら旅をしたり、高額なカーハイヤーや団体ツアーを利用する必要が生じただろうと思います。

まるで北アフリカのRoute 66?長距離直線道路を駆け抜ける爽快感を、車好きにはぜひ味わってみていただきたい

また、砂漠の中を何キロも一直線に続く壮大な道路を走行できたのは、とても良い旅の思い出になりました。地平線まで続く真っ直ぐな道を自分のペースで駆け抜ける体験は、レンタカーでなければ味わえない特別なものでした。

自分のペースで景色を楽しみ、気になる場所で自由に停車し、写真を撮ったり休憩したりできるのは、レンタカー旅行の大きなメリットです。チュニジア南部の雄大な景色を存分に満喫することができました。

まとめ:チュニジア南部レンタカー旅の魅力

チュニジア南部600kmの旅は、想像以上に素晴らしい体験でした。確かにいくつかの注意点やリスクはありますが、適切な準備と慎重な運転を心がければ、初心者ドライバーでも十分に楽しめる旅であることが実証できました。

公共交通機関では到達困難な場所にもアクセスでき、予定変更も自由にできる柔軟性は、何物にも代えがたい価値があります。チュニジア南部への旅行を検討されている方には、ぜひレンタカーでの旅を検討していただきたいと思います。

次回予告:夜の砂漠道レポート

次回の記事では、夜の砂漠道についてレポートします。このシリーズで何度も「夜間運転は危険」とお伝えしてきましたが、旅程が押したため、100km近く真っ暗な夜道を運転せざるを得なくなった状況が発生しました。

その際の様子、実際に遭遇した困難、対処方法、そして夜間運転を避けるべき理由について、リアルな体験をもとに詳しく共有していく予定です。夜の砂漠がいかに危険で、同時にどれほど美しいかについても触れていきます。

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