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【基礎知識編】飲める文化遺産?世にも珍しい白いコーヒーをサウジアラビアで飲んでみよう①【アラビックコーヒー体験レポート】

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見た目はまるでミルクコーヒー?白いアラビックコーヒーの秘密に迫ります。

コーヒーといえば、濃い色合いと苦味の強い味を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、サウジアラビアではその常識を覆す白いコーヒーが存在します。この白いコーヒーは、そのユニークな色合いと風味で訪れる人々を驚かせ、魅了しています。今回は、サウジアラビアの伝統的なコーヒーである白いアラビックコーヒーについて、その魅力と味わいを詳しくレポートします。

アラビアから広まったコーヒー文化

サウジアラビアの白いコーヒーについてお話をする前に、コーヒーの歴史について辿ってみましょう。

飲料としてのコーヒーの歴史は非常に古く、コーヒー飲用文化は10世紀以前にイエメンで始まったとされています。イエメンでは、アラビア半島でもいち早くコーヒーが栽培され、地元のスーフィーたちが修行や祈りの際に眠気を覚ますために利用していました。その後イエメンから、コーヒーはメッカやメディナといったサウジアラビアのヘジャズ地方に広まったと言われています。

聖地メッカやメディナを擁するヘジャズの地

ヘジャズ地方は、イスラム教の聖地であり、多くの巡礼者が訪れる場所です。これにより、コーヒーは巡礼者たちを通じて世界各地に伝わっていきました。特に16世紀には、オスマン帝国を通じてコーヒー文化が広がり、エジプトやシリア、そしてヨーロッパへと伝播しました。こうして、コーヒーはグローバルな飲み物としての地位を確立していきました。

こうして歴史を辿ると、サウジアラビアは世界的にもかなり早い段階で飲み物としてのコーヒーに出会った地域であることはわかりますが、それ故に、白いコーヒーを日常的に飲む、という非常にユニークな文化が浸透することになりました。

白いアラビックコーヒー

白いアラビックコーヒー。デーツ(ナツメヤシ)と一緒に頂くのが現地スタイル。

白いコーヒーと聞くと、ミルクやクリームがたっぷり入ったカフェラテのような飲み物を想像するかもしれません。しかし、サウジアラビアの白いコーヒーは、全く異なる存在です。

このコーヒーは一般的にアラビックコーヒー(カフワ / qahwa)と呼ばれ、通常のコーヒー豆ではなく、非常に軽く焙煎されたコーヒー豆を使用します。そのため、色が薄く、文字通り「白い」コーヒーとなるのです。さらに、カルダモンやクローブサフランなどのスパイスが加えられることが多く、独特の香りと風味が楽しめます。

ちなみにアラビックコーヒーはユネスコ無形文化遺産に登録されていることから、コーヒーを飲むことでまさに文化そのものを味わうことができると言っても過言ではありません。

余談:黒いアラビックコーヒー

サウジアラビア以外の湾岸諸国では、アラビックコーヒーと言えば一般的には黒いコーヒー

余談ですが、スパイスと共に味わうアラビックコーヒーはサウジアラビアだけでなく、他の湾岸諸国でも広くポピュラーな飲み物です。しかし、他の国では一般的に深くローストしたコーヒーにカルダモンを混ぜたようなスタイルで、見た目は黒く、味も日本で口にするコーヒーに近いです。白いコーヒーはサウジアラビア以外では中々目にすることがなく、ひとえにアラビックコーヒーと言ってもサウジアラビアと周辺国では指すものが違うのでご注意ください。

白いコーヒーの味わい

お店によって香りが少しずつ異なる。こちらのコーヒーはカルダモンの塊が浮いている

実際に白いコーヒーを飲んでみると、その味わいは驚くほど繊細です。通常のコーヒーに比べて苦味が少なく、スパイスの香りがほんのりと漂います。一口飲むと、まずカルダモンの爽やかな風味が広がり、続いてクローブのほのかな甘さが感じられます。後味もさっぱりとしていて、コーヒーを飲んだ後の苦味や重さが残りません。これは、暑い気候のサウジアラビアで特に好まれる理由の一つかもしれません。

個人的には、目を閉じて飲んだら思わず濃厚な紅茶だと思ってしまいそうなほど、軽やかな味わい。コーヒーが苦手な方でも、ひょっとすると白いアラビックコーヒーなら美味しく飲むことができるかもしれません。

アラビックコーヒーの楽しみ方と入手場所

サウジアラビアで白いコーヒーを楽しむには、地元のカフェやレストランを訪れるのが一番です。中価格帯以上のレストランやカフェでは、大抵どこでもアラビックコーヒーを提供しています。コーヒーは小さなカップで提供され、通常はデーツ(ナツメヤシの実)と一緒に楽しむことが多いです。デーツの甘さがコーヒーのスパイスの風味を引き立て、絶妙なコンビネーションとなります。

アラビックコーヒーのお決まりセット、ダラーと小さなカップ

アラビックコーヒーはダラーと呼ばれる真鍮製のポットで提供され、ゲストの目の前で小さなカップに注ぎ込まれます。砂糖やミルクは入れず、ストレートで飲むのが現地スタイル。砂糖を入れないブラックコーヒーなのに色はホワイト、とはあらびっくりなアラビックコーヒー、とはよく言ったものです。

注意点:強烈なカフェイン

ところで、白いアラビックコーヒーを飲む上で重大な注意点が。それが、カフェイン量が通常のコーヒーの比ではない、ということ。

コーヒー豆は見た目や苦さに反して、一般的に深く煎る程カフェインが減っていくことで知られています。要するに、超浅煎りの白いコーヒー豆を使用するアラビックコーヒーのカフェイン含有量はかなりのもの。小さなカップで少量嗜む程度なら全く問題ありませんが、ダラー一杯分のコーヒーを一人で飲んだり、一日に何度も飲んだりした場合にはカフェインの影響が思いの外大きく出るかもしれません。苦さが少ない分ついつい飲みすぎてしまうので要注意です。

逆に言うと、寝不足が続く旅行においては、ちょっと飲むだけでバキバキに目が冴えるアラビックコーヒーはある種便利グッズ。無理に沢山飲まず、上手に活用することで旅行中の活力をブーストできるかもしれません!

いかがでしたでしょうか?

今回は、サウジアラビアの白いコーヒーについての基礎知識をお届けしました。次回の記事では、実際に白いコーヒーを飲んでみた体験レポートをお伝えします。その繊細な味わいと心温まるホスピタリティについて、さらに詳しくご紹介しますので、どうぞお楽しみに!

次回記事はこちらから

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