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【計画編】福建土楼に泊まってみた①田螺坑土楼群の客家ファミリーのもとでホームステイ

長年の夢だった福建土楼への旅。新型コロナウイルスの影響で一時は諦めかけていましたが、中国の観光ビザが解禁されたことを機に、ついに実現の時を迎えました。今回は全4回にわたり、世界遺産福建土楼でのステイ体験をお届けします。第1回となる今回は、計画段階から予約までをレポートします。

福建土楼とは

内側に開いた特徴的な集合住宅、土楼

福建土楼(または単に土楼)は、中国福建省の山間部に点在する環状の集合住宅建築です。主に客家(はっか)と呼ばれる民族の人々によって建設され、外敵や天災から身を守るための要塞としての機能も備えていました。最も古い土楼は700年以上前(なんと元王朝の時代!)に建てられたとされ、その歴史的価値から2008年にはユネスコ世界遺産に登録されています。土楼の中には同じ姓をもつ大家族が何十世帯も集まって住んでおり、大きなものではなんと世帯数が200に及ぶことも。

福建土楼の代表格、田螺坑土楼群

なかでも特に有名なのが、南靖県にある田螺坑土楼群。名前は知らずとも、円形や方形の巨大な土楼が連なる姿は、一度見たら忘れられない印象的な風景として、多くの人の記憶に残っているはずです。実際、中国の観光ポスターや写真集でもよく使われる風景の一つとなっています。

私自身、昔からこの土楼に大きな憧れを抱いており、いつか訪ねてみたいと考えていたのですが、この度中国の観光ビザ解禁を受け、勢いに任せて旅行に行くことに決めました。

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土楼に泊まれる?驚きの発見

旅の計画を立てるにあたり、まずは先人たちの記録を調べてみました。すると驚くべき情報が。なんと一部の土楼では、実際に宿泊することができるというのです。4 travelなどの旅行サイトには、土楼での宿泊体験記が複数投稿されていました。

通常、土楼の2階以上は部外者の立ち入りが制限されています。1階部分は観光客も見学できますが、実際に人々が生活している上層階には入ることができません。しかし、民宿として開放している土楼であれば、宿泊をして土楼の住民になってさえしまえば建物内部を存分に体験できるチャンスがあるのです。

一般住居になっている二階以上の部分には、通常観光客は立ち入りできない。

コロナ禍以降、中国の入国審査が厳格化していることもあり、今回は事前予約での宿泊を決めました。というのも、以前は現地で直接交渉して泊めてもらうケースも多かったようですが、最近は事前の宿泊予約が入国時の審査でも重要視されているからです。

中国版予約サイトでの奮闘

日本でおなじみのBooking.comやExpediaなどの予約サイトでは、中国の宿泊施設、特に土楼のような特殊な施設はほとんど取り扱いがありません。そこで活用したのが、中国最大の旅行予約サイト「携程旅行(Ctrip)」です。

中国国内向けのレジャー予約サイト携程旅行(CTrip)

サイト内で検索すると、確かに土楼内の民宿が複数ヒットしました。ただし、「土楼内」にあるかにように謳いながら実際は近隣のホテルだったりするケースも。写真をよく確認すると、土楼の外観写真は掲載されているものの、実際の宿泊部屋は明らかに現代的な建物の一室というケースも散見されました。中国らしい"自由な解釈"には要注意です。

予約画面はすべて中国語でしたが、なけなしの中国語力を絞りだし何とか読み解いていきました。英語表示への切り替えも探してみましたが、残念ながら見つけることはできませんでした。

楕円形土楼に決定!

手前の楕円型の土楼が、今回泊まった文昌楼

そんな中、目に留まったのが田螺坑土楼群内にある「文昌楼」の民宿。世界的にも珍しい楕円形の土楼で、その独特な形状は多くの写真家を魅了してきました。夢にまで見た田螺坑土楼群の中のシンボリックな存在である文昌楼に実際に泊まれるとあって、即座に予約を決意しました。

料金は1泊約1,800円。驚くほどの格安価格に若干の不安も覚えましたが、2階以上の窓付き個室を確保できました。写真を見る限り、部屋は質素ながらも清潔そうな印象。冷暖房設備はなく、トイレと浴室は共用とのこと。しかし、これこそが土楼に暮らす人々の実際の生活スタイルなのだろうと考え、むしろ現地の暮らしを体験できる貴重な機会として、前向きにとらえることにしました。

廃墟化した土楼やすっかり観光地化した土楼も多い中、実は文昌楼には今でも実際に客家の人々が暮らしています。観光地化が進む中で、なお伝統的な生活様式を守り続けているのです。そんな彼らの日常に少しでも触れられることに、渡航前から胸が高鳴りました。

次回予告

次回は、いよいよ田螺坑土楼群・文昌楼での宿泊体験についてご報告します。果たして、この格安宿泊施設での滞在はどのような体験となるのでしょうか。土楼に暮らす人々との交流や、建物内部の様子、共用施設の使い勝手など、詳しくお伝えしていきます。

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