沖縄旅行の玄関口である那覇空港。多くの旅行者にとって、那覇空港は単なる通過点ではなく、島々を巡る旅の重要な拠点となります。特に、夜遅くに那覇に到着し、翌朝早くに離島へ向かう旅程を組む方も少なくありません。そんな旅行者にとって、空港近くの宿泊施設、いわゆるトランジットホテルの選択は非常に重要です。
しかし、那覇空港周辺のホテル選びは一筋縄ではいきません。空港に直結したホテルがないことや、近いだけでは十分ではない様々な要因があるからです。さらに、旅行予算を考慮すると、コストパフォーマンス（コスパ）も重要な選択基準となります。この記事では、那覇空港でのトランジットホテル選びに関する重要なポイントと、コスパと空港アクセスを考慮したおすすめのホテルをご紹介します。
那覇空港には空港直結のトランジットホテルが不在
多くの大型空港では、ターミナルビル内や直結の場所にホテルがあり、乗り継ぎ客や早朝便利用者の便宜を図っています。しかし、那覇空港にはそのような直結ホテルが存在しません。これは、夜遅くに那覇へ到着し、翌朝離島へと乗り継ぐという旅行者が多い沖縄観光の特性を考えると、大きな課題と言えるでしょう。
この状況下では、宿泊を希望する旅行者は必然的に公共交通機関やタクシーを利用して市内方面へ移動しなければなりません。深夜や早朝の到着便の場合、公共交通機関の運行が終了している可能性もあり、タクシー利用を余儀なくされることもあります。また、追加の交通費がかかることで、全体的なコストが上昇する点にも注意が必要です。
近ければ良いわけではない
空港に近いホテルを選べば問題解決、と単純に考えるのは危険です。那覇空港周辺には様々なタイプのホテルが存在しますが、それぞれに特徴があり、必ずしも全ての旅行者のニーズに合うわけではありません。また、単に近いだけでなく、コスパの観点からも慎重に選択する必要があります。
立地の問題
空港からの直線距離だけでなく、空港までの交通手段、周辺環境も重要な選択基準となります：
1. 公共交通機関のアクセス: 空港に近くても、バス停やモノレール（ゆいレール）の駅から遠い場合があります。特に荷物が多い場合は移動が大変になることも。公共交通機関が利用しやすい立地を選ぶことで、タクシー代を節約できる可能性があります。
2. タクシーの利用のしやすさ: 立地によっては、タクシーが全然捕まらないエリアもあります。特に早朝や深夜の移動時には注意が必要です。タクシー利用が必須の場合、料金が予想以上にかさむ可能性があります。
3. 周辺施設: 食事や買い物などの便利さも考慮に入れる必要があります。ホテル周辺に飲食店や商店がないと、急な必要品の購入などで困ることがあります。また、周辺に手頃な飲食店があれば、食事にかかるコストを抑えられる可能性もあります。
カプセルホテルタイプの注意点
例えば、比較的安価で空港に近いカプセルホテルタイプの施設を選んだ場合、以下のようなデメリットがあります：
1. 共用設備:トイレや浴室が共用の場合が多く、プライバシーや衛生面で不安を感じる方もいるでしょう。
2. 休息の質: 狭い空間やプライバシーセキュリティの薄い環境で十分な休息が取れるか不安な方もいます。特に、翌日のアクティビティに備えて体を十分に休ませたい場合は注意が必要です。
3. 男女別フロア: 多くのカプセルホテルは男女別フロアとなっています。家族やカップルで利用する場合、別々の部屋に通されることになり、料金も個別に必要となる可能性があります。この場合、予想以上にコストがかさむ可能性があるので注意が必要です。
おすすめホテルの紹介
那覇空港周辺には多くのホテルがありますが、ここではこれまで挙げたポイントを押さえながら、コスパが良く、空港へのアクセスが便利な5つのホテルをご紹介します。
1. スカイ・リビングホテル旭橋駅前
那覇空港から車で約15分、旭橋駅から徒歩5分の好立地が売りのコスパ抜群ホテル。いわゆるコンドミニアム型の物件で、キッチンや洗濯機、乾燥機などが備わっているため使い勝手抜群です。部屋サイズも多数あり、一人でのミニマムな利用から、ファミリーでのステイまで幅広い使い方が可能なお得ホテルです。
おすすめポイント:
- ゆいレール駅に近く、近くのバス停から路線バスも多く運行。
- コスパに優れた低価格ホテル。
- 調理器具や洗濯機・乾燥機が備わっており、自宅感覚で使用できる。
2. リッチモンドホテル那覇久茂地
那覇空港から車で約15分、美栄橋駅から徒歩3分のアクセス至便ホテル。先ほど紹介したスカイ・リビングホテルと比べてこちらはよりホテル然とした物件のため、トランジットステイだろうと旅行気分を高めたい、という方にオススメです。
おすすめポイント:
- 美栄橋駅近くで、空港へのアクセスが良好。
- ビジネス利用にも観光にも適した立地。
- 清潔で機能的な客室。
3. メルキュールホテル沖縄那覇
那覇空港から車で約10分、モノレール壺川駅から徒歩1分の場所に位置するホテル。これまで紹介したホテルに対して少しグレード感が高め。壺川駅周辺は比較的閑静なエリアだが、ホテルのすぐ近くにドン・キホーテがあるので物資の調達に困ることはありません！
おすすめポイント:
- 空港に最も近い立地の一つ。
- インターナショナルブランドならではの快適な滞在が期待できる。
- 立地の良さに比べてリーズナブルな価格設定。
4. STORYLINE瀬長島
那覇空港滑走路からクロールで5分！と言ってしまいそうなほど空港に近いホテルがこちら。実際にはバスやタクシーで空港へアクセスする必要があるため空港まで20分程度の時間を要しますが、離着陸をする飛行機を間近に眺めることができるためトランジット気分を盛り上げてくれます。インフィニティ―プールからの景色は必見。
ちなみに同じく瀬長島内には琉球温泉瀬長島ホテルという同価格帯のファミリー向けホテルもありますが、今年できたばかりのSTORYLINEの方が内装もフレッシュで個人的にはお勧めです。
おすすめポイント:
- 空港滑走路が目の前。
- 新しいホテルで設備が重質しており、ハイグレードなステイを満喫できる。
- インフィニティ―プールが付いており、トランジット滞在中も旅行気分UP。
5. グランドキャビンホテル那覇小禄
最後に紹介するのが、赤嶺駅すぐのグランドキャビンホテル那覇小禄。こちらはカプセルホテル＋αのような位置づけのホテルで、トランジット中の移動や出費を最小限に抑えたいミニマリスト向け。トイレなどは共用ですが、一般的なカプセルホテルと比べて客室スペースがゆったりとしており、プライバシーもそこまで気にならないのが売りです。なお、男女別フロアとなっているため、カップルや家族で滞在する場合は注意。
おすすめポイント:
- 那覇空港から一駅
- 低価格＆ミニマルな設備
グランドキャビンホテル那覇小禄
最安値を確認する：Booking.com
グランドキャビンホテル那覇小禄
最安値を確認する：エクスペディア
余談: 来年夏には空港直結ホテルが誕生か？
ところで朗報です！那覇空港内に初めての宿泊施設が2025年8月に開業予定であることが明らかになりました。
ファーストキャビンHDが運営するこの新しい施設は、次のような特徴を持つ予定です：
- 国内線と国際線の中間に位置する1階と2階に設置
- 1人用の小型宿泊スペースを全72室用意
- 男女別フロアで、共用のシャワーブースやラウンジスペースを完備
この新施設は、深夜便の就航を見据えた取り組みの一環として、旅客サービスの向上が期待されているとのこと。特にビジネス利用や1人旅の方、乗り換え客のニーズに応える施設となりそうです。
コスパの観点からも、空港内に位置することで交通費が不要になるため、短時間の利用であればメリットが大きいかもしれませんね。ただし、具体的な料金設定はまだ明らかになっていないので、開業後の評判や料金などの続報を待ちたいところです。
いかがでしたでしょうか？
那覇空港でのトランジットホテル選びは、単に空港からの距離だけでなく、コストパフォーマンスと空港へのアクセスの良さを重視することが大切です。
旅の始まりと終わりを快適に、そして賢く過ごすためにも、事前にしっかりとホテル選びをすることをおすすめします。那覇空港周辺での滞在が、沖縄旅行の素晴らしい思い出の一部となりますように！
