タクシーだけじゃない、Yandex Goのもう一つの顔
前回の記事ではYandex Goを使ったタクシー配車を紹介した。しかしこのアプリの便利さは、タクシーだけにとどまらない。

サマルカンドの新市街を歩いていると、黄色い車体に「Yandex Go」のロゴが入った電動キックスクーター(キックボード)が道端に点在しているのに気づく。地元の若者たちの日常の足として街に自然に溶け込んでいるこのスクーターは、Yandex Goが提供するシェアスクーターサービスだ。アプリ一つでその場から借りて乗れる仕組みになっている。
タクシーとは違う機動力と自由度——街の空気を肌で感じながら、行きたい場所に気の向くままに立ち寄る移動体験は、観光の質をひと回り変えてくれる。今回はこのスクーターサービスの使い方と、実際に使ってみて気づいたことをまとめて紹介する。
徒歩では意外と骨が折れる、ウズベキスタンの街

サマルカンドもブハラも、レギスタン広場やカラン・モスクといった主要な観光スポットは比較的まとまったエリアに集中している。しかし中心地から少し範囲を広げて散策しようとすると、話が変わってくる。
サマルカンドであればシャーヒズィンダ廟群やウルグベク天文台跡、ブハラであればシトラ・イ・モヒ・ホサ宮殿など、少し郊外に位置するスポットは徒歩でアクセスしようとすると片道30分以上かかることもある。炎天下や雨上がりの悪路を歩き続けるのは体力的にも消耗が大きく、気づけば観光よりも移動に体力を使ってしまったという事態になりかねない。かといって毎回タクシーを呼ぶのも煩わしい。そんな場面でスクーターという選択肢が生きてくる。
なぜスクーターがいいのか
タクシーは確かに便利だが、スクーターにはタクシーにはない魅力がある。

まず小回りが利く。タクシーでは乗り降りのたびに手間がかかるが、スクーターなら気になる路地に入ったり、気になるスポットの前で気軽に止まったりできる。自分のペースで風を感じながら、行きたいところに寄り道できる自由度は、観光の楽しさを一段上げてくれる。
そして渋滞を気にしなくていい。ウズベキスタンの街なかは時間帯によって渋滞することがある。スクーターなら車の流れに左右されず、自分のルートで動ける。
ただし対応都市は限られている点は事前に確認が必要だ。ウズベキスタン全土で使えるわけではなく、サービスが展開されている都市でも乗り入れ不可能なエリアが地図上に設定されている。自分の行動範囲がサービスエリア内かどうか、アプリの地図で確認してから使い始めるといいだろう。
基本的な使い方
まずYandex Goのアカウント登録と支払い設定が必要だ。登録方法や日本の電話番号が使えない場合の対処法については前回のタクシー記事で詳しく解説しているので、初めてYandex Goを使う方はそちらを先に読んでほしい。

アプリのトップ画面から「Scooters」を選ぶと、周辺にある利用可能なスクーターと返却ポイントが地図上に表示される。

このとき地図上に赤く塗られたエリアがあれば、それはスクーターの乗り入れ禁止区域や対応外区域だ。旧市街の保護区域や特定の広場周辺が該当することが多いので、行動範囲と照らし合わせて確認しておこう。

スクーターに近づいたら「Scan」ボタンをタップし、車体に貼られたQRコードを読み込む。するとスクーターのロックが解除され、バッテリー残量と利用可能時間が表示される。料金プランを確認して「Start ride」を押せば乗車開始だ。

料金体系は都市によって若干異なるため、乗車前に必ずアプリの表示を確認してほしい。参考までに今回利用した一例では、時間課金が790スム/分(約10円)、初乗りとして1,990スム(約26円)が別途加算される形だった。30分や50分のパックプランも用意されており、観光エリアを広くカバーしたいならパックのほうがコスパがいいケースも。

乗車中はアプリの地図画面に現在地とナビが表示され、経過時間と料金がリアルタイムで確認できる。一時停止(Pause)機能もあり、観光スポットに立ち寄る際などにスクーターに一時的なロックをかけて盗難を防ぐのに使える。

なお、スクーター走行禁止はアプリ内の地図だけで示されているわけではない。道路脇の標識でキックスクーターの走行が禁止されているケースもあるので、走行中は標識もしっかり確認するようにしよう。
駐車と乗車終了のルール

駐車は指定の駐車スポット(地図上にPマークで表示)に停める必要がある。乗り捨て自由ではなく、終了時には近くの駐車スポットを探して停める必要がある。アプリが最寄りの駐車スポットをナビしてくれるので、地図を確認しながら向かえばいい。

乗車終了時はスクーター全体が収まるよう写真を撮影して送信する。これが完了して初めてライドが終了扱いになる。写真を撮り忘れると料金が加算され続けるので、必ず済ませてから離れること。
使う前に知っておきたいこと
初めて乗る場合は慎重に。電動スクーターはアクセル操作が思いのほか敏感で、最初は戸惑うことがある。日本でLuupなどのシェアスクーターを使い慣れていると操作感はすんなりつかめるが、そうでない場合は人通りの少ない場所でしばらく感覚をつかんでから走り出すのがいい。
また車両の状態にばらつきがある点も覚悟しておきたい。アクセルを離しても加速し続ける動作不良の個体や、逆にアクセルがほとんど効かない個体に当たることがあった。解錠直後に軽く動かして挙動を確認し、明らかにおかしければキャンセルして別の車両を探すのが賢明だ。

保険については、乗車前に拡張保険(990スム追加)への加入を促す画面が表示される。任意だが、初めて乗る場合や長距離を走る予定なら加入しておくと安心だ。
路面状況も注意が必要だ。主要道路から一本入ると未舗装の路地や水たまりに出くわすことがある。無理な道に入り込まず、路面の状態を見ながら走ることが大切だ。
まとめ
Yandex Goのスクーターは、タクシーを呼ぶほどでもないちょっとした移動から、街を広く散策したい場面まで幅広く使える。自分のペースで動けて、渋滞も気にならない——この自由度が最大の魅力だ。主要スポットを一通り回ったあと、少し足を延ばして街の素顔を見に行くような使い方にも向いている。
乗り入れ禁止エリアの確認、車両状態のチェック、駐車ルール、終了時の写真撮影——この4点を押さえておけば、あとは快適に使い続けられる。
実際に乗り回した走行ルートや道中の様子については、次回の記事で紹介する予定だ。