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まるで第二の実家?ローカル感満点のブハラ旧市街のブティックホテル「Rahmat」に泊まってみた【ウズベキスタン宿泊レポート】

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ブハラ旧市街地ど真ん中!今回宿泊したゲストハウス「Rahmat」がとにかく素晴らしかったので、本記事で紹介します。

ウズベキスタンの旅で宿選びは意外と悩む——そう言いたいところだが、ブハラに限っては悩みの種類が違う。選択肢が少なくて困るのではなく、良さそうな宿が多すぎて迷うのだ。

ブハラの旧市街には、古い家屋や隊商宿(キャラバンサライ)をリノベーションしたブティックホテルやゲストハウスが点在している。中庭を囲む伝統的なウズベク建築をそのまま活かしたもの、漆喰細工や木彫りの装飾が美しいもの、屋上テラスからミナレットを望めるもの——そのどれもが家族規模で運営されていて、画一的なチェーンホテルとはまるで違う温度感がある。泊まること自体が観光になるような宿が、旧市街の路地のあちこちに潜んでいる。

Rahmatを選んだ・オススメの理由

いくつかの候補を比較した上で選んだのが「Rahmat Family Guest House(ラフマット・ファミリー・ゲストハウス)」だ。

Booking.comでリサーチすると、旧市街エリアには似たような価格帯のゲストハウスがずらりと並ぶ。内装が整っていてテラスからの眺望が売りの宿、中庭が美しくSNS映えする宿、アクセスの良さを前面に出した宿——どれも魅力的だ。その中でRahmatを選んだのは、観光地然とした洗練さよりも、よりローカルな生活感の匂いがしたからだ。写真を見ると、ゲスト用に整えられた空間と、オーナー家族が実際に暮らしている空間が地続きになっている様子が伝わってくる。それが決め手だった。

良い意味で実家感が味わえる、生活の場そのもの

そして実際に宿泊したところ、まるで第二の実家に来たかのようなローカル感を救うことができたので、この記事を通じて皆様にもオススメしたい。

立地——旧市街の石畳エリアに静かに佇む

宿があるのはブハラ旧市街の石畳エリアだ。カラーン・ミナレットまで徒歩約5〜7分、ラビハウズまでも同程度の距離で、旧市街の主要スポットはすべて歩いてアクセスできる好立地だ。目の前にはアブドゥラフモナ・アラマ・マドラサ(Abdurakhmona A'lama madrasah)とホジャ・ガウクション・モスク(Khoja Gaukushon mosque)が並び、水路が流れる静かな路地が続く。知名度の高い観光地ほど人が集まるわけではないが、それゆえの落ち着いた雰囲気があり、朝早く起きてこの周辺を散歩するだけで、ブハラという街の本来の空気を感じることができる。

また、近くにYandex Goのスクーターステーションがあるため、旧市街の東西どちらへ向かうにも絶妙な拠点になった。チャルミナル方面へ足を延ばすにも、スクーターに乗ってさっと移動できる距離感だ。観光の合間に一度宿に戻って休憩したり、荷物を置きに来たりが気軽にできるのも、この立地ならではだ。

外から見ると、宿は目立たない。旧市街の路地を歩いていると、年季の入った土壁に「FAMILY GUEST HOUSE Rahmat」の看板がひっそりと掲げられているのが目に入る。重厚な木製の扉——これ自体がすでにブハラらしいたたずまいだ——を押して中に入ると、外の路地とはまったく異なる空気が広がる。

生活の場でもある敷地内

扉を抜けると最初に現れるのが中庭だ。レンガ造りの壁に囲まれた空間に白い藤椅子とテーブルが置かれ、伝統的な漆喰細工が施された壁面が出迎える。演出的な美しさではなく、日常の生活の場としての中庭がそこにある。晴れた日には日差しが気持ちよく差し込み、観光の合間にここでお茶を飲みながらぼんやり過ごすのにちょうどいい場所だ。

中庭を抜けてメインの建物に入ると、1階はごく普通の家庭のキッチンだ。整った木製の食器棚、ガスコンロ、洗濯機——生活感がそのまま残っている空間で、料理担当のオーナーの奥さんが温かく迎えてくれた。ここで毎朝、宿泊者のために朝食が丁寧に準備される。

木製の手すりが付いた階段を上がっていくと、赤い絨毯が敷かれた廊下に出る。鮮やかな群青の花瓶が並び、壁にはイスラム書道の装飾額が飾られている。そのまま進むと、ゲストの部屋に辿り着く。

部屋——100年の天井と、窓の向こうのミナレット

部屋はシンプルながら清潔で、スザニ(中央アジア伝統の刺繡布)が壁に飾られている。最も印象に残ったのは天井だ。重厚な木の梁が走る造りで、オーナーのご主人が誇らしげに「この天井は100歳だよ」と教えてくれた。歴史を感じさせる空間だ。

バルコニーに出ると、目の前にミナレットが聳えている。早朝、ここから見る朝日の中のミナレットは、ブハラという街に来たことをあらためて実感させてくれる眺めだ。部屋によっては横になったままその景色を楽しめるようだ。

バスルームはイスラム模様のタイルで統一されていて清潔感がある。シャワーのお湯も問題なく出た。靴を脱いで建物に入るスタイルで、廊下や室内は非常に清潔に保たれている。

朝食——イードの特別メニューと、不思議な食堂の空気

朝食は中庭を挟んだ離れの建物でいただく。部屋に入った瞬間、少し不思議な感覚を覚えた。キャピトーネ張りのソファ、花柄のテーブルクロス、シャンデリア、棚に並んだ金属製の工芸品、壁に映るテレビの光——イスラム様式の装飾と、旧ソ連の家庭の応接間がそのまま持ち込まれたような雰囲気が混在している。中央アジアの伝統建築の中に、ソビエト時代の家庭の応接間がそっくりそのまま入り込んでいる、と言えばいいだろうか。それが不思議と居心地よく、この宿の個性を象徴している気がした。

この日はちょうどイード(ラマダン明けの祭り)だったため、特別なメニューを出してくれた。それがトゥフム・バラク(Tuxum barak)だ。ホラズム地方発祥のウズベキスタンの家庭料理で、皮の中に生卵とミルクを包んで茹でる、ワンタンのような一品だ。中で卵がふんわりと固まり、とろりとした食感が独特だ。

続いてほうれん草とハーブを薄い生地に包んで焼いたクク入りのクレープ風(こちらもイードのメニューとのこと)、様々なパン、サムサ(肉入りパイ)、フレッシュフルーツ、ドライフルーツとナッツの盛り合わせ、ジャム、カッテージチーズ——テーブルの上は料理で埋め尽くされた。「今日はイードだから」と笑顔で説明してくれたオーナーの言葉が印象に残っている。通常の朝食でも品数は豊富で、毎日少しづつメニューが変わるとのことだ。

細やかな心遣いが随所に

オーナーご夫妻は、ゲストの動きをさりげなく気にかけてくれる人たちだ。夜に外出しては戻り、早朝また出かけては戻り、という私の行動パターンに、その都度さりさりと声をかけてくれた。「どうだった?」「気をつけてね」——押しつけがましくなく、でも確かに気にかけてくれている、そういう距離感だ。

チェックアウトの際には「荷物、置いていかなくていいのかい?」と気を遣ってくれた。この日はレンタカーでの移動を予定していたのでその心配は不要だったが、そういった一言がうれしかった。他の宿泊者のレビューにも、夜遅い到着でも快く出迎えてくれたとか、早朝3時に起きてYandexのタクシーが来るまで一緒に外で待ってくれたといったエピソードが並ぶ。

オーナーのご主人は流暢ではないが簡単な英語を話せる。今回は一泊のみの滞在だったので会話の時間は限られたが、建物の歴史を教えてくれる様子から、長く滞在すればするほどホストとの距離が縮まっていく宿だと感じた。複数泊して夜にゆっくり話し込んだという旅行者のレビューが複数あるのも頷ける。

総評——ブハラで泊まるならここで間違いない

Rahmatは「ホテルに泊まる」感覚を求める人には向かないかもしれない。階段は急で荷物の上げ下げは自分でやる必要があり、設備も必要最低限だ。

しかし「旅先でその土地の暮らしに触れたい」「ローカルな雰囲気の中で過ごしたい」という人にとっては、これ以上ない選択肢だ。旧市街の石畳、窓から見えるミナレット、オーナーご夫妻の細やかな人柄、ソビエトとイスラムが混在する不思議な食堂、そして朝食のにぎやかな食卓——それらが合わさって、ブハラの滞在が単なる観光ではなく、記憶に残る体験になった。

料金は1泊4,000〜8,000円前後(時期・部屋タイプにより変動)と、旧市街の立地とホスピタリティを考えれば十分なコストパフォーマンスだ。Booking.comから予約可能なので、気になる方はチェックしてみてほしい。